結局Resamplingはどのやり方がいいのか?
1. はじめに
日々のDTMにおいて、大変面倒な作業の一つにResamplingがあります。
どうにかして楽にできないかといろいろ考えているところですが、一度頭の中を整理すべく、いくつかのResampling手法について、そのやり方、長所、短所を整理してみました。
※正確にはそれぞれ異なる呼び方があるものの、ここでは便宜上、MIDIトラックのオーディオ化と、単一または複数のトラックを再度オーディオとして書き出す作業を「Resampling」と呼びます。
2. 目的
複数のResampling手法について、それぞれの長所や短所を整理する。
3. 手法別の整理
3.1 オーディオトラックのインプット設定でResampling
やり方
新規オーディオトラックを作成。
Input設定を「Resampling」に設定し、録音を開始。
長所
あらかじめResampling用トラックを作成しておけば、対象トラックをソロにして録音するだけでResamplingが可能。
短所
マスタートラックを通過した後の音がサンプリングされるため、あらかじめルーティング上のエフェクトをオフにする必要がある場合がある。
3.2 トラックをフリーズしてフラット化
やり方
対象したいトラックを選択。
「トラックをフリーズしてフラット化」を実行。
長所
ワンクリックでトラック全体をオーディオ化できる。
短所
一度フラット化すると元に戻せないため、MIDIトラックなどでやり直しが必要な場合は、トラックを複製する必要があるため手間がかかる。
3.3 トラックをフリーズ後、別のトラックへ貼り付け
やり方
対象トラックをフリーズ。
別のオーディオトラックに任意の箇所をコピペ。
長所
元のトラックのデータが残っているため、後で編集が可能。
短所
3.2に比べトラック追加の手間が増えるため、効率が少し落ちる。
3.4 Bip(Bounce in Place)
やり方
対象トラックにBipを挿入。
書き出し設定を行い、実行。
長所
対象トラックの下(もしくは任意の場所)に新規トラックが自動で作成されるため、後でトラックを追加する手間が省ける。
エフェクトをかける前後など、書き出し時の設定が選べるため、書き出し前後の音を合わせやすい。
短所
有料(600円程度)。Custom Track等が不要であれば無料版もあるので短所ではないかも・・・。
やり直すたびに新規トラックが追加され、トラック数が一時的に増える。
※Custom Trackの設定で既存のトラックへ書出すことも可能。
稀にバグで二つのトラックが作成されることがある。(個人環境による可能性あり。)
予期しないタイミングで実行されるケースがある。(個人環境による可能性あり。)
3.5 Rolling Sampler
やり方
対象トラックまたはマスターに挿入。
再生して波形を表示させ、書き出したい範囲をドラッグしてそのままDAWにドロップ。
長所
波形が視覚的に確認できるため、どの部分をResamplingするかが分かりやすい。
マスターに挿入して常に起動しておけば、Resamplingしたいと思ったタイミングでそのまま切り取り、貼り付けが可能。(他のやり方のように都度設定が不要)
スタンドアローンでPC上の音声を切り取ることも可能(ループバックが必要)。
短所
有料(三千円程度)で、コストがかかる。
目的によってはあらかじめルーティング上のエフェクトをオフにする等設定が必要。
設定した時間(例:45秒)で波形がリセットされるため、タイミングと書き出したい長さによっては待ち時間が発生する可能性あり。
4. まとめ
個人的な使い勝手の良さとしては、
Rolling Sampler(⑤)>トラックをフリーズしてフラット化(②)=トラックをフリーズ後別のトラックへ貼り付け(③)>Bip(④)>オーディオトラックのインプット設定でリサンプリング(①)
という順番です。
②③は少し手間ではありますが、シンプルな手順で実行できるのでこの方法でやることが多いです。
BipもあらかじめBip書出し用トラック作成しておくことで結構効率化できそうかなと思いますが、書き出し用トラックと貼り付け先トラックの位置が離れていると一手間かかるので、この辺りは用途に応じて使い分けの仕方を考えていければと思っています。
また、Rolling Samplerは最近導入したばかりですが、すでにすごく便利だと感じているので、これからさまざまな使い方を試しつつ活用方法を見つけていければと思います。
みなさんも、自分なりのResampling方法があれば、ぜひ教えてください!
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