No.36 深層組入門エントリー原稿

0. Abstract

深層組募集のgoogle formに従い(従井), エントリーを実際に作成してみる. 特にエントリーの最大の評価点だと思われる応募用動画に関しては, 動画を作成する代わりに, 動画のプレゼンを想定したスライドと台本を作成する. 最後に実際に作成したエントリーの講評, 分析も行う.  

1. Introduction

 深層組が

春の新生活 ちょっと転生してみない?深層組入門者、募集キャンペーン
https://sinsogumi.com/news/622482b6bfe68b5dd6bc3947

なる奇妙(?)な企画をはじめた. これまでもofficialな公募はしていたようだが(半年前もなんかあったよね?), キャンペーンという形(?)でこういった公募とその告知を行うのは今回が初めてだろうか(知らんけど)? 応募用の専用のgoogle form

深層組募集
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc8j4aZIJvJQ-BbWwhFTdsuyXM8lRmdOB5-4Mhq0zJoI6kprw/viewform

まで用意されており, なかなか本格的である.  

 無論

【応募条件】
・女性限定(バ美肉も不可)

という唯一にして絶対の制約があるので, 私には縁が無いわけだが, google formまであるので, いつぞやの「ワールドトリガー」遠征試験の特別課題の答案

No.10 ワールドトリガー遠征選抜第一試験(閉鎖環境試験)特別課題②
https://note.com/shibushibuyanyan/n/n884c9981e7e0

を作った時のようにちょっと作成してみたくなった(「ワールドトリガー」だけでなく仕事上での必要性もあり, 最近このテの試験や評価に関しては, 個人的な興味関心が高まっていることも大きい). 更に単にgoogle formを埋めるだけでなく, 「公募の肝」ともいうべき応募用動画に関しても, ``子津忠子''動画を参考に, スライドを作成して4-6分の自己紹介PV動画を実際に撮ってみても良かった. ただ恥ずかしいので, 応募用動画の代わりに, 動画作成で使う予定のスライドとその注釈, 及び「台本」を載せることにする(作るからには「ワールドトリガー」の答案と同様に, 誰からも評価はされずとも, 全力で作る). また作成したエントリーは当然提出できず誰にも評価もされないので, その作成したエントリーの評価, 講評も自分で試みる(合否は判定しない). 

2. 深層組入門エントリー

 以下, 個人情報に関する項目と応募用動画のスライドと台本(これは次節に回す)を除き, 上述のlink先にある深層組募集のgoogle formを埋めてみる. なお, 便宜上質問項目に適宜番号を振る改変をしている. 


②(応募者注:これは「③」の間違い?)その他ご質問

Q1:Vtuberとして活動していますか?
A1:いいえ

Q2:声優及び芸能事務所等に所属していますか?
A2:いいえ

Q3:YouTube、TikTok、niconicoやその他SNSにて、収益を得るために活動していますか?
A3:いいえ

Q4:TwitterアカウントのURLをご記入ください
A4:https://twitter.com/sibusibuyanyan

Q5:その他SNS、動画配信などのポートフォリオとなるようなURLをご記入ください
A5:特になし

Q6:ネットクリエーター(活動)としての経歴をお書きください。また、過去最高に人を集めた、などすごい実績、ドヤ顔実績があればお書きください。
A6:コロナ禍以後のここ数年の間に稀(二か月一回くらい?)に``配信''と動画投稿をした程度でそれ以上の``活動''の実績はなし. 過去最高に人を集めたのは1年前の同接100人ちょいが最高. ただし, 集まったメンツは文句なく凄かった(ドヤ顔実績?). 

③(応募者注:これも「④」の間違い?)もう少し質問をさせてください

Q7:1週間でどの程度の活動が可能かお答えください
A7:週3〜4日

Q8:Vtuberになりたい理由を教えてください
A8:以下, 公的な理由と私的な理由にそれぞれ一つずつ挙げる.  

 公的な理由はスキルアップである. YouTuberやVTuberとは縁も所縁もない現在の私の仕事とその業界も, コロナ禍と相まって, 近年ではYouTube等を使った外部への発信を求められる機会が増えてきた. この傾向は今後も強まり将来的には更に, 発信の企画まで込みにした, より積極的な試みやスキルが求めるようになると推察される. 以上の背景から, そのスキルアップの一環としてVTuberに興味を持ったというのが理由の一つである. 

 私的な理由は単純な興味である. 私はこれまで20年近く殆ど同じ事しかしてこなかった. 周りもそのような一種病的な経歴の人間達ばかりであり, そのことに別段違和感もなかった. ただ世の中の人間の多くが老若男女問わず年々変わっていくのに対し, 自分の余りの変わらなさに, 一種の美学と誇りを感じる一方で, ふと驚きと幾分かの怖さを抱くこともある. 

「このまま何も変わらず朽ちて死んでいくのではないか」

と. そこで疑似的な「転生」という形, しかもある種の不変性, 永続性を有した存在であるVTuberになる(決して変わらないものに変わる)という倒錯的な「転生」を通じて, 『「これまでの自分ではない自分になってみる」という経験も中々に面白いのではないか』と思った次第である. 

Q9:深層組に所属したらどんな活動がしてみたいですか?
A9:個人の活動としては, 適当なテーマを決めた雑談をメインにして, 次いでアニメ, 映画, ドラマ(特に殆ど未開拓であろう時代劇系をやってみたい)の同時視聴と雑談(感想戦), おまけにゲーム実況や歌配信といったものを現段階では想定している. 雑談のテーマに関しては, 政治, 宗教(ただし思想は除く), ジェンダー等の「炎上」しそうなタブー以外は, 歴史, 文学, 思想, 評論, 科学, サブカル等々私がわかる範囲であれば基本的には何でもよく, 中身もライトユーザーからコア層まで様々なlayerを, 顧客の反応に応じて取り扱う(人数が数十人程度であれば, そういうのを捌くのにはそれなりの自信がある). テーマはtopicsを具体的に指定してもよし, ざっくりとしたgenreの中から聴衆の反応をみて選んでもどちらでもよい(あるいは昔の「トリビアの泉」のような形式で募集したモノを紹介するのもアリかもしれない). 

 想定している主な顧客層は昭和末期以上の男性(既婚未婚問わず), 適当なgenreをローテーションで回しながら, genreごとの固定層を集めるのが基本戦略である. 配信頻度は週3〜4日と比較的多めだが, 平日は1時間, 休日も2時間を越えず, 社会人の生活スタイルになるべく準拠したものにする. 感じとしては, 

「職場で気心知れた連中とダベりながら, 夜仕事をする」

といったものを目指し, 雑談に関しては私自身も仕事と平行しながら配信することも考えている

 個人の活動以外, 特に他の深層姉妹の姉さん方とのコラボに関しては雑談や酒の付き合いが主なものになるだろう. そういう意味では雑談配信が多い, ``なまほし姉さん''や``クッコロ姉さん''とは相性がいいと思う. その他にもアニメや映画の同時鑑賞という形で``DWU姉さん'', 「俺の嫁云々」のオタクネタ系で``るるる姉さん''といった形のコラボは可能である. 比較的相性が悪いのは, 長時間のゲーム実況が主の``とめる姉さん''や``みるく姉さん''だが, ゲームのタイトルと配信形式の調整をしてもらえればある程度は対応できると思われる. 

 また深層組外のコラボに関しては, ``クッコロ姉さん''の雑談配信が基本的なイメージとしてある. つまりそれなりの専門家(漫画でもアニメでも映画でも科学でも)を呼んでの解説, 雑談系のコラボが主になると思う. これは個人的な趣味趣向もあるが, こうした試みを通じて深層組を核として趣味や一芸に特化したVTuberたちのコミュニティーを形成していくことは, 既に供給過剰気味であるVTuber業界での明確な差別化をはかることにもつながる. それは将来的には少なくない実益にもつながると信じる.  

 これまで私が深層組の面々の配信を観察してきた経験から言って, 少なくとも今のところ, 深層組の視聴者層の多くは古き良き質の高さをもった(正確にはその頃の時代を知っている)ある程度年齢が高い印象がある. そしてそういう層には, ある程度coreなtopicsを, このように広く浅く扱う配信というのは存外刺さり, businessとして十分成立しうると個人的には考えている(実際私の周りにはそういう人が多いから). 応募者の活動計画は, 応募者の趣味と実益を兼ねたものであると同時に, 従来の深層姉妹にもあったこういう類のコアなオタク向けの配信をより特化した形態になっており, 現在の深層組の視聴者層に潜在的に眠っている少なくない需要を掘り起こすものであることが期待される. 

Q10:数あるVtuber事務所の中でなぜ深層組を選んだか理由を教えて下さい
A10:理由は三つ. 第一に表向きの面は応募者が比較的よく知っているという点. 第二に「箱」の規模が適切である点. つまり「大きすぎず小さすぎない」点であり, これにより諸々の事業のフットワークの軽さと需要とが両立している点も勿論のこと, 上述した私の配信形式や形態が実現させる上でも重要だと考える. 第三に今のところ外向きには事務所のマネージメントが比較的うまくいっているように見え, それに関連して配信者達の目立ったトラブルや失点もみられない点である. これに関しては今後「箱」の規模が更に大きくなったり, 外部の案件が増えてくればどうなるか未知数の部分でもあるが, 少なくとも現段階においてこのadvantageが最も高いのが「深層組」だと判断した. 

Q11:他事務所に在籍しているか/他者(応募者注:他社?)のオーディションに応募しているかを教えて下さい
A11:在籍していない(いないよな? ワシ...)/応募していない(いないよな? ワシ...)

④(応募者注:これも「⑤」の間違い?)もうこれで最後の質問です

Q12:ライブ配信のご経験
A12:あり(ただし, 配信環境は他者がやってくれて, 私は話しただけ)

Q13:動画編集のご経験
A13:なし(YouTubeに投稿するくらい)

Q14:OBSでネット配信ができるPCをお持ちですか?
A14:持っている

Q15:動画サムネイルを作ることは現時点で可能ですか?
A15:可能(やったことはないが文字通り「できる」と思われる)

Q16:ご質問、ご要望などがあればご記入ください
A16:御社の事業計画は今後何年先までありますか? たとえば, その詳細は於くとして, 五か年計画のような年単位の長期的プランは何かありますか(一年でメンバーをどれくらい増やすか? 外部案件をどの程度引っ張ってくるか等々)? 

以上

3. 応募用動画の解説, スライド, 台本

 以下, 

A. (YouTubeに投稿したときの)動画の解説文
B. 動画内で用いるスライド
C. 動画でしゃべる内容の台本

を順に述べる. 

A. 動画の解説文
深層組応募用動画

タイトル(お題):深層組にデビューした時の初配信の自己紹介動画
名前:生きのび太
設定:深層組長男(深層姉妹は全員姉), 24歳. 強烈な姉たちに囲まれた性で今まで殆ど目立たなかったことに加え, 大学卒業後の就活がうまくいかず自宅警備を生業としていたことで, よそ様にその存在を認知されずに生きてきた. 陰の者か陽の者かでいうと, ただ「静かに暮らしたい者」. しかし最近姉たちの羽振りが急に良くなってきた性で, 流石に居たたまれなくなって一念発起することに. 自宅警備をする傍ら, 無駄に時間だけはあったことで無駄に得た無駄な知識をウリに, 今VTuberとして深層webと姉たちからsurviveする!! 
あいさつ:深層webから生き延びた or 生き延びろ
解説:名前や設定で意識した点は4つ:

1. 深層姉妹の弟であることがわかる名前であること
2. 某国民的人気作品からのオマージュとして, 視聴者にとっても深層組にとってもキャラ付けや扱いがイメージしやすいこと
3. 長男だが末子(弟はいてもいいが妹はいない)という属性
4. 設定をファンタジーや少年ではなく現実的なオトナに寄せること

特に4.に関しては配信のメインの視聴者層の実際にいそうな友人感覚を意識した上での設定である(ただし, ここら辺は30代とか昭和が掠る感じでもっと上に設定してもいいかもしれない). 全体としては落語のマクラの感覚(口振りの方も噺家に近い感じにしている?)で構成したプレゼン. 随所にはこまいネタを色々仕込んでおり, 刺さる人には刺さる設計にしているつもりである. エントリーの記入項目とも関連して, 深層組の所属以後, 実際にどんな雰囲気でどんな内容の雑談をやるのかを5分である程度イメージできることを目標に作成した.

B. 動画内で用いるスライド
0page:
深層組応募用動画(タイトルの表示)

1page:
名前:生きのび太(深層組長男(深層姉妹は全員姉))
年齢:24歳
職業:自宅警備(2年)
趣味:映画, ドラマ, アニメ鑑賞, 読書(漫画が主だが面白ければ小説でも解説書でも何でも), ソシャゲ
特技:ドラえもんのモノマネ
苦手なもの:あやとり, 射撃

2page:
深層組でやってみたいこと
1. 雑談配信
漫画, アニメ, 映画, ドラマ, その他諸々topicを決めての(割とガチ目)考察. 
考察だけなく, この話みたいな入門者向けのプレゼンもやってみたい. 
扱う題材もサブカルだけでなく歴史, 文学, 思想, 評論, 科学, 等々興味あることは何でも.
2. コラボ配信
深層組の「中」でも「外」でも.
「中」の場合には姉さんたちにお付き合いします. 歌でもゲームでも酒でも雑談でも「なんでもしますから」...(弟は姉に逆らえない...)
「外」の場合には``クッコロ姉さん''の雑談のように適当なゲスト(専門家)を呼んでの雑談
3. その他
高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に

C. 動画でしゃべる内容の台本

深層webから生き延びた!! 
はじめまして, 深層組, 長男の生きのび太です. 
この度, 深層組の方からデビューすることになりました. 
皆さま, よろしくお願いします. 

まずは簡単に自己紹介のプレゼンをします. こちらのスライドをご覧ください(スライド1pageを表示). 生きのび太, 24歳, 深層組の長男です. 余りに強烈な姉たちに囲まれて育った性で, 存在を空気と化して生きてきたので姉たちも私の存在を匂わせたことはないと思います. 陰の者か, 陽の者かでいくと「静かに暮らしたい者」なんです

 え? 姉たちの殆どが年下じゃないかって? アレは例のアレですよ... ええ, あの新一君や志保ちゃんが飲まされたっていうアレ. ウチ深層組でしょ. だから烏丸さんのトコの「組織」とも懇意で割とアレの融通が利くらしいんですよ. ``みるく姉さん''だけはちょっと例外で, あの人はアルコバレーノなんです. はい. だからあのおしゃぶりは割とレアだとかなんとか... 何でも昔はあの戦車で大洗界隈でVV言わしてたとかなんとか. まぁ, 知らんけど. 

 まぁ, 姉たちのことはどうでもよくて, 私のことなんですが... 就活がうまくいかなくて, 大学卒業してここ2年ほど自宅警備をしています. 暇なんで無駄に本を読んだり, 勉強したり, マンガ読んだり, 映画見たり色々やって生きていました. でも最近, 姉たちの羽振りが凄く良くなって, だんだん実家でのpositionもといpositionの無さがアレになってきちゃって.... 

 みなさん, 容易に想像がつくでしょう. 私が``DWU姉さん''や``とめる姉さん''に

おい, のび太...

ってジャイアン張りにイジられるのが... 多分, 皆さんの想像する100倍は酷いですからね. 私が深層組の長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかったですよ, 確実に. まぁ, それで「じぃや(セバス長)」に頼んで「深層組で働かせてくれ」と言ってこういうことになった次第です. 

 で, 特技は ドラえもんのモノマネです. 「うふふふふ... ぼぉく, ドラえもん...」...ってそっちじゃない? 冗談です, わかってますよ, 

「僕は深層webが嫌いだ. 石や鉄ばかりで, 木も草もないもの」

え? 違うそうじゃない? じゃあ「真実はいつも一つ!!」? ちーがーうーだろー!? このハゲー!? うーん, 困ったな... やっぱ, 配信って難しいですね. 

 ドラえもんで思い出したんですけど, 昔, ``子津忠子''ってお姉さんに

「応募用動画ではお歌を歌うノラよ~」

って言われたので, 「ドラえもんの歌」を歌おうと思います. 3, 2, 1.


どぅるる どぅるる どぅるる どぅるる どぅるる どぅるる どぅるるる!!
どぅるる どぅるる どぅるる どぅるる どぅるる どぅるる どぅるるる!!

ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ ペペぺ ぺぺぺ ペペぺ ぺぺぺ ぺぺぺ

だららららららららららららら だん!! だん!! 
ババッバ こぉんなこといいな!! でぇきたらいいな!! 

え? 「ちゃんと歌いなさい」って... すみません, 緊張しちゃって... でもドラえもんの歌, 映画の主題歌は好きだし, 割と得意なのでそのうち歌配信で「できたらいいな(注:ドラえもんの歌の一節を歌う感じで)」と思ってます. 

 その他, 配信でやりたいことは雑談系や考察系がメインですかね(スライド2pageを表示). 漫画, アニメ, その他の考察系って動画ではあってもVTuberの生配信だと余りなさそうだから, がっつりネタバレを宣言してのガチ勢とのガチ考察とか色んなタイトルでできたらいいなと思ってます. ただそういう場合でもlayerを意識するっていうか, 配信の最初の方は初心者向けの布教用のプレゼンを資料を作ってやってみたり, それから時間あるいは回を追うごとに「履修者」を増やしてコアな人向けにして区切っていくとか, 多くの人に喜んでもらえそうな工夫はしたいですね. 
 あと色々な同時視聴も考えてます. 特にアニメだけじゃなく, 映画とか, ドラマですね. 個人的には今まで殆ど誰もやってない時代劇とかもできたら嬉しいです. 

 その他には歌は割とイケる口なので歌と, ゲームは余りタイトルは多くありませんが, 最近のソシャゲをいくつかか, あとは``るるる姉さん''好みのレトロゲーで姉さんがやらないロックマンとかメトロイドとかですかね. 

 コラボは深層組の内部なら``姉さん''達のお供をさせていただいて歌でもゲームでも酒でも雑談でもなんでもします. 外部なら``クッコロ姉さん''の雑談のように適当なゲスト(専門家)を呼んでの雑談がメインにしたいと思います. 将来的には色々な専門のコアなメンツを揃えたコミュニティーができたら面白いですね. 

 その他は「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に」ということで, 気になる続きは深層Webもとい深層組加入後の配信で... 
それではsee you next one... 』(読み上げにかかった時間は6分23秒)

以上

4. エントリーの講評と分析

 本来, 自分で書いたものを自分で講評, 分析することほどバカバカしく, 恥ずかしいものはないが, この応募書類は応募しない(できない)ので深層組のセバスには当然読まれない. なので, 仕方がないから自分で講評, 分析する. 

 元のgoogle formの順番としては応募用動画が(メールアドレスの次で名前よりも先!!)イの一番にきていたので, 上述で先に答えた質問以前に, 恐らくこちらが審査されることになると思う. 要するにこれまでの業績, 志望動機, 今後の事業計画等に目を通される前の先入観のない状態で, 実際の動画でVTuberとしての素質を測るのだろう. だから, 後の質問とのlinkや整合性も考えながら, 自らの資質をアピールできるように作り込む必要がある. 何せ数百件近い応募の審査をするのだ. 審査側の「ゲシュタルト崩壊」から免れるためにも, エントリーの説明と動画がある程度linkしている方が, 後のエントリーも読みやすくなり, そうした工夫もまた評価につながるだろう.  

 動画に関しては上述の「動画の解説文」で既に解説したので重複は避ける. エントリー全般に関して言えば, 記述式とそうでないもの(Yes-No形式)があることがわかる. 記述式でない質問は事務的な確認をしている感じで, 本当に聞きたいことを記述式で答えさせているのは, 一般的な応募書類の形式と同じである. 次いで, Q8でVTuberを志す動機, Q9で今後の事業計画, Q10で深層組を選んだ動機と企業としての深層組についての見識を問うている. で, 事務的確認をQ11-15で挟んで(油断させて?), 最後にQ16でこちらの問題意識を探っている

 質問のおおよその意図はこのようなものだが, それを踏まえた上で何をどう答えるべきか? この流れだと最近は否応なく「ワールドトリガー」の遠征選抜試験を思い出すわけだが, それに比すればここでも, 「審査する相手が欲しい解答」(「正解」)をするべきか, あるいは「正解」に捉われず個人の発想を自由に述べるべきかは逡巡する場面である. ただここで後者を選択しやすいのが「深層組」のadvantageだと思うので, いずれも「正直に答える」のが結局は「正解」だろう. なので, Q8:VTuberの志望動機については, 脚色はしたものの, それなりに正直に書いた. つまり

私はハナから専業にする気はなく, あくまで趣味の延長でライトにやりたい

ということは素直に表明した. 

 それを表明した上で, Q9:今後の事業計画では「ライトにやる」ために現段階で想定している「事業計画」を, 個人の配信とコラボ企画の二種に大別し, なるべく具体的, 現実的な形で提示した. その上でその「事業計画」が私個人を利するだけなく, 応募者が考えている深層組の事業計画の一つとして, ある程度の将来性を有している点についても言及した

 元々深層組は構成員も少ない小さなベンチャー企業である. ゆえに配信者も, 配信者であると同時に, 企業の各事業ごとの事業主とみなす方が実態に即していよう. なので, 個人の配信計画を考えるということは, とりもなおさず企業としての事業の構想と殆ど同義である. ゆえに配信計画を考える際にも, 単に個人としての配信者だけでなく, 企業としての視点, 意識をある程度有していることをアピールすることは評価の対象になるだろう. それにプラスして, 将来性があるプランを具体的に提示できればなおよい. 

 このようにQ9に対する解答のA9ではそのようなことを念頭に置いて解答を書いてみた次第だが, それに関連してQ10:深層組を選んだ動機と企業としての深層組についての見識にも答えている. これも恐らく動機の方は前座で, 本命は企業としての深層組に対する意識, 認識をどの程度有しているのかの確認の方だと判断し, 企業としてのadvantageとして, 諸々の事業のフットワークの軽さと需要との両立及びマネージメント能力の高さを, 私の事業計画の相性と併せて, 言及した.  

 最後の質問 Q16:応募者の問題意識の把握 に関しては「ありきたり」といえばありきたりの答えではあるが, とりわけVTuber業界に関して言えばより切実だと思われる. というのも, VTuber業界は元々ここ5年で急激に勃興した新たな業界であり, 既に供給的には創成期, 発展期を過ぎてある種の限界, 飽和状態になりつつある. そのような情勢で, 次の5年を生き残るbusinessモデルの(あるいは新たな需要を開拓する)構想が深層組に有るのか無いのかを問うのは, その組織の一員になる以上は当然であろう. 深層組としても新メンバーに期待するのは, このような発展期を過ぎた後の時代に, 新たな需要の創出ができる人材であり, 結局その可能性をどこまで魅惑的かつ現実的に提示, アピールできるかということが, 恐らく今回の採用試験全体を通じて問われている命題なのだと推察する. なので, 最後の最後に「質問」という形で, 「ちゃんとその本命の命題についてもわかっていますよアピール」をしておくのはプラスの評価になるはずだ. 

 ただし, ツッコミどころがないわけではない. たとえば, 

「そもそもこの企画はVTuberである必要はあるのですか?」

と問われたら, 正直それに対する明確な解答を私は持ち合わせていない. だから答えるとしたら, 「VTuber」のカテゴリーまで一般化して論じようとするのではなく, たとえば「深層組」というVTuberの在り方, 流儀に限定した形で返答して(「VTuber」である必要はないかもしれないが, 「深層組」である必要はあるとか)なんとか誤魔化すのが精々だろう. 

 さらに言えば, 私に限らずこの「素朴な疑問」に答えられる現役のVTuberや事務所, 技術者(無論そこに経営者や思想家を入れてもよい)がどれほどいるのかさえも疑わしい気がする. たとえば知名度がある人はVTuberではなく, 普通に配信する(趣味としても, businessとしてもそれで十二分に成立する)わけで, 今のところVTuberというのは

「無名の人」用に用意されたガワ

以上の使い方ができている例が皆無であると思う. 実際, ニコニコ等の(それこそ)アンダーグラウンドに居た実況配信の人材をspoilする(俗に「転生」とも呼ばれる?)ための装置がVTuberであって, 現在のVTuber業界というのは「技術」に比して, 「思想」としては「昔ながらの実況配信」という固定観念に捉われている気がする. これに関してはむしろ, 今成功している連中程この傾向が強いとさえ言えるかもしれない. この固定観念を打ち破って, VTuberという「技術」から生まれる真に新しい「発想」とそこから生まれる新しい形態が一体何であるか? これに対する答えと実践とを先取りできるものが, 恐らく次代の覇権を取るのだろうが, さて深層組はコレにどれくらい近いのだろうか? 割と近いような気はするが, ここから先, 下手に「大手のマネごと」の方に舵を切っていくと, 逆にそれが遠のいていくような気もする(それが不正解とも限らないし). 事務所としては, ともかくこれに何某かの寄与をする人材が来てくれることが望ましいのではないか(少なくとも私はそうである). 

 以上が概ねの講評と分析だが, 仮に私がこれを深層組に提出できたとして, 倍率数百倍の書類審査を通ることができるだろうか? 私は木虎藍ほど自惚れることができないので自信はないが(何せ``生きのび太''なのだから... アレ? ``生きのび太''だから生き残るのか?), 少なくとも「評価」という観点からそんなにポイントを外してはいないと思う(というより, VTuber云々を一切忘れて, 純粋にそこを外さないようにだけ意識して作った). 

 尤も, それがVTuberとしてのcreativityの高さを保証するものではないところが, VTuberの難しさであり, また面白さでもあるわけで(実際に, それこそ「note」まで含めて, これまで私の``制作物''の中でヒットしたものは一つもない), むしろ今回誰の目にも止まらずに(文字通り私の)「ゴミ箱」行きとなる応募書類を無駄に丁寧に作成することで

つくづくこういうのに私は向かない

と改めて実感した次第である. 

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