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現場のリアルな声をお届け!現役私学教員インタビュー(No.4)

こんにちは。

今回も私学の先生を対象にインタビューをおこないました。
私学で働くことになった経緯や教員採用試験の内容、勤務校の実情など現場のリアルな声をお届けします。
今回は匿名でインタビューにご協力いただきました。
以下はインタビュイーの先生の簡単なプロフィールです。

教員歴:16年半
教科:国語
職歴:私立(非常勤)➝公立➝民間企業➝➝私立(常勤)

Q:どうして公立ではなく、私学の教員になったのでしょうか?
A:公立の1次試験の合格発表後に地元の私学適正検査を受験。公立の2次試験が不合格だったため、私学適正試検査で声がかかったうちの1校に面接の結果合格した。

Q:当時の待遇や公立に転職した経緯について教えてください。
A:当時は週5、16コマで1コマ約2,800円、額面で月195,600円。非常勤のため、担任業務や部活動顧問はなし。公立を受けた経緯はもともと公立の小・中・高、大学も国立出身であったこと、非常勤から専任になれるタイミングがなかったため。また、地方においては公立が第一志望の学生が多く、地方における私立の立ち位置の難しさも公立に転職した一要因。高校の恩師に面接指導もしてもらい公立の採用試験に合格した。

Q:公立時代の労働環境はいかがでしたか?
A:1校目は普通科中堅進学校。休日は土日。部活動では運動部の副顧問であったが、スポーツ未経験のため、基本的には大会や合宿の引率のみ。2年目からは文化部顧問。その後工業高校へ移動(途中、大学院修学休業制度を利用)。工業高校時代の授業コマ数は12コマ、HR等も含めると14コマ。職場環境としては同僚にも恵まれ良かった。

Q:環境にも恵まれている中で民間に転職した経緯を教えてください。
A:教員を続ける中で国際関係の仕事に興味を持つようになったことと、いずれ母校に戻って受験指導をやることに違和感を感じていた。教員免を許持っている限りはいつでも戻れると思い転職を決断した。

Q:教育とはあまり関係のない国際関係の業務はいかがでしたか?
A: 大手企業ではなく、転職したのは無名の団体。啓蒙活動がしたいという旨を採用試験で伝え、理解は得られたが、そもそも資金力がなく事業が進まないという現状に苦戦。資金調達から始めないといけないという状況で、教員にとっては難しい業務であった。

Q:その後、再度教育現場に戻りますが、なぜ私立を選んだのでしょうか?
A:民間を退職した時は既に公立の採用試験が終わっていたため、私立の採用関係のエージェントに2社登録(e-staff、教育人材センター)。その後、専任の公募を出していた私学の採用試験に合格し現在に至る。

Q:採用試験の内容について教えてください。
A:書類審査➝面接試験30分(理事長・高校校長・高校教頭・中学校長・中学教頭)➝筆記試験・模擬授業15分という流れ。筆記試験は日東駒専のレベル感、模擬授業の内容は自分の得意な分野でという指示。

Q:現在の私学の待遇や労働環境はいかがですか?
A:これまでの中では最悪。コマ数は16コマ+会議などで工業高校時代と比べ非常に忙しい。私学には多くない土日休みに惹かれて採用試験を受けたが、実際は月1の土曜補習や学校説明会で休日がつぶれることが多い。夏休みなどの長期休みも閉庁日が何日かあるだけで、基本的には週5で出勤する。待遇に関しては月給は公立とあまり差はないが、賞与は年間で月1カ月。職場環境も卒業生の同僚が多く、派閥みたいなものがあり良いとは言えない。

Q:なかなかにブラックな私学ですが離職率は高いのでは?
A:離職率は高く、毎年定年退職含め約10人ずつ入れ替わるイメージ。

Q:現在転職等を考えていますか?
A:既に勤務校には退職の旨を伝えており、今は公立の発表待ち。もしダメだった場合は私立の非常勤を検討中。

Q:公立も経験されていますが、私学のメリットについて教えてください。
A:いいことあるのかな…(笑)

Q:最後に私学の教員志望者に何かアドバイスをいただければと思います。
A:情報収集が大切。Googleのクチコミなども見ておくべき。その中には一般市民からのクチコミもあり、勤務校のクチコミを見るとその通りだなと思う指摘も多く、信憑性はあるように思う。



お話を伺う限り、インタビュイーの先生の現在の勤務校は典型的な「ブラック私学」という印象を受けました。特に賞与年間1カ月というのは自分が調べてきたなかでも非常に少ない部類で、かなりの衝撃でした(専任になると賞与も変化するのかもしれませんが…)。

また、卒業生が多いというのも私学の特徴で、以下の記事ではそうした縁故採用もしくは卒業生を優遇する採用のメリット・デメリットについてまとめております。

個人的にはGoogleのクチコミに関する話が興味深かったです。
自分も気になって前任校や現在の勤務校を見てみると、確かに…と思うものも多く、一定の信憑性はあるように感じました。

インタビュイーの先生、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。






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