シブヤ遊び場物語⑥めぐるめぐるよ季節の中で

渋あそ創立メンバー"うーちゃん"による渋谷の遊び場誕生の物語です(春に執筆されたものです…もう秋の気配となっておりますがご容赦を…!)


それでなくてもなんだかいそがしい毎日なのに、花たちは容赦なく季節を覆って行きます。
こぶし、木蓮、桜、レンギョウ、雪柳、うかうかしている間に、ハナミズキのつぼみが膨らんでる。うわあ、さくらんぼが色づいている。と思いきや、ツツジのオンパレード。高い木の花たちも、桐、アカシア、トチなど遅れまじと咲き誇っている。藤は、渋谷ではいまいち見付からないなあ。 雑草も、すごいよ。カタバミ、きゅうり草、ニラの花、「名もない草」達が小さな花をつけている。ヘびイチゴも登場! 花壇の花たちもかすみそうです。

何層にも花が咲き誇る5月の連休前。初夏のような日差しに緑が眩しくなってきて、こどもの日がふさわしい季節です。
子どもの遊び場であるはるプレでは、連休に混み混みの行楽地になんか行かなくても楽しめるような企画を立ててきました。しかしあまりにもその考えが支持されて、なんと観光地化してしまう状況になりました。コミコミのはるプレを想像してください。なんか違うねと振り返りました。大人の人が我が子を見守るために至る所で立っています。私たちは見通せない現場に不安を覚えました。また、子どもがやってみたいことに寄り添う以上に、大人が手や口を出すシーンも多く見かけられ、「大人のために何か考える?』という話も出たりして、鯉のぼりたなびくこどもの日からはほど遠くなりました。ですので、特に何もしない!と決め込みました。気に入ったこと見つけて、好きにすればいいよ!と、この贅沢さを味わってもらうことにしたのです。

自分の子どもが何を選ぶか、よく見てほしいです。せっかく来たんだから遊びなさい!何もしないなんて勿体無い!なんて声も聞こえたりしますが、子どもは、「今」「目の前の」面白いものや事に反応するのです。この感性こそ、大切にしなくてはならない、かけがえのないその子の小さな芽なのです。だから、子どもを放っておいてください。危ないかどうか見守ることはしてほしいですが、せっかくのチャンスです。誰かの持ってるものを奪っても、相手に謝る前に、こんなのに興味があったんだという発見の面白さに気づいてください。ムキになる顔もかわいいものです。また、謝る他に、どんな方法があるか大人も考えるチャンスと捉えて、出来過ぎの大人にならないよう努力してほしいと思います。

はるプレでは、大人も子どもも、遊びを通して「こんなときどうしたらいいんだろうね」と考えたり、待ったりする時間を持つことを大切にしているんですよ。
花々の様に、高い、低い、大きい小さい、いっぱい、少し、いろいろな色の中でそれぞれ比べられない個性を持っていることを認め合えるといいなといつも思っています。


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