短歌 2024年2月と3月の自選五首
お立ち寄り頂きありがとうございます。
短歌の月の自選、2月と3月分です。
さくさく参ります。
2月の自選
立春に生まれた父がやわらかく笑って毎年連れて来た春(さみしい夜の句会)
きっとこの夜空は僕に相応しく尖った月を黙って磨く(うたの日「相」)
北風がさらって行ったさよならはいつか桜のつぼみを揺らす(うたの日「北」)
戦地から祖父が送ってきたという手紙を父は知らずに逝った(うたの日「祖」)
青空がそっとこぼした溜息でうまれたつむじ風を見ている(suiu いちごつみ)
3月の自選
この森の奥にあるかもしれなくて僕が一昨日落とした星は(suiu いちごつみ)
春風にゆらめく記憶はもうここにいない君との指切りの歌(うたの日「指」)
無敵にもなれる気がした降り注ぐ流星群を二人で浴びて(suiu 歌会)
落ち込んだ日の夕方のコンビニで選ぶなるべく陽気なティラミス(うたの日「イタリア」)
方舟に夢を託せば月のない夜にしずかに漕ぎ出してゆく(suiu 歌会)
以上です。
余談ですが、父が亡くなって、俳句はその時に初めて1日お休みしました。葬儀の日のことでした。でも短歌は詠みました。それだけ短歌を詠むということが習慣だとか日常の類になっているのかもしれません。上手いとか下手の話ではなく(それで言うと決して上手くはないので)、ルーティーンと言いますか。
これからも続けていきたいと思います。
お読み頂き、どうもありがとうございました。
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