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廣島村この地にはじまる 風景印と記念碑

 北海道北広島市にある北広島元町きたひろしまもとまち郵便局の風景印には広島村開村80周年記念碑が描かれています。

広島村開村80周年記念碑

 北広島市の前身は広島町(広島村)といいました。広島の語源は明治17年(1884年)に和田郁次郎をはじめとする広島県人が現在の北広島元町郵便局付近の輪厚川流域に集落を造ったことによります。

 昭和39年(1964年)の開村80周年記念事業で「広島村この地に始まる」と記された碑が和田邸の跡地に建てられましたが、昭和59年(1984年)に開拓記念公園(中央2丁目)に移設されました。

和田郁次郎わだ いくじろう(1847〜1928)

 和田郁次郎は安芸国(広島県)の武士の家に生まれました。しかし時代は幕末であり彼は廃藩置県により職を失います。和田は北海道開拓を志し、ついに1884年(明治17年)に広島県人の第一陣(5月18戸)、第二陣(8月7戸)合わせて25戸103人が移住しました。最初の年は米が取れないなど苦労の連続でしたが、2年後にはまずまずの収穫となり村の基礎が築かれました。

 そして1893年(明治26年)には月寒村から独立した「廣島村」を作ることが認められました。また廣島郵便局が設置され和田が局長となりました。和田は亡くなるまで村の中心的な人物として活躍しました。

記念碑の地図

 記念碑は「開拓記念公園」にあり、JR北広島駅が最寄りとなります。

碑文

廣島村この地にはじまる

文部大臣灘尾弘吉書

 灘尾弘吉なだお ひろきち(1899-1994)は広島県出身の政治家でありその関係で揮毫されたものと思われます。

 上部の彫刻の作者は不明ですが「64 M HONDA」と刻まれています。

北広島元町郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1996年(平成8年)9月1日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。



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