見出し画像

「ソーシャルメソッドについて」レジュメ - 上

専門家ではない私はカウンセリングこそしませんが、様々な活動をする上では、ヒヤリングから始めてアドバイザー的な動きをします。所謂プロボノとは名乗りたくは無いため「ソーシャル・フィクサー」を名乗っております。

ソーシャル・フィクサーとして活動する上で、幾つかの考え方、思想を重要視しており、今回は主に2つのアカデミックな分野について触れさせて頂ければと思います。

Well-being / 幸福学

1つ目がWell-being / 幸福学です。幸福学とは、まずは心理学を基礎として個人の幸福について考え、続いて統計の手法によって幸福な人の傾向性を明らかにする学問です。Well-beingは、コミュニケーションとして有効な考え方であり、さらには経営や私の活動では、まちづくりにおいても有効といえます。幸福学の第一人者である前野隆司氏は、心理学の体系的・科学的なアプローチとして幸福学において「幸せ4つの因子」を提唱し、幸せのメカニズムを解き明かされています。

幸せの4つの因子

  • 自己実現と成長(やってみよう因子):主体的に行動して強みを育み、自信を持つ幸せ

  • つながりと感謝(ありがとう因子):他者とのつながり、愛情、感謝、親切から得られる幸せ

  • 前向きと楽観(なんとかなる因子):チャレンジ精神を持ちポジティブに行動できる幸せ

  • 独立と自分らしさ(ありのままに因子):マイペースに、自分らしく在ることの幸せ

幸せの4つの因子の中で特にB型人間と呼ばれる人は「独立と自分らしさを好む」傾向がある様に思います。独立は自立心ともいえますが、オンリーワン=独自性でもあると考えます。

しかしながら、私は何かしらのことでクライアント(案件の依頼者)が発生した場合に、先方とのコミュニケーションを図る中で、幸せの4つの因子の視点から物事を判断するころがあります。案件を進める過程において、相手の潜在能力や思考の深い部分を確認しつつ、結果的には極めてポジティブな方向性で対話を完結させる様にしています。課題解決型の事案となった場合は、方策やオリジナルのアイデアを提案することは勿論ですが、協力関係や時には共闘関係の構築を図ることもあります。但し、根底は幸せの4つの因子を意識しています。

相対的な幸福と絶対的な幸福

論理的に相対的な幸福は、例えば資産保有のようなもので、破産して財産を失うと不幸になるといえます。逆に絶対的な幸福は、例えに出した財産の有無に関係なく、そもそも生命の維持、担保、尊厳が幸福といえる様です。また、不幸の連鎖や幸福の伝播も世の中の事象としては発生しており、私はソーシャル・フィクサーとして"連鎖遮断伝播促進"を心がけています。特に児童虐待の連鎖、貧困の連鎖、これらの連鎖を遮断したいとの思いが多少なりともあり、ひとり親家庭を微力ながら応援させて頂いております。

社会学的概念 / 文化資本

2つ目が社会学的概念 / 文化資本です。社会学的概念として、マックス・ヴェーバーの「近代社会学」などが有名ですが、とりわけフランスの社会学者ピエール・ブルデューの提唱した「文化資本」(ディスタンクシオン)を私は重要視しております。文化資本は、知識・教養、技能、感性などの個人的資産を指して、それらは経済的な要因以外にも重要な要因であり、文化資本の向上、保護、尊重が大切であるとの社会学概念であると言えます。

文化資本

  • 身体的文化資:個人の持つ知識、教養、技能、趣味、感性など

  • 制度的文化資本:個人の持つ学歴、資格、権利、キャリアなど

  • 身体的文化資:個人の持つ知識、教養、技能、趣味、感性など

以上の文化資本においては「多くの人々は、それらの資本を自力で身につけたと思っているが、そんなことはない。自分で気づいていなくても、自身の出身階層と共有している文化的な特徴の体系によって分かれている。」ということが重要なポイントです。この文化資本は「ディスタンクシオン」によって階級格差をピエール・ブルデューは証明し、「下流社会」によって三浦展が階層集団の出現という観点で論じました。

文化資本と階層集団

私の活動の中においては、"脱環境依存型文化資本"を得られるチャンスを作ることを重要視しています。例えば、NPOの活動でやっている親子向け・子ども向けのプログラミング教室は、学校という教育環境とは別の環境を提供することによるチャンスを生み出しています。特定の環境に依存しない文化資本と考え、さらにSDGsでいえばNo.4「 質の高い教育をみんなに」に該当します。この活動においては、社会課題への取り組みに対しての文化資本と階層集団の考え方が根底にはあります。

次回、「ソーシャルメソッドについて」レジュメ - 下では、OODA / 意思決定におけるWell-being と文化資本を組み合わせた独自メソッドについて書きます。

さいごに

ここまでお読み頂き、心より感謝申し上げます。名称や横文字が多く難しさを感じられたかもしれません。もし、この投稿が「参考になった」「興味を持った」という方は、フォロー、スキを頂けると嬉しいです。

今後とも幅広く社会活動を展開しているソーシャルフィクサーとして様々な実践と実戦を投稿しますので、お付き合い頂けますと幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?