見出し画像

「遍在する身体交錯する時空間@高山市日下部民藝館」と「飛騨高山ジャズフェスティバル2022@飛騨の森」

5/21 飛騨高山。

この日は終了間近の個展「遍在する身体交錯する時空間@高山市日下部民藝館」と「飛騨高山ジャズフェスティバル2022@飛騨の森」に行ってきた。

言わずと知れた落合陽一が、個展は総合演出から泥臭く手を動かすところまで取り組み、ジャズフェスはDJとVJから泥臭く機材組みするところまで含めて単独アーティストとして参加していた。

伝統と現代の文化が滑らかに交わる町

朝から高山の街を歩いて、事前に行った人の話と落合さんがなぜこの街を選んだのかを答え合わせ。なるほどこの町は中央集権や競争から解放されて自立して共創していて、古い町並み全体が程よく潤ったような平和な町だと感じ取った。2時間歩いただけで他の地方都市との違いが分かるもんなんだな。

飛騨高山宮川朝市

音のないグルーヴと意図しない発展

そこから日下部民藝館に開始とともに入館し、そこからオフ会にリモートで参加。真面目なディスカッションで過去の経緯のおさらいと共に、グルーヴや意図せず発展したものについて考察を深める。なるほど、音楽がなくてもグルーヴは感じられるし、意図せず世間に広まることある。神輿があればみんなでわっしょいするし、シャボン玉を子どもに渡せば延々と遊ぶことにはグルーヴを感じるし、意図せず発展したものである。
ひとことで説明するとペンパイナッポーアッポーペンは音楽がなくてもグルーヴが成り立つから、意図せず発展したのだと言える。

音の無いグルーヴと意図しない発展

伝統と最新技術の交錯

オフ会参加中に現地で塾生数名と合流し、オフ会後に食事してもう一度ちゃんと日下部民芸館を観覧。民芸品の中にひっそりと佇む落合作品と妖怪を探しながら、改めて民芸品の数々に触れる。民芸品には無いはずの先端技術てんこ盛りの落合作品がたくさんあるにもかかわらず、とにかく不思議と馴染みのである。元々ここは古民家だし民芸品しかなかったはずなんだが。。。

工芸品の雪入道に混じってシレっと銀箔細工が佇んでるし、元から違和感のないプラチナプリントにはいるはずのない手長足長が写ってる。

現代の手長は感染予防にも余念がない

火が焚かれてるはずの囲炉裏は旅の扉の如くワームホールになってるし、無限回廊には円空仏が無限に連なる。

囲炉裏には旅の扉越しに燃えている

そして圧倒的存在感を誇る手長足長。気づいた時に「あ、すみません、いたんですか。。。」みたいな驚きを感じる。

銀口魚(鮎)を捏ねるシルバーフローツ職人の手長
足長の足元にはまだ捏ねる前の生きの良い鮎

ここまでくると新宿の個展会場から見えた日下部民藝館も納得できるし、夢の中の胡蝶が部屋に漂ってても違和感ないし、違和感だらけのはずのDJターンテーブルで回る一位一刀彫の熊と天皇も違和感を感じなくなる。

民藝による平和の象徴

日下部民藝館を後にして、塾生の1人とともに高山祭屋台会館と桜山日光館と桜山八幡宮をまわる。祭屋台という名の巨大な神輿が過去から続く平和と商業と町の発展を肌で感じる。

神輿は民藝の結晶

となりの桜山日光館で、まさかのミニチュア日光に出会う。下調べしてなかったからこれは驚いた。大正時代から33人の職人が15年かけて日光東照宮の数々の文化財を作ったらしい。飛騨の技術力がヤバい。

日光東照宮をこのサイズで俯瞰できるのはここだけなんではないだろうか?

ヌルヌルハラハラする民藝

そして飛騨の里で合掌造り家々でジャズフェスに参加。程よいサイズ感と過去の民の生活を肌で感じながら時空を交錯したジャズに身を揺らす。すぐ横には耕作された田んぼで蛙の合唱。

ジャズの演奏が止むと蛙の合唱が鳴り響く

そしてラストはDJ落合。思ったより機材が本気で機材組みから堪能できた。イベント屋さんで仕事してるとこの辺の肌感が分かるようになってきた。1時間で本格DJ機材を組んで障子の上にスクリーンがわりの巨大な紙をかぶせる。なんと、ビジュアルジョッキーまであるのか。。。トラブルありつつも解消して少し時間押しつつもほぼ予定通り開演。やはり落合さんは本番に強い。

卓のセッティングも見てて楽しい

そして古今東西あらゆる音楽をミックスしながら心地よいヌルヌル映像と炎上しそうなハラハラ映像からDJ落合が始まる。これは色んな意味でヤバい。そして日中に学んだことの答え合わせが始まる。ああ、なるほどグルーヴと意図しない発展はそういうことか。

見たことのある映像にリアルタイムでエフェクトをかける

猫キノコ遊牧民、政治戦争愛平和民藝。DJ落合の意図がほどけて結ばれていく。ハラハラした有名人映像をどう着地させるのか気にしつつ、座禅グルーヴを楽しむ。流れや近況を考慮して乙武Zで着地させるのかなとか予想してたけど、違ってた。

猫はいつでも気ままである

我らがムニーGこと柳宗悦の教え、平和活動民藝やろうぜと、飛騨高山最高というメッセージで着地させてきた。
なるほどたしかに柳宗悦と飛騨高山の民藝品は目に焼き付くほど一貫して最初から最後まで登場してた。
ああ、そうか。だからあの映像が入ってたのか。

ミミンゲイ ミンゲイ

相反する物事の間にはなめらかに交錯する境界線

なんとなくだけど、これは賛否両論あると思ってて、拡散のされ方によっては炎上する。でも炎上したら分析が進み、平和的なメッセージもクローズアップされるはず。社会への批判と受容、神への崇拝と冒涜、アーティストへのリスペクトとオマージュ、ある意味で相反することをギリギリ受け入れるか受け入れないかの境界線を攻めておいて、落とし所は平和活動民藝で締め括ってるのがジャズフェスでのDJ落合だったんじゃないかなと思ってる。
私は平和活動ミミンゲイ民藝のグルーヴに身を委ねようと思う。

そんな様子をアーカイブ配信でも見れるのは本日2/27(金)まで。
リモートワークのBGMにも、酒のつまみの動画鑑賞にも最適です。

https://hidajazz.stores.jp/items/62898382d175135a31199289


祭りの後と後の祭り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?