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JR西日本最長片道切符(出発まで:その4)

さて、そろそろ実際の経路の話をしないといけません。


JR西日本の営業路線図(2022年4月1日現在)

今回の旅の乗車券は、JR西日本縛りの片道最長切符です。
JR西日本には3つの長い盲腸区間があり、最長片道切符を買うとなれば、その盲腸線の末端を起終点とするのが定石でしょう。
JR西日本の三大盲腸区間と言えば、以下の3区間が挙げられます。

敦賀-上越妙高(あるいは南小谷)
和歌山-新宮
新下関-博多南

この三つのうちの二つを起終点とすれば、効率よく最長片道切符を選択できそうです。なお、その目論見は様々なところで破綻を来たし、実は最長片道切符の起終点が博多南にも新宮にもならなくなるのですが、それは後の講釈で。

盲腸区間として一番長いのは敦賀-上越妙高(あるいは南小谷)です。この区間について調べてみると悩ましい問題がありました。

糸魚川ー上越妙高(北陸新幹線)と、糸魚川ー南小谷(大糸線)のどっちが長いのか?
並行在来線のない(在来線で並行していた北陸線と信越線は第三セクターのえちごトキめき鉄道となりました)糸魚川-上越妙高の実キロと営業キロ、そして運賃換算キロはすべて同じ37.0キロです。
一方、糸魚川-南小谷ですが、営業キロは35.3キロであるものの、大糸線は地方交通線であるため運賃換算キロは営業キロの一割増しとなって38.8キロとなります。
よって、「糸魚川ー上越妙高(北陸新幹線)と、糸魚川ー南小谷(大糸線)のどっちが長いのか?」という質問への回答は、「営業キロだと糸魚川ー上越妙高(北陸新幹線)、運賃換算キロだと糸魚川ー南小谷(大糸線)が長くなります」ということになります。

運賃計算キロと営業キロのどちらを優先させるか?
運賃計算キロが長ければ長いほど乗車券の料金が高くなります。
営業キロが長ければ長いほど乗車券の有効日数が延びます。
そもそも「最長」の定義がないので、ここはエイヤッと決めるしかありません。乗車券の料金を優先し、運賃計算キロが最長になる経路を選択することにしました。よって起終点のどちらかは南小谷に決まりました。

ならばもう一つの起終点はどこにするべきか?
これについては他の盲腸区間の末端である博多南か新宮となります。しかしながら、博多南についてはとても困ったことがあるとわかりました。

JR西日本の路線図を見る限りは盲腸区間に見える新下関から先の区間ですが、新下関から博多までは並行在来線が存在します。この区間は新幹線を利用した場合は並行在来線を利用したとみなされるため、新幹線と並行在来線を利用した場合は並行在来線の同じ区間を利用したとみなされますので、一枚の乗車券で利用することができません(往復乗車券ならば可能ですが)。
ということは、最長片道切符の起終点を博多南とした場合、新下関―下関の在来線は使えないことになります。これは新下関と下関の間にある幡生駅を通る路線が組めなくなります。山陰本線の利用区間は美祢線経由で長門市以東、山口線経由で益田以東のみとなります。これは最長片道切符の経路選定に大きな制約となります。ということで、起終点を博多南とする案は取り下げなければなりません。ということでもう一つの起終点を新宮とすることにほぼ決まります。

こうやって、新宮または南小谷を起終点とする最長片道切符の経路選定に入るのですが、この後思わぬ事態を迎えます。

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