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日本の上下関係と階層社会

2020年6月27日

HKさんのTW
「謙虚、正直、誠実に振る舞っても通じない。なぜか。人の中身なんか見ようとしてないから、やっても無駄。ちょっと強気で上から目線なくらいを見せとかないと、後から色々とめんどくさい。遠慮なんかしちゃだめ。」

(以下ShigのTW)
私が大学卒業後、社会人として生活するようになった時からずっと気になっていたことも、HKさんが言われるようなことでした。
どうしていつも自分は他人との人間関係にそんなに神経とエネルギーを使っているんだろう、っていう。。
その正体が何なのか長い間分からずに悶々としていました。でも仕事で海外に行くようになり、価値観を比較する対象が出来たことで徐々に自分なりの答えが見つかって来ました。

それは日本社会に特有の価値観である(韓国社会も同様だと考えますが)、上下関係(階層:ハイエラルキー)というものでした。組織の中にあっても、プライベートで2人以上の人間が集まる場であっても、我々は常にこの上下関係を意識し、自分の立ち位置が上下関係という見えない階層のどの位置にあるのかということを常に気にせずにおれないのです。
そして多くの場合この階層は、分かりやすいシンプルなものではなく、複雑であいまいで、流動的でややこしいものです。

また上下関係がミーティングのアジェンダや世間話の話題として取り上げられることもほとんどありません。
日本人には上下関係センサーとでも言うべき特別に発達した知覚能力があり、日本人同士はまるでテレパシーで交信するように、お互いの上下関係を確認し合うことが出来るのです。

例として会社という組織を考えてみます。
会社には部長や課長などの肩書があります。それによって我々の立ち位置が決まる、肩書階層とでも言うものが存在します。しかし同時に入社時期によって立ち位置が決まる先輩後輩階層というものも存在し、それに加えて年齢階層、性別階層、派閥階層、能力階層、気の強さ階層などが存在するのです。
そして我々は常に出来るだけ階層の上に行きたい、下には行きたくないと願っています。そのためマウンティングと呼ばれる立ち位置の確認行為、威圧や相手の失敗をあげつらって相手を蹴落とす行為、無礼講に代表される一時的な立ち位置の組み替えの機会の利用など、普段の何気ない会話の中でさえも少しでも上に行く機会を逃さないよう、誰かに蹴落とされて下に行かないよう、上下関係センサーを常に働かして、細心の注意を払いつつ行動する必要があるのです。

海外にもこのような上下関係がない訳ではありません。しかしそれはずっと穏やかなもので、無視しても特に困ることもありません。常に特殊能力を発揮して気を張る必要がないので、気分は大変楽になります。そして普段自分が日本でいかに無意味なことにエネルギーを使っていたのかがよく分かります。

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HKさんのTW
「みんな疲れているのって、無意味なことにエネルギーを使っている(そうせざる得ない仕組み)からですよね、やっぱり。
だから、ヘイト活動なんかして、発散している人も多いと思います。」

(以下ShigのTW)
日本は、人間関係に加えて職場の長時間労働やプレッシャー、緊張、満員電車などで疲れるっていうのもありますけどねー。
でも人間関係に気を使わないとホント楽ですよー。
2003-2004年に米シリコンバレーに半年間出向したんですけど、もう毎日何でこんな楽なの?って思いました。天国でしたね。
共働きの奥さん日本に残した単身赴任だったけど、日本に帰りたくなかったですよ。

向こうに長く住んでる日本人に聞いた話ですけど、専業主婦の奥さんが夫の出向に同行して向こうに行ったんだけど、向こうの暮らしが気に入っちゃって、夫が出向終わって日本に帰った後も、奥さんと子供だけ向こうに残るとか結構あったそうです。
専業主婦もママ友の人間関係だとか、結構めんどくさいですからねー(昔それで殺人事件がありましたね)。気持ち分かりますよ。

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(関連)
(続)日本の上下関係と階層社会