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ニキビについてとことん知って治そう♬

みなさん、こんにちは!

久々投稿はニキビネタです♪

ニキビがあると・・・

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憂鬱になりますよね。。

治療は抗生剤と塗り薬の組み合わせがお決まりですよね(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)

でも何を使ってもなかなか治らないニキビも結構あります。

皮膚は身体の中で最大の臓器です。

体内の健康は皮膚に現れて当然♬

なので、外からの治療だけだと片手落ちと言えます。。


日々の診察でもニキビの患者さんによく遭遇するのですが、保険診療だとなかな詳しいライフスタイルの指導をする時間を取れません。

今回私の患者さん向けにニキビについてまとめてみましたが、

ニキビに悩む全ての方の参考になるといいな〜

ちゃんと理解して、しっかり治して!

ニキビフリーになりましょ~♡(ؔᵒ̶̷ᵕؔᵒ̷̶)


最新の知見について米国グレートプレーンズ研究所の考察がよくまとまっていたので、日本で手に入るものとの比較もしつつ、情報シェアしたいと思います🎵わかりにくいところは←印でコメント、項目最後にまとめをつけたので時間がない方はそこだけ読めば分かるようになっています♡(ؔᵒ̶̷ᵕؔᵒ̷̶)



はい、ではニキビを考える上で以下の順に見ていきましょう!

すべて繋がっていますが、興味のある項目から読んでみてください♬

ボリューム大なので!

3回に分けて解説していきます(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)

0.ニキビの小ネタ

1.ニキビの分類と成長〜炎症はなんで起こる?

2.治療のターゲットを定めよう

3.皮膚の細菌達の絶妙なバランス

4.皮膚は酸?アルカリ?

5.ホルモンとニキビ

6.必須の食事と栄養

7.腸内環境と食物アレルギー大丈夫?

8.ストレス〜腸・脳・皮膚の関係

9.何をいつ塗るか?

10.最新スキンケア情報


0.ニキビの小ネタ

ニキビに悩む人は世界にどのくらいいるの?

ニキビの有病率は世界中の皮膚病の中で8番目に多いという統計があります。

2016年の統計では6億8120万人の患者数の報告があり、2006年の6億1200万人から10%増加が見られています。(The Global Burden of Diseaseの報告より)

ニキビは皮脂腺のが増えるのだけが問題か?

角化増加(垢が増える)を伴う毛包の異形成や毛包菅に細菌がコロニー形成をすることによる炎症増加が免疫システムの活性化の引き金となると考えられています。

ニキビは様々な病態を伴う、慢性的な皮膚の炎症状態です。思春期のホルモン変化がニキビを引き起こし、遺伝や他の要因によって悪化します。成人のニキビ増悪にはホルモンだけでなく多くの体内炎症が原因となります。

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1.ニキビの分類

大きくて分けて炎症を伴うもの、伴わないものがあります。

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*非炎症性

・コメド(面ぽう):

オープンコメド→黒ニキビ

クローズドコメド→白ニキビ

ニキビの始まりで毛穴のつまり状態のことです。

*炎症性

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・丘疹・膿疱・結節・嚢胞

など、いくつかの顔を持ちます。

膿疱や結節は縦横両方に成長するので、大きくなればなるほど、治った後のニキビ痕(クレーター)が深くなります…涙

ニキビの成長

a.炎症:ニキビの初期から炎症は関与します。皮脂腺の変化が前炎症性皮脂腺を誘導する。pH、細菌叢、ホルモン、食生活が関与すると考えられています。(後述)

b.皮脂腺の増加:アンドロゲン(男性ホルモン)、インスリン、IGF(インスリン様成長因子)によって刺激を受けた脂腺細胞内のシグナル回路が過活性化する→脂質産生の活性化→脂腺細胞に蓄積→細菌増加→炎症増強→1.→2と悪循環が起こります。

c.毛包の過形成:アンドロゲン、炎症性サイトカイン (IL-1αなど)によって引き起こされます。角化細胞が積み重なり、垢となってその中でアクネ菌が増加します。角質が増えると脂腺と細菌が蓄積し、炎症性反応が起きやすい状態になります。

d.アクネ菌(プロピオニバクテリアアクネ):皮膚常在細菌の一部ですが、様々な引き金により活性化すると、組織の劣化と炎症を引き起こします。

ポイント↓

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油+バイ菌=火事 と覚えましょう♬

もっと詳しく知りたい方はこちら↓

a.炎症はなんでおこる?

ニキビは炎症性の病気です。

では炎症の原因を見ていきましょう↓

(少し専門用語混ざりますがスルーで、OKです)

*皮膚の炎症に関わる要素

・アクネ菌:免疫機構を乱す。微小有機物に反応しサイトカイン・ケモカインなど炎症物質の放出が促進される。

・皮脂腺の脂質:アンドロゲン、IGF、インスリンによる刺激を受けて脂腺分泌物の構成と量の変化が起こり、前炎症状態となる。

・サイトカイン:炎症性サイトカインが増加する。(サイトカインには炎症を起こすタイプと抑えるタイプがあります。)

・ペプチダーゼ:脂腺細胞と角化細胞内で炎症を増強する。

・デフェンシン:毛包脂腺ユニットを細菌による侵入から保護する。

・神経ペプチド:ストレス関連反応により、CRH,サブスタンスP、メラノコーチン1受容体を増加する。

上記は覚える必要ないですが、皮膚の上だけでもこれだけ多くの物質が、炎症に、関わってます。

*全身の炎症の原因

・食物アレルギー/過敏性

・感染ーピロリ菌、消化管感染

・高グリセミック食〜インスリン、IGF-1を増加する

・毒素への暴露:重金属、カビなど

・脂質摂取のアンバランス:オメガ6/オメガ3比率が高い時

・リーキーガット症候群

・腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)

・メタボリック症候群

これらは主に腸内炎症を起こします。腸は免疫機能の大半を司っているので、腸の炎症=全身の炎症といえます。

b.皮脂産生

・皮脂腺と毛包は毛包脂腺ユニットを形成する。

・皮脂は主に中性脂肪、ワックスエステル、スクワラン、FFA(遊離脂肪酸)と、少量のコレステロール、コレステロールエステルとジグリセリドによって構成される脂質の混合体です。⬅︎これ、全部日々の食事から作られますね。

・IGF-1とアンドロゲンは皮脂腺内での脂腺細胞の増殖と皮脂の産生と促進する。

・皮脂腺内の5αリダクターゼはアンドロゲンをDHTに変換する。DHTは皮脂の産生を増加させる。

・遺伝的に皮膚のアンドロゲン受容体が多い場合、皮脂分泌が多くなる。

男性ホルモンやIGF (インスリン様成長因子)などのホルモンが皮脂を増やしニキビを引き起こす。ニキビ肌は遺伝要素あり。

c.毛包の角化異常

・過剰角化は急速に皮膚細胞が脱落し皮脂腺と毛包に混入する異常状態である。

・角化細胞の過剰産生と角質細胞(表皮の最外層)の分化低下は毛包内への細胞混入に繋がり、毛穴の詰まり(マイクロコメド)を引き起こす。

・角質と皮脂は厚く強固な混合体を構成し毛包から容易には移動しない。これは細菌増殖にとって好条件となる。

・IGF-1とアンドロゲンは角化細胞の増殖と角質産生を促進する。

ニキビの初期は必ずこの現象が起きます。まずは皮膚の角質を溜めすぎないことが予防に第一歩。でも体質もあるので適した予防治療を選択しましょう。


d.アクネ菌(Cutibacterium Acnes)

・ほとんどは毛包脂腺の常在菌であり、皮膚バリア機能の維持や他の有機物のコロニー形成を抑制など、皮膚の恒常性を規制している。

・C.アクネとP.アクネは状況により尋常性痤瘡(いわゆるニキビ)の原因となる。

・グラム陽性嫌気性細菌で毛包皮脂線の深部に存在する。

・ニキビ肌ではC.アクネ菌タイプⅠA1比率が多くなっている。

・3つの分類が混在することが多い。

フィトタイプⅠA1:最も一般的

フィトタイプⅠA2:クリンダマイシンに最も耐性あり

フィトタイプⅡ、Ⅲ

・ホストと環境的要因によって内因性免疫を活性化し、アクネ菌に対する炎症反応を増強し難治性ニキビとなる。

・それぞれの毛包でC.アクネ菌の比率は異なり、治療を困難にする。

・アクネ菌はバイオフィルムを形成し身を守る。サリチル酸はバイオフィルム破壊に有効である。⬅︎バイオフィルムとは、水回りの掃除をサボるとべったりくっつくあの汚れを想像してください。放置するほど、厄介になりますね。。

・抗生剤は適正な使用により、皮膚細菌叢を修正し細菌発生を予防する。しかし抗生剤の過剰使用により皮膚細菌叢のバランスが崩れる可能性がある。

⬅︎必要最小限の抗生剤を適したタイミングで使わないと、効果がなくなる(耐性)だけでなく健康な細菌まで死んでしまいます。

・過酸化ベンゾイルとレチノイドは長期使用に最も適している。(後述)

アクネ菌が一旦邪悪化してしまうと皮膚の健常な細菌叢バランスを破壊します。薬が効くニキビ・効かないニキビがあるのは菌の種類が異なる可能性が。闇雲に抗生剤を続ける前に色々見直しましょう。


2.治療のターゲットを定めよう

複数の要因が組み合わさってニキビは悪化しますが、治療のターゲットを明確にするのが近道です。

・炎症↓:抗炎症性外用薬や全身性炎症を軽減する。

・皮脂産生↓:アンドロゲン、インスリンによる皮脂産生を減らす。

・毛包の過剰角化↓:角質蓄積を減らす外用剤の使用やピーリング

・アクネ菌↓:アクネ菌が増える条件を減らす;皮膚細菌叢、pH、皮脂を整える

・皮膚pH:正常範囲では健康的な細菌叢が育つ(後述)

・皮膚細菌叢健康に:バランス不良によるアクネ菌の異常増殖を防ぐ。

・ホルモン:ホルモンバランス不良を正す

・アンドロゲン受容体:アンドロゲン受容体抑制する⬅︎いわゆる男性ホルモンです。

3.皮膚の細菌達の絶妙なバランス

・アクネ菌は健康な皮膚の維持に必須です。しかし、皮膚細菌叢の多様性が失われること、内因性免疫の活性化が同時に起こることで慢性炎症状態が引き起こされることが最近の研究で明らかになってきた。

・皮膚は様々な細菌叢によって成り立っており、細菌叢によって炎症や免疫細胞の調整がされている。

・健康な皮膚細菌は皮膚バリア機能をサポートし病的細菌の成長を抑制する。これは感染予防にも役立っている。

・微小細菌の多様性の減少は皮膚の慢性炎症、病的細菌の増殖の原因となる。⬅︎良い菌が減ると、増えるのは邪悪化した細菌達。

・プロバイオティック内服により腸内炎症が減少すると内因性および適応性免疫システムの調整となる。⬅︎乳酸菌とかお腹ケアは全てのヘルスケアに必須ですね。便秘してたらまず肌綺麗になれません。。涙

・抗生剤の過剰使用(外用、内服共に)は細菌の種類を減少し、病原菌増加しやすい環境を作る。

・保湿、血流、天候、腸内環境、食事、皮膚pH、日光暴露は全て皮膚環境に影響する。⬅︎全部ケアしましょうね♪

・皮膚は腸内環境を映す鏡と言われる。腸内炎症が起きている状態では皮膚でも炎症状態となる。

・正常な皮膚細菌叢は健康的な酸性マントルを形成し皮膚のバリア脂質であるセラミド産生に寄与する。セラミドは皮膚の保護、保湿、栄養作用があり、セラミドの代謝物は抗菌作用および抗炎症作用を持つ。

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健康な皮膚細菌叢を保つには

・抗生剤使用を最低限にする

・適切なpHのクレンザーを用いて皮膚のpHを正常に保つ(次回の投稿にて解説)

・プロバイオティック内服をし全身炎症を減らす(lactobacili,bifidobacteriaは必須)

・外用プロバイオティックを使用する⬅︎国内では取り扱いないですが下の写真の様な製品が海外ではある様です。

・炎症の原因を取り除く(内因性:食物アレルギー、感染、リーキーガット、グルテン、毒素、重金属。外因性:乾燥、化粧品、細菌)

・皮膚バリアの保持と酸性を維持:保湿と健康的な脂質層を保つ


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次に続きます〜♬


Have a nice evening✨


松宮

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