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JR西日本最長片道切符の旅(2日目)

昨日から始まったJR西日本の最長片道切符の旅ですが、本日も旅は続きます。本日は宇部新川から。
小野田線にはクモハ123という謎めいた車両が使われています。

微妙にバランスの悪い車両クモハ123

この車両は「荷物車」を魔改造したものです。
JRには旅客鉄道だけでなく貨物鉄道があることはご存じのとおりですが、貨物車ならぬ荷物車というものがかつての国鉄には存在しておりました。「貨物」と「荷物」の違いって何なんだと思われるでしょうが、一般的には人が携行して運搬可能な大きさの物品が「荷物」、輸送用の車両に積み込まないと運べないくらい大きなものが「貨物」とされています。
昔は、国鉄の荷物輸送(手荷物、小荷物、郵便物)は盛んでした。しかしながら、宅配便の普及で一気にその役割を終えさせられてしまったのです。荷物輸送から撤退した国鉄は、余剰となった荷物車の扱いに苦慮します。そしてそのうちの幾許かは旅客用の車輛に生まれ変わります。

苦難の歴史を語るクモハ123の銘板

この車両は昭和57年に荷物車として国鉄に生を受け、わずか5年後に魔改造を施されて旅客用の車輛となったことがわかります。国鉄の時代にすでに魔改造されていたことにも驚きですが、昭和の車輛が未だに現役であることにも驚きです。そんな物持ちのいい列車に乗って宇部新川から小野田へ向かい、そこからは山陽線で幡生(はたぶ)駅を目指します。

幡生駅駅舎

幡生駅は山陽線の終点門司駅の二つ手前の駅(下関駅の一つ手前の駅)で、実は山陰本線の終点です。陰陽の幹線の分岐駅ということで駅構内はかなり広く、殷賑を極めたかつてを思い起こさせるものですが、優等列車が全廃した今となっては寂しさを増幅させています。

幡生駅にある山陰線の675.3キロポスト(在来線では日本最大値)

最長片道切符の経路はここから山陰線に入るのですが、山陰線の列車がやってくるまで2時間近くあるので、いったんここで最長片道切符の利用を中断し、一駅先の下関に立ち寄ります。
下関ではおのぼりさんらしく海峡ゆめタワーに行き、展望台から下関や門司、そして関門海峡を満喫します。晴れているといいものですね。
そして下関から旅を再開です。

国鉄時代の車輛しかやってこない下関駅

下関からは山陰線の普通列車を長門市、益田、浜田で乗り継ぎ、本日の目的地出雲市に到着。車窓から眺める日本海はとても美しく、景色を眺めているだけで時間があっという間に過ぎてしまいます。

鉄筋コンクリートラーメン橋である惣郷川橋梁(そうごうがわきょうりょう)

さて、幡生から益田までの山陰線は優等列車が走っていないので普通列車の乗り継ぎになりましたが、益田から先は特急列車が走っています。現に益田駅でも江津駅でも特急に乗り継ぐことができたのですが、今回はそれをしていません。のんびり旅を楽しみたいという理由もあるのですが、明日の行程にとんでもないボトルネックがあるため、本日急いで先に進んでも意味がないことがわかっているからです。

ということで、本日の旅は以下の通りでした。明日に続きます。
宇部新川<宇部線>居能<小野田線>小野田<山陽線>幡生(<山陽線>下関<山陽線>幡生)<山陰線>出雲市
本日の最長片道切符の営業キロは339.2キロ、運賃計算キロは340.4キロでした。幡生ー下関間は営業キロ、運賃計算キロともに往復で7.0キロでした。


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