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雪村筆洗の池 風景印と記念碑

 茨城県常陸大宮市にある大宮上町おおみやかみちょう郵便局の風景印には雪村筆洗の池が描かれています。

雪村せっそん(1504-?)

 雪村は禅僧ですが、歴史的には雪舟に私淑した画家としての業績が有名です。常陸国ひたちのくにを治めていた佐竹氏一門に生まれたとされていますが、正確な出生地は分かっていません。風景印のある常陸大宮市が有力です。

 弟が家督を継いだために出家し禅僧になったと伝えられています。絵を誰から学んだかも明らかになっていませんが、50歳ごろまではこの常陸国で禅僧として暮らし絵を描いていたそうです。

 その後、会津、鎌倉、小田原を経て、中国画を学び、終のすみかは三春(福島県)となりました。

 彼が絵を描く際に筆を洗ったとされているのが「雪村筆洗の池」です。


記念碑の地図


碑文

雪村筆洗の池

 室町末期、郷土で坪井雪村と呼ばれる禅僧周継雪村は、巨匠雪舟以後を興した日本画の大家である。
 村田郷において佐竹一族の嫡子に生れたが、父が庶子の弟に家督を譲ったため出家したと云う。少壮期をこの地に住んで水墨画の探究と弟子の養成に邁進し、後、太田、鎌倉、小田原、会津、三春と移り、この間数多くの名画を残し、八十六歳の生涯を閉じている。
 この湧水池は「雪村筆洗の池」又は「硯の井」とも呼ばれ、雪村が好んで作画に使用したと伝えられる。
 ゆかりの地、坪井に碑を建て、郷土の先人雪村の偉業を永く顕彰しようとするものである。

昭和五十六年三月吉日
大宮町長 岡部勝一建之


大宮上町郵便局

 風景印は郵便局で押してもらえる絵入りの特別な消印で、色は赤茶色です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらえます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらえます。その場合、差し出さずに持ち帰ることができます。

 風景印は2001年(平成13年)8月1日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。

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