長崎県佐世保市にある針尾郵便局の風景印には旧佐世保無線電信所(針尾送信所)の塔が描かれています。小さく描かれているだけで、風景印のカタログでも塔のことについては記載されていませんが、3本の縦棒は塔を表していることに間違いないでしょう。
無線送信所の完成当時は海軍の軍事目的で作られたのですが、今日では塔は重要文化財の指定を受けた構造物として残されています。
針尾送信所
無線送信所は長崎県佐世保市の針尾島という島にあります。佐世保湾とその奥の大村湾の間にあり大村湾を塞ぐように位置する島で、早岐瀬戸と針尾瀬戸という2つの狭い海峡で九州とは隔てられています。島の南には長崎県の有名な観光地「ハウステンボス」があります。
塔は3基あり、1辺が300メートルの正三角形を構成するように建てられています。直径約12メートル、高さ約136メートルという高さは第二次世界大戦前の日本においては最も高い構造物でした。3本の塔の間には無線のワイヤーが取り付けられ、そのワイヤーが電波(長波)を発するように設計されました。長波の送信には長大なアンテナ線が必要であったため互いの距離が300メートルとなっており、さらに大陸方面、東京方向、南洋諸島の3方向に電波を出せるように三角形で構成されたそうです。
日本がアメリカ合衆国に戦争を仕掛けた真珠湾攻撃の際の通信にも使われたのではないかとされています。戦後は海上保安庁が使用していましたが、現在は文化財として残されています。
針尾送信所の塔については、風景印に描かれていることに気が付かれてnoteに書いてくださっている方がいますので、ご紹介します。
記念碑の地図
解説板の記述
針尾郵便局
風景印は郵便局で押してもらえる絵入りの特別な消印で、色は赤茶色です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらえます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらえます。その場合、差し出さずに持ち帰ることができます。
風景印は1955年(昭和30年)12月15日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。