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日西墨三国交通発祥記念之碑 風景印と記念碑

 千葉県夷隅郡御宿町いすみぐんおんじゅくまちにある御宿おんじゅく郵便局の風景印には日西墨三国交通発祥記念之碑が描かれています。左側の塔がその記念碑です。

日西墨三国交通発祥記念之碑

 1609年(慶長14年)9月30日(旧暦9月4日)の朝、岩和田海岸で当時フィリピン諸島長官ドン・ロドリゴ(Rodrigo de Vivero)総督を乗せたイスパニア(スペイン)船・サンフランシスコ号が沈没しました。

 漂着した乗組員を岩和田の人達は力を合わせて救助しました。当時の岩和田の人口は300人程でしたが、村の人口以上の乗組員を受け入れ、決して潤沢ではない着物や、食べ物を分け与えました。

 その後大多喜城の城主本多忠朝が彼らに面会し食糧を供給、約1ヶ月後にロドリゴ一行は江戸で将軍・徳川秀忠、駿府で大御所・徳川家康に面会しました。翌年ロドリゴ一行は日本で作られた船で浦賀を出発しメキシコに戻りました。この当時家康はメキシコとの通商を求め、スペインとの貿易のため港の使用を認めようとしていました。

 しかし数年後には、幕府は政策をキリスト教を禁止する方向に変えていき、これらの通商は実際には実現することなく、1624年にはスペインとの国交を断絶、日本がいわゆる「鎖国」を始めるのは1639年のことです。

 時代が変わり、日本とメキシコ、スペインの往来につながったことを記念して、御宿町の東、岩和田の山の上に白く輝く記念塔が1928年(昭和3年)に建ちました。高さ17メートル。戦後に2度改修され、一帯は「メキシコ記念公園」として整備されています。


記念碑の地図

メキシコ記念公園内にあります。JR御宿駅からはかなり遠いです。


御宿郵便局

 風景印は郵便局で押してもらえる絵入りの特別な消印で、色は赤茶色です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらえます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらえます。その場合、差し出さずに持ち帰ることができます。

 風景印は1973年(昭和48年) 4月16日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。


「月の沙漠記念像」という別の記念碑も上に描かれています。
この風景印のメイン題材は上半身裸の海女なのですが、御宿にはもはや海女はいないそうです。


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