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清宮確変終了によせて

清宮の熱い夏が終わった。真夏の打ち上げ花火。素敵な夢を何発も堪能することができて私は幸せだった。彼はファンに幸せを与え過ぎた余り、幸太郎がただの太郎になってしまって、あっという間にガス欠になった。そんなところも清宮らしくていい。

私がこのnoteで清宮のことに触れたのが7月19日。この時はまだ確変前。多分この翌日あたりから挙動があり、一気に確変モードに突入した。打席に立つたびに打点を上げ、美しい放物線を描きまくった。観てる私の体感としては常識を逸脱した7割打者。いっときは清宮がついに覚醒したかのか?と期待してしまったが、そんなことは決してなく、不定期で訪れるビッグボーナス、つまり確率変動だったのだ。今回は約20日間続いた。パチスロで言えば万枚ゲットに等しい。

私は昔から、こういうスポーツ選手が好きだった。モンスターレベルのポテンシャルを持っているのに、その性格の優し過ぎるところが禍いとなり、コンスタントに実力を発揮できない。スイーツ親方の現役時代、横綱大乃国がそうだった。巨人の原辰徳もそうだった。サッカー選手で言えば、久保竜彦。皆、プロでもほぼ一流を極めたと言ってもいい実績は残しつつ、でも、彼らの持つ潜在能力から考えるともっともっと活躍してもっと多くの伝説を残せたはずだった。言わば、大量の伸びしろを残したまま去った愛すべきヒーローたち。大乃国のポテンシャルは、後の大横綱、朝青龍や白鵬を軽く凌牙していた。事実、超人ウルフと呼ばれた当時の絶対王者横綱千代の富士の歴史的58連勝を阻止したのは大乃国だった。原辰徳も王貞治には及ばずとも800本塁打くらい打てただろうし、久保に至っては当時の怪物ロナウドと同等のパワーとスピード、テクニックを発揮できたはずだった。みな、優しい人だった。優しさは、時として甘さに映る。大乃国が引退後、スイーツに軸足を置いたのも偶然ではないのだ。久保は現在、家族とカフェを営んでいるらしいが、このカフェでも愛情タップリのケーキセットが評判となっていることは想像に難くない。

もちろん、清宮はこれで終わったわけではない。来年も再来年も、無敵の超人になるタイミングがきっと来る。半年続く長いペナントレースの中で、今回のように2週間の年もあれば、蝉のように1週間で終わる年もあるだろう。ひょっとして、年内、またそのタイミングがやって来るかもしれない。私は、この時を待ち続ける。清宮幸太郎がファイターズにいる限り。


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