見出し画像

決算書をしっかり読めるようになりたいと本気で思った令和最初の夏

最近読んでめっちゃ面白かった本です。

Kindleなアンリミテッドにもラインナップされているので、Kindleなアンリミテッドにサブスクライブしている方はぜひご一読ください。

この本はほんっっっっとにおもしろい。

もう一つ。社内研修プログラムのチューターをしてくださっている亀井さんのマーケターは財務諸表しっといたがいいんじゃないの?っていうnoteが泣けるほどに有用なので、ぜひご一読ください。

どうして決算書を読めないといけないのか

人間は目的がわからないと行動に移れないと言いますが、本当は逃げる言い訳を少しでも減らすためなんですよね、自分に対して。

というわけで、なんで決算書を読めないといけないのか、ということをよーく思い知らされる本でした。

私が特に感動を覚えたのは、Netflixやクックパッドの事例を解説している箇所です。いわゆる「サブスクリプションモデル」といわれるビジネスに関して決算書などからビジネスの成功要因やこれからの課題を分析しています。

決算書を読めないといけない理由、それは、孫子のこの言葉に収斂されると僕は思います。

彼を知り己を知れば百戦殆うからず

ここでいう彼は自分が戦う相手、つまり「敵」、ビジネスでいえば「競合他社」を含む5フォース(競合他社、買い手の交渉力、供給企業の交渉力、代替品の脅威、新規参入業者の脅威)ということになります。

財務三表を読むことで、というか読めないと、この「敵」そして何より「自分」の姿を正確に把握できません。


Abema TVがどうしてあそこまで投資するのか、投資できるのか

っていうのがすごい疑問だったんですけど、Netflixの事例を知るにつけ、「なるほどな~」と思うに至りました。

Netflixは純利益を遥かに上回る投資をしていることで有名です。

こちらの記事でとてもわかりやすくその状況を説明されています。

簡単に言うと、Netflixは各国の嗜好性にあわせて番組をつくっており、それが有料会員数の増加につながっていることがわかっているので、莫大なコンテンツ投資を行っている、というわけです。

という戦略が、決算書を読むことで見えてくるのです。(決算書「だけ」が読めたら見えるのかというとそういうわけでもなく、「せめて」決算書が読めないと見えてこないという意味です)

その逆を考えると、決算書を読めないと、Netflixがどういう戦略を取っているのかが見えないわけです。

翻って、Abema TVがどうしてあれだけ投資できるのか、投資するのか、ということも決算書が読めないとわかりません。

サイバーエージェントでは、広告事業とゲーム事業がAbema TVの当資源になっていることがわかります。

また投資額についてわりとニュースになります。

ネガティブなニュースも多いです。

僕も「大丈夫かなあ」なんて思っていたのですが、おそらくベンチマーク企業としてNetflixや海外のサブスクリプションサービス、日本のテレビ局のビジネスモデルなどを参考にして、ARPU(Average Revenue Per User)などを計算してまだまだ投資できる(回収できる)と踏んでいるからこそ、あれだけの投資を継続しているのだと思います。(ここに関しては"だと思います"にとどまるのが歯がゆいです。いろんな決算データとか使って自分なりに分析したい気持ち…)

決算書が読めるようになると、そんな身の回りのビジネスがどういうお金の流れによって成り立っているのか、どうしてそのビジネスにお金が集まるのか、などがよくわかるようになるので、「ビジネスマン」というからには、しっかり決算書を読めるようにならなきゃいけませんね。

(ちなみに、Abema事業への投資を広告事業やゲーム事業の利益から行っているのはさながら「プロダクトポートフォリオマネジメント」だなと感動し、Netflixがもともと郵送DVDレンタルビジネスをやっていたところから事業転換しているところは「イノベーションのジレンマ」からの見事な脱却だなと感動しました。)

本当にありがとうございます。いただいたサポートは音楽文化や食文化などの発展のために使わせていただきます!