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子どもの嘘は叱らないで大丈夫。正直であることの大切さを伝えよう

お出かけしていない日なのに「きょうの電車かっこよかったね」と話したり、お菓子を勝手に食べたのに「食べてないよ」と言ったり…。小さな子どもはしばしば小さな嘘をつくものです。

悪意があったりいたずら心があるようには見えないし、他人にも迷惑をかけていないものの、事実ではないことを話すので、親としては何か対応すべきなのか悩みますね。また、嘘が当たり前になってしまうのも心配です。

では、小さな子どもの嘘にはどう対処したらよいのでしょうか。

●子どもの嘘は放っておいてOK

基本的に、子どもの嘘は放っておくのがいちばんです。なぜなら、子どもには嘘をついているという自覚がない場合が多いからです。そういうときに頭ごなしに叱ると、ますます嘘をつき、嘘が上手になっていくので、まったくの逆効果です。

また、幼い子どもなどは空想と現実の境目がはっきりせず、童話やファンタジー映画で強く印象に残ったシーンがあったりすると、それがまるで現実であるかのように話すことがあります。

「こうなったらいいな」という強い願望を事実のように話すこともあります。そうした嘘は、成長するとともになくなっていくので心配はありません。

嘘と正直は、コインの裏表のようなものです。子どもが気になるなら、逆に正直を強調して、「あなたは正直だね」「いつも正直で素直だね」と言ってあげるのが効果的です。

●正直さを強調してほめよう

カナダで、4〜8歳の子どもを対象にしたある実験が行われました。子どもを一人ずつ部屋に入れ、「少し待っていて。後ろの部屋におもちゃがあるけれど、見てはだめだよ」と言い置いて、待たせておきます。すると約70%の子どもが一人きりになった途端におもちゃを見てしまいます

次に、おもちゃを見た子どもを3つのグループに分け、
①「見たとしても怒らない。でも正直に言ってくれたら嬉しい」
②「見たとしても怒らない。でも正直に言うのは大切なこと」
③「見たとしても怒らない。だから話して」
という3通りの言い方で言い聞かせました。その結果、正直さを強調した ①と②のグループは、半数以上の子どもが「おもちゃを見た」と打ち明けましたが、③のグループは5%以上の子どもが本当のことを話しませんでした。親はよく「怒らないから正直に話しなさい」といった言い方をしがちですが、それでは子どもの心は動きません。まして「嘘つきは泥棒の始まりだよ!」などと脅すのは良くありません。子どもの心を動かすのは、親の愛情とポジティブな言葉です。

子どもが正直に話してくれたときは、「正直に言ってくれてありがとう。嬉しいよ」と言って、抱きしめてあげてください。