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戒石銘 風景印と記念碑

 福島県二本松市にある二本松にほんまつ郵便局の風景印には戒石銘が描かれています。自然石に刻まれた碑です。

二本松城

 二本松は十万石の大名丹羽氏が城を構えていました。明治新政府と幕府とが戦った戊辰戦争では丹波氏は幕府側につき、二本松城を舞台とした激しい戦闘の末に落城しました。

 その二本松城の門の脇にあった花崗岩の自然石に掘られた「戒石銘」は、5代目の藩主丹羽高寛(1708-1769)により、1749年に完成しました。

 碑文を読み下すと以下のようになります。

なんじの俸 なんじの禄は
民のこう 民のなり
下民かみんは虐げ易きも
上天じょうてんは欺き難し

 日々通る門の横にこの言葉を掲げることで、ここに勤める藩士の給料は農民の労苦によるものであるから、農民は虐げやすいかもしれないが、天を欺くことはできない、と戒めたのでしょう。


記念碑の地図

 霞ヶ城公園(二本松城跡)にあります。


碑文

爾俸爾禄
民膏民脂
下民易虐
上天難欺

寛延己巳之年春三月


二本松郵便局

 風景印は郵便局で押してもらえる絵入りの特別な消印で、色は赤茶色です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらえます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらえます。その場合、差し出さずに持ち帰ることができます。

 風景印は1993年(平成5年)10月1日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業ですが、ゆうゆう窓口が土日も営業しています。


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