見出し画像

転職と自身の成長、新たなことを知る喜び!

11月から転職した長女が久々に遊びに来た。働き始めて2週間経過したが、思ったより元気そうでひと安心。新卒で入社し2年勤めて転職を決意、4月に希望の会社から採用通知をもらい、意気揚々としていたのに残念ながら2ヶ月でリタイア。転職できた時の大喜びはぬか喜びで、思っていたのと全く違う仕事環境。3ヶ月ほど静養せざるを得ず、ゆっくりと就活し、迷いながらも今の会社へ入社を決意した。20代半ばですでに3社も経験、40年間で2社に勤めた私に比べて、すでに経験豊富な人生を送っている。


商社に勤める会社人間を描いた小説。まさに昭和のサラリーマン。一心不乱に会社のために働いてきた人間が、毎日が日曜日になったら果たして何をするか?流行語にもなったベストセラー小説。

城山三郎の「毎日が日曜日」世代である私にとって、新卒で入った会社を辞めるという選択はほぼなかった。新卒一括入社で大勢の同期が肩を並べて社長の入社訓示を聞き、事あるたびに酒を飲みかわし、喜びも辛さも仲間と分かち合いながら、他の世界へ行くという選択は考えたことがなかった。11年目に自ら希望して子会社へ出向し、60歳まで勤め上げた。

定年後、2社を渡り歩いている。しかし、この年齢になって別世界へ転職して思うのは、勉強したり新たなことを身に着けるのに年齢は関係ないということである。会社がたまに社員アンケートを行い、数ある質問の中のひとつに「自身が成長しているか」という質問がある。迷わずYESに丸をつける。周りからはそう見えないかもしれないが、新たなことに接すると、そこを軸に探り出す。更にその周辺にも興味がわいてくる。仕事そのものに直結しなくとも、関連する業界や商品への興味は尽きない。派生的に次へ次へと進み、関連する本を読み、新たな発見や気づきは本当に楽しい。仕事の成果につながるかどうかは微妙だが、日々のモチベーションを上げてくれることは間違いない。

そんなときに、ふと自分がもしもっと若くして転職していたら、と思うことがある。就いていた仕事が面白くなかったとかやりがいが無かった、というわけではない。別世界をもっと早く見てみたかったという感覚である。当時はそんなことは考えもしなかったし、時間的・経済的余裕もなかった。経済も一方向に向かって伸びていっており(結局はじけたが)、比較的恵まれた環境にいたからかもしれない。

今のように転職市場も整備されていなかった。今はいつでも自由に転職サイトに登録できる。転職に対する若い人たちの感覚も私たちの頃とは全く違うだろう。

知的成果の出し方を教えてくれる。いくら優秀でも動き方を知らないと成果を生み出せない。行動技術を教えてくれ、目から鱗的な話が随所に出てくる。

ふと見つけて読んでみた本。アンダーラインを引いて読むほど気づかされることが多い。もっと若くにこんな本を読んでいたらと思ったりする。「ポジションを取らない発言は評論家」「知的生産におけるプロセッシングはほとんど手を介して行われる(手が動かなくなるのは考えているのではなく、悩んでいる状態。知的生産は進まない)」「知的ストックを厚くする」「重要なのは常識を疑うという態度を身に着けるのではなく、見送っていい常識と疑うべき常識を見極める選球眼を持つこと」などなど。身にしみいる言葉に学ばされる。年齢を超えて生き生きと社会とつながりを持って生きていく大きな糧を与えてもらった気がする。

意に添わず転職を繰り返すことになった長女であるが、ぜひこの本をあげたいと思う。きっと様々な壁があると思うが、それをヒョイっと乗り越えられる気づきを少しは得るに違いない。

#読書  #読書感想 #日常 #エッセイ #小説 #転職 #知的生産

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?