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旬杯 勝手に紫円賞 俳句部門

お立ち寄り頂きありがとうございます。
さてさて、とうけつしてしまう前に、私は旬杯でも勝手に賞を贈らせて頂く時間の余裕があるのかハラハラしていましたが、色々あって今時間が取れます!
というわけで、まだまだ初心者マークを外せない私がお伝えしたい「好き」を見つけさせて頂きました。

勝手に紫円賞、俳句部門を発表いたします。
先ほど申しました通り、まだ初心者マークを外せない身です。俳句歴はまだ半年くらいです。でも「好き」をお伝えするのは大好きです(でも「選ぶ」のは実は得意ではありません)。
作者様の判らない状態で素敵な作品一覧を拝見し、そこから特に「好き」を感じる作品を選ばせて頂きました。
ライラック杯のときのように、目にした順番で書いていまして、順位はありません。

という前置きをしておいて、参ります。拙いながら、私なりに感じたことも少し、コメントとして書かせて頂きます。解釈違いがあろうことをお許し頂ければと思います。

🎆マー君様
あの渚あの南風あの笑顔

きっとあの笑顔は、とても記憶に残っているのでしょうね。笑顔の持ち主さんを中心に、あの南風もあの渚も、今でもはっきりと鮮明に思い出すことのできる風景なのだと思います。一番きらきらしている瞬間を切り取った写真(でも動きも一緒に焼き付いている感じ)のような一瞬を感じました。
私は「あの笑顔」の持ち主さんを知りませんが、それでも何故か、心の中にはっきりと映像が立ち昇ってきます。


🎆Sen-sing様
麦秋や風が旅する轍かな

最初は、黄金色の麦畑に挟まれた、それほど広くなくて舗装もされていない道に、まっすぐに轍が続いている様子を思い浮かべました。でも、一面の麦畑を風が撫でて、その輪郭を麦畑が写した様子も浮かびます。……きっと恐らくこちらの方ですね。
風の旅はきっと果てしないです。どこまでもどこまでも、その旅は続いていきます。風は感じることはできても、そのものを目で見ることは出来なくて……けれど、麦畑がそよぐ様子が、轍となって私たちに見えるのは素敵なことだな、と気付きを頂きました。


🎆月草様
墓じまい読経溶けゆく蝉時雨

少し切ない気持ちが呼び起こされました。田舎のお墓って、ちょっと高いところにあったりして(私調べ)、体力的(その他の理由も色々ありますね)にお参りが難しくなったりすることもありますね。ちょうど先日、我が家でもそんな話が出始めたところです。
さて、魂抜きの読経でしょうか。蝉時雨に溶けてゆくので、やはり山の近くかな、と感じました。私は実際にまだその場面に遭遇していませんが、どんな思いを抱いてお坊さんの読経を聴いているのだろう……と、色々と思いめぐらせました。とても深いです。


🎆ぱんだごろごろ様
夏空に思いを残す影法師

子供の頃に遊んだ「影送り」を思い出しました。地面の影をしばらく見つめておいて、すぐに空を見上げると、残像か何かで空に影の形が映ったように見えるあれです(あれは別にこの辺りだけでなく、全国的な遊びですよね……?)。そんな景色を連想したので、その解釈で行きます。
夏空に送った影には、どんな思いが込められていたのでしょうか。きっと忘れたくない、大切に心に残しておきたいものを込めたのだと思います。時間が流れても、季節が廻ってまた夏が来たら、空がその思いを何度でも、青い空と一緒に連れてきてくれる。そんな風に思って、うるっとしました。


🎆くーや。様
校庭に屈む子ひとり蝸牛

小学校の放課後の校庭を想像しました。今の小学生は、学童とかに行くのでしょうか? ちょっとその辺りはわかりませんが、私の記憶では、放課後の校庭では上級生の男子が遊んでいました(そして早く帰れと怒られていました)。なので走り回っている人たちが多いイメージがあります。でも、ここに出てくるのは屈んでいる子です。どうしたのかな、と思ったら、カタツムリの様子を窺っているのですね。生き物に興味津々な、ちょっと大人しい感じの児童さんを想像しました。カタツムリの歩みは遅いようで、でも遅いと思って見ていると意外と速くて、けれどやはりあのサイズですから、ぐんぐん進んでいく虫ではありません。この児童さんも、まだしばらくはこの場に屈んで見ているのだろうな、と、微笑ましい気持ちになりました。


🎆吉田みゆ様
過ぎし日の記憶乗り越え来る夏

「夏」は文字通りの夏なのか、人生を四季に見立てての「夏」なのか、色々と想像の広がる御句だと思います。文字通りの、季節的な夏の場合と見てみます。夏の前、梅雨の時期とかに、過去に何か辛いことがあったのかな、と思いました。というのは、実は私が正にそうだからで、なので梅雨の時期は未だにしんどかったりします。ただでさえ日々には色々あるのに、過去の記憶も蘇ってくるので辛さ倍増です。けれどどうにかこうにか乗り越えて、全て灼き尽くしてくれるような陽射しを持つ夏がやって来る。暑いのは、それはそれでしんどいのですが、夏の強い光に希望を見いだせるような気がしました。

🎆らくぼろ様
夕焼けにサティの調べついてきて

サティと言えば、私はジムノペディ第一番が好きです。ショパンのノクターンとついつい混同してしまうことがあるせいでしょうか、ジムノペディには夜のイメージを抱いています。
夕焼けの頃に聴こえてきたサティの曲は、どこか近くのお家で、誰かが一生懸命ピアノの練習をしているのでしょうか。それとも、心の中から聴こえてきたのでしょうか。穏やかな音楽に連れられて、夕焼け空から夜へ向けての旅が始まるようで、幻想的な雰囲気がとても好きだと思いました。


以上の皆様に、勝手に紫円賞を贈らせてくださいませ。
賞状らしきものもささやかですがご用意いたしました、よろしかったらお持ち帰りください。

素敵な作品に触れさせていただき、ありがとうございました!


皆様の素敵な作品に、思う存分触れられる時間、とても幸せでした。
色々な想像を広げてみるのが楽しかったです(その結果妄想が暴走しているのはお許しください)。

長くなりました、まだまだお礼が言い足りませんが、勝手に紫円賞俳句部門の発表でした。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

いただいたご支援は、心の糧とさせて頂きます。