見出し画像

前向きでも後ろ向きでもなく、主体的に

春になり、29歳になった。
今年はどんな一年になるんだろう。期待というほど前向きなものではなく、不安というほど後ろ向きなものでもない。
ただ、季節が変わり、ひとつ年を取った。その少しの変化への対応にあたふたしていたら、きっと3月も終わってしまうんだと思う。

今年から、自分の求めているものを探して田舎に移住してきた。

『穏やかで自由な時間』

たとえば、個人が営むこだわりの本屋さん。静かで、ゆったりと時間が流れる。好きなタイトルや装丁の本に触れ、紙の質感を感じる。活字を追いかけると、自分だけの世界を頭のなかで創ることができる。
だからぼくは、本屋さんや珈琲を飲みながらノートを書くことが好きだ。

でも、ふと気を抜くとそんな理想を忘れてしまう。
「田舎でずっと生き残っていくスキルをつけられるんだろうか」とか。
「もっと周りの人に認めてもらえるにはどうすればいいんだろう」とか。
そういう『評価の世界』にあっという間に飲み込まれて、将来に焦りを感じてしまう。田舎に来たからって、思い描いた生活ができるわけじゃない。

もちろん、評価を受けることは大切で。
今のぼくは評価してもらわないと生活できないし、評価されることは素直に嬉しいことでもある。

でも同時に、理想を忘れてはいけないと思う。
仮に理想にたどり着くまでにどれだけ時間がかかっても、あるいはたどり着くことができなくても。自分にとって本当に大切なものが分かっていれば、周りの評価に流されずに生活していくことができる。

ぼくは、最低限の安定を得たうえで、自分にとって『穏やかで自由な時間』を過ごしたい。すげえわがままやな…
でも春なんだから、少しくらいわがままを言ったって良い。

『自分の理想』と『評価の世界』
このバランスを、いかに自分の心地の良いものにしていくか。0か100かではなく、バランス。

20代最後の一年だから!とか、そんな肩肘張ったものではなくて。

ゆっくり、少しずつ。
このバランスを、ぼくらしく調整していく。

人口7000人ちょっとのこの町で、頑張ってみる。
それは、自分の未来への期待というものでもない。
ただ、「頑張ろう」と思いたい。そう思える自分でいたい。前を向かなくても、後ろを向かなくても、自分が主体的に生きていくために。


読んでくれてありがとうございます。 この文章が少しでもあなたの人生に寄り添えていたら、嬉しいです。