ONFとFUSEの“Beautiful”な1カ月を振り返る
オネノプはデビュー以来変わっていない。
変わったのは我々で、変えたのはオネノプだーーー
冒頭の言葉はONF(オネノプ)の今回の活動で私が感じた諸々や、爆発しそうな思いをじっくりコトコト煮込んだら出てきたものです。
そうなのです。
ついにONF(オネノプ)が音楽番組1位を獲得したのです!
※The Show 3/2で初の音楽番組1位を獲得したONF(オネノプ)
前作の“Sukhumvit Swimming”は、オリジナリティ溢れる音楽性で話題を集めたものの未曽有の厄災の影響により音楽番組の中止が相次ぎ、ロードトゥキングダムの勢いがあったONFとファンダムFUSEにとっては、どこか悔いの残る活動だったように思います。
その後年内カムバックもうわさされていたものの、音沙汰はなく。FUSEを焦らしに焦らし、満を持してリリースされたのが2/24発売、ONF初の正規1集フルアルバム「MYNAME」。
そしてそのタイトル曲として爆誕したのが、FUSE子々孫々まで歌いつなぐことになるであろうハイパーエナジーソング“Beautiful Beautiful”です。
3/21に“Beautiful Beautiful”の活動を終えたONFですが、リリース日から約1カ月間、さまざまな部分で今までにない結果を残すことが できました。
音源チャート / 音盤販売数 / MV視聴 / 投票
今回は、音楽番組の1位歌手になるにあたり必要だったこれらの指標ごとに振り返りをしていきたいと思います。
■音源成績:◎ボーイズグループでは異例の音源成績
まずはシンプルに、最重要項目の韓国音源チャート結果です。
こちらは、ONFがリリースした“New World”から今作までの各主要音源チャートの初登場と最高位を表にしたものです。“Beautiful Beautiful“の欄を見てください。
初登場(19時集計)でBugs1位、Genie2位、Melon71位
最高位はBugs1位、Genie1位、Melon71位
この数字を中堅アイドルが取ることの難しさは、KPOPファンの皆様ならおわかりいただけることでしょう。。。
デビューから2020年5月まで主要音源にチャートインすらしたことがなかったONFは、ロードトゥキングダムの最終ステージで披露した“新世界(New World)”で初チャートインを経験。その後8月に“SukhumvitSwimming”でカムバックし、リリース後の25時にBugsで1位を獲得。初めてチャート1位歌手となりました。
“Beautiful Beautiful“で彼らが階段をのぼり続けていることがわかるグラフがこちらです。過去3作のリリース1日目の音源サイトの時間ごとの順位変動の様子です。
※緑のラインが“Beautiful Beautiful“
“Sukhumvit Swimming”が深夜1時にBugsで1位を獲得したのに対し、今回はリリース後1時間で音源1位を獲得し、そのまま上位成績をキープしています。
更にGenieで3/1に初のルーフヒット達成!
💡ルーフヒットとは…チャートグラフに表示されるリスニングポイントの最大数を達成した曲。リアルタイムで、めちゃめちゃ聴かれたということです。
次に、リリース日から約1カ月間のチャート推移を見ていきます。
上のグラフはGenieの24時間ごとのストリーミング数とユニークリスナー数の推移を表したものです。リリースから1カ月たってもなお、デイリー10万以上のストリーミング数を維持しています。
次に他グループとの比較で推移を見ていきます。
こちらは活動期間が近かったボーイズグループのそれぞれのリリース後10日間のGenieのユニークリスナー数の推移を表したグラフです。このグラフではgenieの24時間ストリーミング数/ユニークリスナー数がベスト15以内に入っているグループと比較しています。
※グラフはKpop on Charts@SerieTV46 様のレポートを元に独自集計
ONFを含めて5グループでの比較ですが、1日目は4大事務所に所属するDグループと大きな差がついたものの、10日時点でもユニークリスナー数1.9万人以上と堅調に推移しました。
しかし、ここで疑問を持つ方もいるかもしれません。
ぶっちゃけ、ラッキー期間で競争相手がいなかっただけじゃないの?と…
それでは見ていただきましょう、その期間にカムバックしたメンツがこちらです。
待望のカムバックを果たしたSHINee、音源強者のソンミ様始め、注目のアーティストが勢揃いしています。このあたり、まだまだカンダニエル様やIU様もお強く、ブレイブガールズちゃんもローリンで大逆走している時期でした。決して、楽にとれた1位ではないことがおわかりいただけるかと思います。
そして!!
今回“Beautiful Beautiful“は、最も重要な音楽チャートであるGaon デジタルチャート(ストリームとセールスを合わせたもの)で、7位になることができました。ダウンロードチャートは1位に!
こちらの記事でそのすごさを解説されています↓
ざっくり内容を書くとこんな感じでしょうか…
・4大事務所以外のボーイズグループがGaonでトップ10になったのは、2年以上も前のこと
・2018年までさかのぼっても、3大事務所以外のボーイズグループがヒットしたのは、WannaOneのような一時的なグループと、BTOBのようなグループ
・4大事務所グループを見ても、SVTとNCTはTOP10ヒットの所持が1曲ずつ(それぞれLeft & RightとPunch)で、TXT、Stray Kids、Enhypen、Treasureなどのデビュー間もないグループはまだ1曲もない
ファンダム規模としては大きくない中、好調な成績を納めたので一般層からも支持されている可能性があるのではと締めくくられています。
ただ、Melonに関しては、19時時点で71位、24時時点で85位、25時時点で80位、翌日7時にはチャートアウトとなったので、KPOP好き層(ともしかしたら一部の一般層)には認知が広がったものの、本当の一般層ウケという意味ではこれからといったところでしょうか。
■音盤成績:○ 過去最高成績の販売枚数
音盤(CDアルバムセールス)は、アイドルのファンダムの力が如実にあらわれる指標ですが、こちらも過去作と比較して初動記録(発売から1週間の販売枚数)を更新することができました。
ONF のアルバム別販売枚数をまとめた動画がありましたので見ていただけますでしょうか。
動画は累積枚数で表示しているので、初動枚数がまとめられたTweetも掲載しておきます。
今回の初動は58,797枚と前作SPINOFFと比較して2倍強の販売枚数となりました。しかし、ON/OFF-GOLIVEまでの販売枚数を見ると作品クオリティと実績の反比例具合に驚いて、ぶっ倒れそうになりますね…笑
ONFのアルバムは、形態と特典が少なめで音楽勝負な意思は感じられるのですが、もう少し欲を出してもいいのではないかな?と思っていました。
特にSPINOFFの時は初動時に日本限定特典などもなく、1形態で特典もトレカ2枚のみというシンプルなスタイルだったので心配していたのですが、今回は正規1集ということもあり3形態でのリリースでした。初動期間に間に合うよう店舗特典なども用意されていて、ちゃんと力を入れている感が嬉しかったです。
これは個人的な要望ですが、フォトブックの内容にコンセプトの違いが見られなかったので、ONFの世界観別で表現するとか(過去・現在・未来とか)、音盤付録品のアートワークへのこだわりがもう少しほしかったかなと思いました。
前回よりも大幅に音盤を伸ばしたONFですが、音楽番組での勝利を確実なものにしていくのと、経済面の部分からも音盤を購入してもらえるコアなファン層の増加は引き続きの課題となっています。
■MV視聴:◎ 1000万再生を3日で達成
前作“Sukhumvit Swimming”が1000万回を超えたのが発売から半年経過した2021年1月のことでした。
しかし、今回はリリース後からわずか3日間で1000万回再生を突破。
下記は、“Sukhumvit Swimming”時のMV数推移をグラフ化したものです。3日経過時点の再生数がざっくり400万回再生だったので、“Beautiful Beautiful“は約2.5倍程の速度でMV再生数が増加しています。
そしてこちらはONFのタイトル曲の3/27時点のMV再生数です。
2021年2月24日リリースの“Beautiful Beautiful“が圧倒的な再生数を出しています。しかし、WhyまでのMV再生数よ…そして1500万を超えたあたりからの牛歩再生よ…ONFだけ変な妨害アルゴリズムが走ってない?!と疑いたくなります。。。
■投票:○ 過去最高に熱狂した音楽番組投票
今回、音源成績が好調だったおかげでTHE SHOWでの1st Winを始め、地上波の「音楽中心」で3位となり、スンジュンが尊敬するSHINee先輩と1位争いをするなど各音楽番組で良好な結果を残すことができました。
音楽番組での1位を決めるのに、音源が大切な要素となるのはもちろんなのですが、ファンダム規模で見るとFUSEは決して油断を許さない状況でした。
FUSEの中でも普段以上に活発に投票の呼びかけが行われ、情報交換しながら投票を行い、固唾をのんで結果をウォッチしていました。
そして3/1のTHE SHOWの事前投票では、2位候補と僅差の戦いを繰り広げなんとか勝利!
それでも、その時点で「1位がとれそうだ!」と明言する人は少なかったように思います。誰しも心の中で、その時が来たのだと小さく感動しながらも、もしかして…という不安も感じていたのです。
この日はリーダーズが出会って14年目という友情記念日でもあり、絶対1位を取りたいという思いは、番組が近づくにつれ高まっていきました。リアルタイム投票前には、不安と緊張、期待から体調を崩すFUSEが続出。
そして結果は、9,040/10,000というハイスコアでの勝利。
この得点は3/2時点で2021年に入ってからの最高点となりました。
ここで記載しておきたいのが、今回FUSEはもちろん、FUSE以外のKPOPファンの皆さんがONFの初1位獲得のために、かなりの応援をしてくれたということです。ただのいちONFペンにすぎない私めですが、この場を借りてお礼を申し上げます!
↓当時の熱狂ぶりがわかるハッシュタグ
#BeautifulBeautiful1stWin
まとめ
初めて音楽番組1位をとったONFが、その後Vライブでファンに感謝の気持ちを述べたのですが、メンバーのUくんがこう言ったんですね。
…頑張ってきたんだな。これからもこのまま頑張ろうと思いました。
ONFはデビュー以来一貫したコンセプトで活動する稀有なアイドルで、いわゆるKPOPウケする流れに安易に迎合せず、自分たちのスタイルを追求してきました。
彼らは絶えず努力し成長し、既存の枠組にとらわれずにチャレンジしていますが、基本的な部分でONFは変わっておらず、デビュー当時から変わらず質の良い音楽とパフォーマンスを世界に発信し続けています。
変わったのは我々だ。
ONFを知らなかった私のような人間が彼らを知り、応援したいと思うようになったこと。男性アイドルの曲に興味がない層や、ちょっとだけ音楽番組を見ただけの人が、彼らの歌を口ずさむようになったこと。
昔からONFを応援しているFUSEみなさんは、なおのこと、今回の応援を通じて変化を感じられたのではないでしょうか。
変えたのはオネノプだ。
デビュー4年目の彼らは、ワナワンとの同時期デビュー、サバイバル番組からのデビュー白紙、メンバー脱退などの様々な試練を乗り越えてきました。
ロードトゥキングダムに出演するまでは1位という言葉とはまったく縁がなかったONF が、「美しい僕たちはここにいる」と声高に叫ぶ。彼らだからこそ伝わる気迫のようなものが確かにあると考えます。
耳に残るキャッチーな歌、という感想だけで終わるにはもったいない。歌詞を見てほしい。パフォーマンスも見てほしい。
そして、できれば彼らのこれまでの歴史を少しでも知ってもらえたら、“Beautiful Beautiful“はきっと心の中に何かを残すと思います。
歌詞の中で、個人的にとても好きな部分があるので紹介させてください!
僕は誰よりも輝いてる こんな僕を見ると楽しくて
歌詞全てがとても良いのですが、この部分がとても好きです。
自分の推しているアイドルに、こう感じていてほしいなと思っていたことそのものが歌詞に入っていました。
そして、実際にステージの上の彼らはとても輝いています。
アイドルが自分たちを認め、個性を発揮し長く活動できる業界であってほしい。
KPOPに対しての絶望やあきらめを何度も経験しながら、そんな思いをまだ捨てられないのは、ONFがこのようなステージを見せてくれるからです。
彼らは上辺だけでコンセプトを表現しておらず、そのアイドル人生の根底には哲学が存在しているように思います。そして歌声という彼らの技能が組み合わさった時、アート作品を鑑賞する時のような感動をもたらし、表現する者と見る者との間に時間や空間を超越した交流を生み出す「オンリーワン」なものになっていくのではないでしょうか。
“階段ドルONF”が目指すその先には何が待っているのか。
次のカムバックまで、彼らが残してくれた心地よい達成感にしばらく浸り、行く末を想像してみたいと思います。
と、ここまで書いて数日放置していたら4月末リパケでカムバすることが決定しました🎉
浸る時間は思いのほか、短いようです…笑
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