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note有料記事の販売価格は「相場」ではなく「信用の増減」を意識して設定する

noteで収益化(マネタイズ)を考えたときに、最も手軽なのが「有料記事」です。

有料記事であれば、普段書いている無料記事と同じ感覚でnoteから収益を得ることが可能になります。

note初心者の方であれば、有料記事を書くこと自体も難しいものだと思いますが、記事を書き終わった後にも頭を悩ませてしまうものとして、有料記事の価格設定(プライシング)があります。

一体、有料記事の適正価格っていくらなのでしょうか?

何日もかけて一生懸命に書いた記事、自分が誇れるような価格をつけたい。

でも、価格は安くしておいた方が無難だと思う。もし読者の期待に答えられない内容であったとしても、100円であれば納得してもらえるだろうし。

だけど、やっぱり自信のある記事だし、それなりに高く設定して収益も伸ばしていきたい。

価格を高くして1つも売れないのは怖いけど、もっと怖いのは読者さんの期待に答えられなくて、見限られたしまったりクレームになってしまうこと。

毎日楽しくnoteを書いているのに、クレームになってしまったら嫌だな…。

有料記事の価格設定は、本当に悩ましいですよね。

実際のところ、noteのクリエイターさんはどのように有料記事の販売価格を決めているのでしょうか?

この記事では、以下5つのプライシング方法をご紹介させていただきます。

① もっとも利益が上がる価格に設定する
② 100円・500円・980円に価格設定する
③ 書籍の価格・文字数を基準に価格設定する
④ 執筆時間を時給換算して価格設定する
⑤「信用の増減」を意識して価格設定する

それでは、1つずつ見ていきましょう。

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① もっとも儲かる価格に設定する

まずは、もっとも儲かる価格に設定する方法です。

実は、もっとも利益が上がる価格帯というのは、簡単なアンケートを準備することで知ることが可能です。

ですので「1円でも多く儲けたい!」という場合は、そういったプライシングの書籍を参考にして「もっとも儲かる価格」に設定することで、その記事単体の利益としては成功を得ることができます。

しかしながら、その有料記事で売り逃げるわけではありませんので、例え「もっとも儲かる価格」を知ることができても意味がありません。

理由は簡単です。

「もっとも儲かる価格」で有料記事を販売したときに、「あなたの記事の価値」がその価格を大きく下回っていたとしたら、どのような結果をもたらすのか想像してみてください。

「もっとも儲かる価格」と「あなたの記事の価値」に関係はないのです。

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② 100円・500円・980円に価格設定する

2つ目は、100円・500円・980円に価格設定する方法です。

noteクリエイターさんの有料記事の価格についての記事を読んでいると、この「100円・500円・980円」という価格帯への言及が多いです。

100円は安くお試し、500円はワンコイン、980円は値ごろ感のようです。

100円と500円の間をとって300円に価格設定する方もかなりいます。いずれにしても、有料記事の9割以上が500円以下の販売価格となっています。

「100円なら無料公開で良いので500円が妥当」とか、「noteの有料記事は980円が売れやすいから」とか、「読者を限定したいので気軽に購入できない価格にした」とかプライシングの理由はクリエイターさんの価値観によって様々です。

しかしながら、この「100円・500円・980円」といった具体的な価格の理由に違和感を覚えるのは、「あなたの記事の価値」と関係がないところで価格設定が行われている点です。

「あなたの記事の価値=あなたが想定している読者にとっての価値」になりますが、この「100円・500円・980円」という価格設定には、「あなたが想定している読者」の存在がすっぽり抜け落ちてしまっています。

有料記事の相場がいくらだとか、適正価格はいくらだとか、検索エンジンや第三者に答えを求めるものではありません。

「100円・500円・980円という価格」と「あなたの記事の価値」に関係はないのです。

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③ 書籍の価格・文字数を基準に価格設定する

3つ目は、一般書籍の価格や文字数を基準に価格設定する方法です。

一般的な書籍の平均価格は1,200円程度です。文字数は10万字が目安となります。

ですので、上記を基準に有料記事をプライシングすると、

1,000文字の記事=12円
10,000文字の記事=120円
100,000文字の記事=1,200円

となります。

この基準を採用した場合は、有料記事の最低価格が100円からですので、最低でも8,400文字程度は必要になってきます。

一般書籍の価格・文字数の基準をnoteの有料記事に採用することは一見理にかなっているようにも見えますが、そもそも一般書籍とnote有料記事では想定している読者層が全く異なります。

一般書籍の場合は、ある程度の部数を販売しないと赤字になってしまうため、需要が確保できるまで読者層を広げなくてはなりません。

つまり、一般書籍の内容は広く浅くになります。簡単に言ってしまうと「薄利多売」です。

反対にnote有料記事の場合は、一般書籍ではマニアック過ぎて掲載カットされてしまうような濃い情報を、ごく一部の読者に限定して販売していくことができます。

つまり、note有料記事の内容は狭く深くになります。部数のノルマもありませんので「厚利少売」が可能です。

もともと編集者や校正者がいる一般書籍のクオリティに、notes初心者が有料記事のクオリティで勝てる見込みはありません。

note有料記事では一般書籍とは同じ土俵に立たずに、一般書籍には書けないような有料記事ならではの狭く深いコンテンツを提供していくことが大前提です。

「書籍の価格・文字数を基準に価格設定する」ということは、一般書籍と同じ土俵に立ってしまっていることを意味しています。

あなたの有料記事が一般書籍の内容と差別化されているのであれば、「書籍の価格・文字数を基準に価格設定する」という発想自体がなくなります。

さらに言えば、記事の文字数は質(価値)を担保しませんので、そもそも「あなたの記事の価値」と関係はないのです。

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④ 執筆時間を時給換算して価格設定する

4つ目は、執筆時間を時給換算して価格設定する方法です。

例えば、有料記事の執筆に50時間かかったとします。

「最低時給として1,000円は欲しい」となったときに、1,000円×50時間=50,000円の売上が必要です(販売手数料は除きます)。

この50,000円の売上を達成するには、例えば以下になります。

単価100円×500記事=50,000円
単価500円×100記事=50,000円
単価1,000円×50記事=50,000円

仮に、あなたのフォロワーさんの1%が有料記事を購入してくれるとします。

フォロワー50,000人×1%=500人
フォロワー5,000人×1%=50人
フォロワー500人×1%=5人

上記から、フォロワーさんが5万人いれば有料記事を100円に設定することで、50,000円の売上は達成できそうです。

フォロワーさんが5千人だと有料記事を1,000円に設定することで、50,000円の売上が達成できそうです。

フォロワーさんが500人だと有料記事を10,000円に設定しないと、50,000円の売上が達成できません。

10,000円は高額ですので、読者を深く絞り込んでコアなファンに訴求しないとなかなか難しいでしょう。

このように、執筆時間から売上目標を掲げて、フォロワー数から逆算して有料記事の販売価格を設定する方法もあります。

しかしながら、読者にとって「あなたの記事の執筆時間」と「あなたの記事の価値」はこれまた関係がありません。

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⑤「信用の増減」を意識して価格設定する

5つ目は、「信用の増減」を意識して価格設定する方法です。

クリエイターの皆さんはnoteで何気なく無料記事を公開していますが、これは「信用を積み重ねている行為」と言えます。

「スキ」がついたり「フォロワー」が増えたり「コメント」が届いたりして、無料記事の内容に価値があれば、記事を投稿する度にあなたへの信用が少しずつ積み重なっていきます。

では、有料記事の公開はどうでしょうか?

有料記事の公開とは、「無料記事で積み重ねたあなたの信用を換金する行為」と言えます。

有料記事にて、読者の期待を上回る価値提供ができれば、換金された信用をさらに上回る信用を積み重ねていくことができますが、読者の期待を下回る価値提供であった場合は、換金分の信用を失うどころか、これまでに積み重ねてきた全ての信用を失うリスクもあります。

基本的に、有料記事の公開とは「積み重ねてきたあなたの信用の取り崩し」なのです。

ですので、信用が積み重なっていない場合は信用の取り崩しもできませんので、有料記事は売れません。

この「信用の増減」を意識して価格設定する方法が①~④のプライシング方法と大きく異なるのは、販売価格を設定するにあたって販売者の都合は一切考慮してしない点です。

「あなたの記事の価値=あなたが想定している読者にとっての価値」ですので、あくまで読者の存在を中心に添えて、「信用の積み重ね」と「信用の取り崩し」を意識してプライシングしていきます。

「お金は信用を数値化したもの」とも言われますが、この「信用の増減」を意識して価格設定することはお金の本質と調和した方法なのです。

『そう言われてもプライシングのイメージができないよ』

といった場合は、読者の想定が甘いか想定した読者の理解が甘いと思われます。

想定している有料記事の読者層をきちんと理解することで、自分が執筆した有料記事の価値は把握できるものだし、スッと腑に落ちるプライシングが行えるようになります。

情報の価値は受け取る読者によって変わってしまう事実がありますが、この難しい事実に最も対応できるのが、この「信用の増減」を意識して価格設定する方法です。

例え①~④のプライシング方法を採用するとしても、この⑤の方法を頭の済みに置いておいて損はありません。

なお、この記事では有料記事の価格設定についてご紹介しましたが、プライシングではなく「有料記事の書き方」を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

以上 - note有料記事の販売価格は「相場」ではなく「信用の増減」を意識して設定する – でした。

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