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「ない」のではなくて「ある」ができていない。

2月25日(火)22時から放送のNHK・クローズアップ現代+に、僕が数分(数秒かも)登場することになったらしいです。どんな編集になるのかは全くわかりませんが、番組の内容云々はどうであれ、NHKさんとお話をさせてもらったことはいい機会だったので、どんなことを考えたかを文章として整理して残しておきたいなと思います。今回の経緯も含めて、以下、まとめてみました。

放送の告知に関して

クロ現+公式「あなたのニュースで社会が変わる ~信頼のジャーナリズム~」

NHK帯広局「ナットク!とかちchが 「クロ現+」で紹介されます」

25日の特集では

「報じるだけでなく、読者とともに地域の課題解決を目指す「課題解決型ジャーナリズム」。この新たな報道のかたちは、メディアへの人々の信頼を取り戻すカギになるのか?地域メディアの当事者や専門家たちと一緒に、これからの地域メディアのあり方を考える。」

というのをテーマに、放送されるようです。

この放送の中で、NHK帯広局の取組が取り上げられているそうで、僕が帯広局の記者さんと会話をしている様子が取り上げられるのかなと思います。

ということで、以下、経緯も含めて、結構、だらだら書いていきたいと思います。(長いので経緯をすっ飛ばしたい人は「視点を変えると取り上げ方も変わる」の見出しまで飛んでください。)

「十勝発十勝へ」NHK帯広局の取組

元々の事の発端は、昨年10月にとあるイベントでNHK札幌の方とお会いしたのがきっかけでした。そういう時に縁は繋がることがあるようで、その数日後、Twitterを開くと十勝にいる知人の写真がドーンと出てきて目に留まり、それがNHK北海道のアカウントで「十勝の活躍している女性を取り上げる」という企画の放送後のツイートだったのです。

数日前にNHKの方とお会いしたこともあり、その企画の記事コンテンツを一度、最初から読んでみようと思い、ざっと目を通してみることにしました。すると、この記事は帯広局の独自企画で「ナットク!とかちch」というコーナーを制作し、毎週の放送後にネット上で記事にしてまとめて掲載しているということでした。

このコンテンツに目を通して、帯広という地方放送局でも独自の企画を立てることができるということ、地方局が取材した結果をネットに残す取り組みをしていること、に驚きを覚えたのを記憶しています。

ちなみに「ナットク!とかちch」は毎週火曜18時50分から十勝管内のみで放送されています。2018年12月にスタートさせ、視聴者の疑問・ご意見・質問をもとに取材・放送していく「課題発見・解決型」ニュースプロジェクトだそうです。

そして、そのまた数日後に、札幌でお会いしたNHKの方から「ナットクとかちch」のリアルイベントを行うので来ませんか?というお誘いをもらいました。テレビ局がリアルな場で何かをするなんてちょっと面白いなという好奇心と、記事を見て言いたいなーって思うこともあったので、足を運んでみることにしました。

そのイベントは「もやカフェ」という名前で

「あなたのもやもやがお宝にかわるカフェ」という主旨で、「十勝って退屈かも」「大都会の方がいいはず~」。なんて「もやもや」な気持ちを持ち寄って、ゲストと一緒に「お宝になるアイデア」を考えてみよう

というイベントでした。

イベントでは、終始穏やかに楽しく過ごし、言いたいなーって思うことは言わずというか言う時間もなく(イベント自体は収穫がすごくあって、良い時間が過ごせました)、イベント終了後に「なにかあればぜひ、ご意見ください」というお声もかけていたたいだので、後日、記事を読んだ時点でいくつか「?」と感じたことを文章にして送らせていただきました。

視点を変えると取り上げ方も変わる

帯広局が放送している「ナットク!とかちch」では地域の課題を見つけて、掘り下げていくという主旨のため、大まかなテーマ設定がされていました。最初は「除雪」。そして、次に「人口流出」をテーマに取材を進めていたそうです。(僕がこの企画を知ったのが「人口流出」のタイミング)

そして「人口流出」をテーマした記事の中にこんな文章がありました。

「十勝の人口減少って大丈夫」をとっかかりに、「特に女性が流出しちゃっている」→「街の魅力がカギ?」→「活躍している女性に聞いてみよう!」ということで、いま放送中の「十勝で輝く女性」シリーズになりました。
https://www.nhk.or.jp/sapporo/articles/slug-n90e40798afb4

という流れで「人口が減少していることが課題である」という目線に立って、色々と取材を重ねられていたそうです。ただ、その課題設定が僕にとっては、ちょっと違うなーと思ったので、ちょっと意見をさせていただきました。その時に僕が送った文章がこちらです。(少し整えています)

帯広放送局では人口流出を問題定義されていますが、帯広、十勝エリアはむしろ北海道の地方都市の中で唯一横ばいくらいの結果になっています。それがどういうことを意味しているのか。
十勝には仕事がある。農業の仕事がすごい。若い人が実は意外と多い?みたいな流れで。むしろ、人口流出の問題をポジティブに捉えて、放送を見た人が放送の内容を伝えたくなる企画のつくり方ってできたんじゃないですかね。

という話をさせていただきました。

実は、十勝は人口は流出しているけれど、札幌以外の地方都市(旭川、函館、釧路など)の中では一番流出率が低いというデータがあります(自治体の方が持っていたデータから)。特に若年層の減少率は著しく低い数値が出ているという事実があるのですが、「人口流出が悪いと決めつけて課題設定をするんじゃなくて、むしろ相対的にはあまり減ってない事実に着目して取材したほうが、他の地域の参考にもなるような結果が出るかもしれないし、その方が未来志向なんじゃないですか?」っていう話をさせていただきました。

この十勝が他の都市に比べて、人口減少率が低いらしいという話は個人的にはずっと前から知っていて、いつかその分析とかできたら面白いなと思っていたんですが、個人的にはやる大義もなかったので、、、そういうのはNHKさんでやってもらったらめっちゃ面白いんじゃないっかって思ってのお話でした。

そして、他にもイベントの告知ページでは

「あなたのもやもやがお宝にかわるカフェ」という主旨で、「十勝って退屈かも」「大都会の方がいいはず~」。なんて「もやもや」な気持ちを持ち寄って、ゲストと一緒に「お宝になるアイデア」を考えてみよう

という記載がありました。そこで僕が思ったのは

「おいおい、東京かどっかから来たのか知らないけど、帯広に転勤になった自分たちが一番退屈だって思ってるから、こういう文になったんじゃないの?」ってこの文章をみて思い、その話もさせていただきました。(こんなこと思う僕は、だいぶ擦れてますね・・・。)

ちなみに、その後、NHKの帯広局の記者さん達とはたくさん話もさせていただきまして、誰も上から目線じゃないですし、むしろどうしたらいいか日々試行錯誤の上で取り組まれているので、ご安心ください。(むしろ、僕の方が上から目線ですいません、、、つっこみどころ満載。)

僕自身は退屈してないし、大都会にいるのは違うな、と思ってここに住みだした自分にとっては、この言葉自体に「もやもや」を感じました。

もちろん、地方に住んでいたら退屈する人だっているのは知っているし、そういう人が大半なのかもしれない、ということも認識しています。でもそういう人は東京や札幌に行ったらいいと思っていて、行けない理由があるんだったら、もう諦めて、文句言うんじゃなくて、面白くすることを考えた方が楽しく暮らせる余地あるんじゃない?っていつも思っているんです。

そんな「やっぱこの街退屈なんだなー」って思わせるような、ネガティブな感覚を助長するようなことをメディアがしていても無駄だと個人的には思っているし、この地域にずっと住むと思っていない人に、「退屈じゃない?」って外から上から目線で言われる筋合いないよって思ったのが僕の率直な心の声でしたので、こういう話もさせてもらいました。ま、でもこの「退屈じゃない?」っていうのをキーワードにすることで、そういうことを感じている人を集めるという主旨もめちゃくちゃわかります。でも、そのネガティブな視点から捉えるのは今回必要なかったんじゃないかと個人的には思ったので、こういう発言になりました。

むしろ、僕はここの土地に住んでいることが面白いなーって思っているし、豊かだなーって思っていて、そういう結果の相対が、人口流出率が少ないのかもしれないし、むしろそういうことを取り上げてもらった方が地域にとってはいいんじゃないかなと思っています。

「ない」のではなくて「ある」ができていない

そんなこんなで、僕が言いたかったことは、

昨年11月にドット道東が東京で開催した「リトルドートー」でもそうですし、1回目のもやカフェでも、この道東・十勝という土地に「何もない」と思っている人が本当に多いなと感じていて。まずはその雰囲気を変えるだけでもっと楽しく生きていけるんじゃないかって思っているということです。

まずこの土地に「何もない」というのは、事実ではない。むしろ「有りまくり」な環境である。時間をかけて少しずつ「ない」を「ある」に変えることができるし、できた暁にはなにか明るい兆しがあるんじゃないかと思っています。(如何せん、地方は昔からの大衆やマスメディアのあおりで「地方」=「なにもない」、そして都会に出るべきだ、という集団就職時代の感覚が残りすぎている気がする。)

なぜなら、「何もない」は「何もない」という状態をこれまでの大人たちがただただ作り、伝えてしまっていて。伝えることができる「何か」や「ある」を発見できず、言語化できず、ストーリーも作れず、発信をしてこなかったからだと最近は思っているからです。

京都の嵐山で育った僕は秋になるたびに自分の地元がテレビに出て、芸能人が「紅葉素晴らしいですね」って言っているのを見てきたわけです。京都を出ようものなら「京都から来たの?いいとこ住んでいるね」と言われてきました。自分の地元、自分の住む街はこういうことで自慢できるものなのだということを、無意識に見せられてきたんだなと十勝に来てからつくづく感じてきました。

もしかしたら、ここには数十年前は何もなかったかもしれません。でも今、僕が見ている景色や価値観は違います。十勝にあるものが京都にはないし、京都にあるものが十勝にはない。そう考えると、京都は歴史があるから「ある」んじゃなくて、「ある」ことを言語化して、歴史作って、発信しているから「ある」という状態が続いている、というだけなんだと。十勝に「ある」ものを整えていけば、「ある」状態として認識されて、それが歴史にもなり、文化にもなるんだろうなと思っているわけです。しかも今はインターネットで誰でも発信できる時代。マスメディアが取り上げなくても、自分たちでできてしまう。

ちなみに、もやカフェで出会った帯広農業高校の高校生は、既に十勝の魅力に気づいていて、それを堂々と喋っていました。そして、十勝で進学して、十勝のポテンシャルを発揮できるような「食」に関わる仕事をしていきたいと明確な目標を持っていました。これは漫画(銀の匙など)やメディアに多く取り上げられ、外から見た時に何が注目されているのか、何が自慢できるものなのかを認識できたということも一因なのではないかと思っています。

ということは、情報を伝えるという役割において、NHKさんが外の視点を含めた十勝の魅力の伝え方や事実をもっとコンテンツ化していくということも面白い取組になるんじゃないか。また、転勤を繰り返して、色んな街を見てきたNHKの記者さんだからこそ、外から見えるその地域の魅力や違いがわかり、伝えられるモノがあるんじゃないか。「ない」じゃなくて「ある」を作り出していけるんじゃないかと。そんな話をさせてもらったと記憶しています。

もちろん、マスメディアという特性上、「権力の監視」などという部分での役割もしっかり担いつつというのが前提だということは、僕も思っていますが、北海道のテレビ局は札幌を中心に発信されていることも踏まえると、ある意味、それぞれの地域に放送局があり、道外から転勤しまくっているNHKの記者さんたちが伝えるということは、他にない面白い見せ方ができる可能性ないですかねと、というようなお話をさせてもらいました。

と、どこがどう放送されるかわかんないですが、僕がNHKさんとディスカッションさせていただいたお話はこんなニュアンスが中心だったかと思います。

ぜひ、お楽しみに。(ほんとにどんな内容になるかわからないので、いい奴な感じに映っていることを願っています。笑)

あと、もう2000字くらい書いてたんですが、長すぎるのでそれはまた別の機会にでも投稿します(もしかしたら、そっちの文脈が放送されるかも)。なので、続きをすぐにチェックしたい方々が多いかと思いますので、このnoteのフォローのほど、よろしくお願いします。(笑)

ちなみに、僕が話をさせていただく前から検討・企画されていたと思いますが、「ナットク!とかちch」では、「十勝の魅力」を掘り下げてみようというのがテーマとなり、あまり十勝の中でも知られていない魅力(温泉らしい。笑)、もしかしたら視点を変えたら面白くなるんじゃない?(冬の運動不足)といったことを取り上げるそうで、現在取材を進めているそうです。

最後に

色々と話をさせてもらいましたが、実際のところ、人のことを気にしてる場合じゃなくて(笑)、NHKさんが、、、メディアが、、、地域が、、、どうのこうのっていうのは、極論個人としては今取り組むべき喫緊のことではないのですが・・・・。トントンと繋がっていった縁と、単純に自分の最近考えていたことを整理できる機会だったので、沢山お話をさせていただくことになりました。

そんなこんなで、皆さん!僕はこんなことを考えながら十勝にいます。ずっとこの十勝に住んで居られるように、ぜひお仕事をください!
お願いします!


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22年京都で暮らし、北海道札幌に5年、2016年夏から北海道帯広市に住んでいます。地方というキーワード(移住、仕事、暮らしなど)のことについて書いて行きたいと思います。
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