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しだゆいのノート

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2018年9月の記事一覧

鈍感の罪――「熱血教師」という恐怖

湊かなえの『告白』は読んだことがないけれど映画は見た。
よく覚えているのはその中盤からたしか「ウェルテル」という綽名の新人男性教員が登場して、主人公の悪意あるアドバイスを率直に実践することでクラスの少年を追い詰めていくところだ。彼のいささかステレオタイプな「熱血教師」の属性は、この作品において明らかにある種の残酷な鈍感さに紐づけられている。つまりここで熱血とは鈍感であり、鈍感は残酷なのである。

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