Ghost love〜夏の出会い〜
2st Memory「夏の出会い」
僕はトキハ。
あの壮大な思い出から数年たち、高校一年生の夏。
あれから、ウォークシティを探してみたものの見つからないまま、数年がたち、地元の高校に通う事になり、それから3か月がたち、夏休み。
春も目立った出会いなく友達もできなく、夏休みの予定もなく、宿題をしながら途方にくれていた。
「ねえ、トキハ。遊びに行かないの?もう夏休み終わっちゃうよ?」
「だって、友達いないんだもん。」
「あの、アリスって子はどうしたの?全然遊びに来ないけど、もう忘れちゃったんじゃない?あ、夢だったか、ごめん。」
と笑いながらいうトキハママ。
「茶化さないで、ママ。今、勉強してるから。」
と少しムッとするトキハ。
「そんな事言っていいんだ〜。今日せっかく花火大会だから、浴衣も準備してあげてるのに。」
「え、浴衣!?着たい!」
と飛び上がるように喜ぶトキハ。
ーその日の夜。
「花火大会、ついて行こうか?迷子になったらいけないし。」
「大丈夫。もう、高校生になったから!行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
と浴衣を来て、近くの神社に行くトキハだった。
なんで浴衣で喜んでいるか、その理由。
それは、
"花火大会で浴衣でアリスに会うため"
そんな偶然はないとは思いつつも、
毎年花火大会の日は浴衣で参戦しているのだった。
悪魔で、浴衣が好きな訳ではない。
神社に着いた。
当たりは賑わっていた。
「わ、めっちゃ多い。」
と思いながら、花火が見える人気のいない特等席に向かうと、先客がいた。
「今日は、ダメか。」
と振り返ろうとした時、
ドンっと背中に何かぶつかる。
「あ、すいません!」
と綺麗な声。
「あ、大丈夫です!」とよろめきながら、後ろを振り返ると。
金髪の女性が立っていた。
「アリス…。」
と思わず呟くトキハ。
「え…。」と困惑するアリス。
「あ、すみません、なんでもないです。僕、行くんで…。」
と離れようとするトキハ。
「あ、待って。」
「え。」
「い、一緒に花火見ませんか?」
「え!?」
「あ、あっちにおばあちゃんいて。私たち今日こっちに来たばかりで、何もわからなくて。あ、2人きりじゃないんで安心してください!」
「あ、はい。全然、大丈夫です!見ましょう!」
と緊張する2人。
「支えましょうか?」と手を差し伸べるトキハ。
「あ、ありがとうございます。浴衣初めてで。」
と手を繋ぐ2人。
と歩いていくと、彼女のおばあちゃんがいた。『さすがにアリスちゃんではないよな。』
とガッカリしながらも特等席へ行くトキハ。
「おばあちゃん、お待たせ!」
「アリス、大丈夫だったかえ?あら、彼に助けてもらったの?ありがとね。」
「いえいえ、全然。」
「さっきはありがとうございます。…確か、もうすぐですよね?」と何かを取り出す彼女。
「あ!それ!」と思わず叫ぶトキハ。
彼女が取り出したのは懐中時計だった。
「え、どうしたんですか!?」
「それ、同じの持ってます。」
とトキハは自分の懐中時計を取り出す。
すると、2つの懐中時計は光出す。
「え!?」と2人は驚く。
同時に、花火が上がる。
光が消えると、2つの懐中時計は動きだしていた。
「もしかして、アリスちゃん?トキハって覚えてる?」
トキハ。
「え、あなたがトキハくんっ!?」
「うん!久しぶり、アリスちゃん!」
「…めっちゃ、かっこよくなったね。」
と微笑みながら言うアリス。
「ありがとう…。」
と急に恥ずかしくなるトキハ。
「どうしたのかえ?」とアリスのおばあちゃん。
「彼、私が言ってたトキハくんだって!本当にいたの!」
「そうなのかえ、よかったねえ。」
「本当って?」
「パパがトキハくんはここにいるって言ってたの。」
「そうなんだ!あ、パパさん元気してる?」
「…パパ、亡くなったの。」
「え。」
2つ目の花火が上がる。
アリスの話によると、
アリスパパは先日旅先で亡くなったそうだ。
アリスパパは旅に出る前、トキハ君はここにいる。トキハ君に会いに行きなさいと伝えたそうだ。
そして、翌日転校生として、アリスがやってきた。
青春の幕開けだ!
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