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認定NPO法人ペアレント・サポートすてっぷ『子育ての羅針盤』Summary④

(僕がほんの少しだけ裏方で関わらせてもらっている)認定NPO法人ペアレント・サポートすてっぷさんが提供している動画コンテンツ『子育ての羅針盤』の対談動画をサマリーでまとめました!

興味はあるけど、全部見る時間がないかも・・・

という方に、このサマリーをご参考にしてもらえると幸いです!

今回は、兵庫県立大学環境人間学部・竹端寛さんとの対談動画です。竹端先生は「無理しない地域づくりの学校」の校長もされています。
※動画は3部構成になっています。


第1部 安藤さんの羅針盤ってなあに?

■安藤さんの羅針盤

親が親になる教育を受けていない。障害をもつ子どもであればなおさら。その中で、多くの親が先の見通しを欲しがっている。それを示すのが本コンテンツ『子育ての羅針盤』です。では、(過去あるいは現代の)情報の海の中で、先が見えない当事者の1人とも言える安藤さんの羅針盤はなあに?と竹端先生は問います。

安藤さんの羅針盤は、以下の2つ。(第2部への伏線となります)

①情報先(情報提供者)が信頼できるかどうか
②自分の軸と照らし合わせながら、自分の琴線に触れるものを拾う

■安藤さんはカリスマお母さんなのか

「(カリスマっぽく見られている)自覚はあるが、望むところではない。」と安藤さん。
安藤さん自身も、先輩お母さんのキラキラした話を憧れと自己嫌悪の感情とともに聞く、そんな時期があったそうです。

■自分の弱さに蓋をして生きる

「自分の子どもを愛さなければならないと頑張る人ほど、自分の弱さに蓋をしてしまっているのではないか。」と竹端先生。
安藤さんは、自身の”ええかっこしい”だった時代を振り返ります。そんな中、とある研修会での講師の先生からの一言が安藤さんの意識を変えます。

親ではなく療育者に責任がある

■療育者の責任

プロフェッショナルが自分の技を見せれば見せるほど、(こんなこと自分にはできないと)お母さんの自信が損なわれる。また、専門職に依存してしまう。そして、愛情の議論は、子育ての責任を親のものに傾け、専門職をそこから免責してしまう。
療育者が、親から自信を奪いながら、責任だけは親に押し付ける立場になってしまう危険性を、講師の先生の言葉は説明します。

■許された気がした

全部自分のせいにしていたが、人のせいにしていいんだと思う。

そのことに気がついたとき、安藤さんは自分自身が許された気がしたと話します。自分で自分の汚い部分を許すことができた、と。そうなっても(思うようにいかなくても)仕方なかった、と。


第2部 自分にとっての「変」を手放さない

■自分の軸を見つけた

「子どもが中学校を卒業するあたりでモヤが晴れてきた」と安藤さんは話します。

よくない話は、必ず誰かを振り落としている。
一部にとってはいいことだが、その一方で誰かを踏み台にしてたり、考えないことに(排除)していたり。

という考え方の軸ができたそう。

■自分にとっての「変」を手放さない

「多くの人はモヤっとで流してしまう人が多いが、安藤さんはなぜかを考え続けてきた。」と竹端先生。安藤さんは、直感的に変だと思うことを後追いでロジカルに「なぜ変だと感じたのか」を追究するスタイルだと分析。自分にとっての「変」を手放さず、世の中的な「正しさ」や流行に流されない、安藤さんの軸の話が続きます。

■自分のセンサーに自信をもてるか

その人の話が信じられるかどうか、は何をもって判断したらよいのでしょうか。安藤さんは「経験。その人が発した言葉や雰囲気。」と答えます。
直感を大事にした方がよく、安藤さん自身も、胡散臭いという直感を無視して、話に乗ってしまったことも数回あるそう。
センサーは対話で、対話の中で人となりが分かってきて、大丈夫だと再確認できたら、その人とつながっていけばよいとのことです。

■それは誰にでもできること

上述のポイントは、

①直感に蓋をしない
②対話の努力をする

の2点で、これ自体はどの親でもできることです。そう、直感は誰しもが持っているのですが、困難な状況において自分の直感が信じられなくなることはしばしば。「そこで自分の心の声と対話しながら、自分の中が揺れなくなったとき、羅針盤が定まる。」と竹端先生は言います。

■お餅つきの返し手

竹端先生から、2種類の対話の話題提供。

水平の対話(他者との対話)
垂直の対話(自分の心との対話)

自分の中のモヤモヤトーク(垂直の対話)を誰かに吐き出す(水平の対話)ことで見つかる気づきによって、軸が定まっていく。自分のモヤモヤを誰かに話すことで、思考の整理が進んでいく過程を、竹端先生は「お餅つきの返し手」と呼んでいるそうです。
「自分1人で考えることは不安。アウトプットすることで理屈が整理される。」と安藤さんも説明します。


第3部 自分を大切にすることをあきらめない

■お母さんのガードを緩める

初めて相談にくるお母さんは「バカにされるかもしれない」「怒られるかもしれない」という不安からガードをつくりがちだそうです。そのガードを緩めるためには、2つのことがポイントだと言います。

①最初にその人から出た言葉を受け止めて、否定しない
②先に自己開示して「安心してください」と、自分を信用してもらう

ガードが緩んだお母さんたちは、”いい人”ではない自分を出してくれるようになると言います。

■「べき」「ねば」の呪いから解き放たれて

世の中にある「こう在らねば」の呪い(固定観念)が多すぎて、そこから解き放たれる必要があると言います。愚かな自分も含めて自分だと、まるっと認めて、親である私としての独り立ちが大切。お母さん自身が人間になるように(不完全さを認める)、安藤さん自身も人間であろうとして対峙(不完全さを開示)します。

■お母さんの独り立ち

お母さんの独り立ちには、お母さん自身が自分を好きになることが大切で、他者から認められる経験をするためにも、周囲の助けが必要だと安藤さん。また、苦しいことは苦しいと伝えることで、自分を大切にすることをあきらめずに。それが結果的に子どもを大切にすることにつながってきます。

子どもを大切に思うまなざしは、同じくお母さんにも向いて然るべき。

■苦しさが通り過ぎた後で

子育てへの葛藤で、藻掻くことからは逃れられないが、絶望はしないで――
「後半戦でも自分の人生を歩ける。子育て中はそのための準備段階であり、障がいがある子どもを育てることは、お母さんの価値観に影響を与え、その人自身をより豊かに、魅力的にする。」と安藤さんは言います。

■さいごに

これらのことはシンプルだけど、ハードルが高い。だから、1人ではなく、誰かと始める。(でも、その誰かに頼りすぎるのもよくない。)
人とつながり、支えられながら「自分が自分になるとはどういうことだろうか」を考える羅針盤の話でした。


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サマリーは以上です!

お二方の対談の中にある”手触り感”が大切だなと思うので、ご関心に沿って、ぜひご覧くださいませ!

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