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標準電波時計塔 風景印と記念碑

 福島県田村市にある岩井沢いわいさわ郵便局の風景印には「標準電波時計塔」が描かれています。

標準電波時計塔

 生活や産業の基盤として欠かせない日本標準時という「正確な時刻」を提供する標準電波という電波が、日本に2カ所ある標準電波送信所から国の仕事として送信されています。その一つが、福島県の旧都路村みやこじむら(現在は田村市の一部)と川内村の間にある大高鳥谷山おおたかどややま山頂にあります。(もう一つは佐賀県の「はがね山」にあります。)これらの標準電波を使って時刻を正確に合わせている時計が「電波時計」です。

 風景印にある標準時計電波塔は、この標準電波を受信しているデジタル時計塔です。標準電波送信所をアピールするために当時の都路村によって作られました。

おおたかどや山標準電波送信所

 標準電波を送信している送信所自体は国立研究開発法人である情報通信研究機構が運用管理をしている施設であり、一般の見学・立ち入りはできません。AM電波の送信施設のように高いポールのような送信アンテナ(高さは250メートル)が立っているのを遠くから見ることができるようです。運用開始は1999年(平成11年)6月です。


 この標準電波送信所のある場所は、風景印に描かれた時計塔からも8キロメートル程度離れている山中です。2011年に発生した東日本大震災によってこの地域が警戒区域に指定され立ち入りそのものができず、2011年3月12日から4月21日まで停波するということもありました。

記念碑の地図

 標準電波時計塔は国道288号線の道路沿いにあります。福島県郡山市(郡山駅)からだと約40キロメートルあり、田村市役所からでも20キロメートル近く離れています。

動画

 岩井沢の時計塔は標準電波を使った時計なので「8時59分60秒」といった「うるう秒」も表示されます。それをわざわざ見にきて撮影された方々もいらっしゃいます。

岩井沢郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1999年(平成11年)9月25日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。標準電波送信所が1999年に作られたことから考えると、運用開始後にすぐ時計塔が作られたのでしょう。

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