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たつこ像 風景印と記念碑

 秋田県仙北市にある田沢湖たざわこ郵便局の風景印には「たつこ像」が描かれています。舟越保武によるもので十和田湖の「乙女の像」と並んで有名な湖畔の彫刻です。

田沢湖

 秋田県北部にある形はほぼ円形のカルデラ湖で、周囲20キロメートル、最大深度は423.4メートルで日本最深の湖です。

辰子姫伝説

 村に辰子たつこという娘がおりました。いつまでも若く美しくありたいと願った辰子は、観音様に百日詣りをし、霊泉のお告げを得ました。泉の水を飲んでみると、喉が渇く一方でひたすら水を飲み続けた結果、山がくずれ湖ができ、辰子の姿は竜に変わりその湖の主となりました。母親が辰子を探しに湖に行くと、竜が現れ母親に別れを告げます。悲しんだ母が松明の火を湖に投げ入れると、それが魚となったというというものです。

たつこ像

 田沢湖の辰子姫伝説にちなみ、湖のシンボルとして1968年(昭和43年)に田沢湖畔潟尻かたじりに完成した高さ2.3mのブロンズ像です。金色に輝いているのは、表面を金箔漆塗り仕上げしたためで、これは酸性の強い湖水からの腐食から守るためだそうです。

 像の作者は岩手県出身の彫刻家舟越保武ふなこしやすたけ(1912-2002)。水位の変動で台座部分が水中に没することがあります。像の背後の対岸に駒ヶ岳がそびえ、湖畔随一の記念撮影ポイントです。

 十和田湖の「乙女の像」は1953年(昭和28年)にできたものですので、たつこ像より15年先輩ということになります。

地図

 田沢湖畔の「潟尻」というエリアにあります。JR秋田新幹線の田沢湖駅前から田沢湖を一周する路線バスが出ており、約35分で目的地の潟尻に着きます。

辰子姫伝説の動画

田沢湖郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1984年(昭和59年) 8月27日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。

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