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黒海

欧州行きの飛行機はロシア上空を避け、ウクライナの南の黒海上空を飛んだ。戦争が行われている地域とは十分な距離があるとわかっていても、窓の外の世界で人間の生命が軽んじられている現実に押し潰されそうになった。

大国が隣接国を蹂躙する形で始まったこの戦争が、後の歴史の中でどう語られるのかはわからない。今回初めてわかったのは、世界はいともたやすく分断されてしまうということだ。この戦争を止められるのはロシアだけなのに、自国の正義を信じるロシア国民には我々の声は届かない。悲しいことに日本にも、ロシアを擁護する人はいる。

覇権主義に回帰したロシアは、この戦争で領土を広げることができるのかもしれない。しかしその結果、世界は分断される。ウクライナはもちろん、西側諸国はロシアを許さないだろう。人類としては後退する道をロシアは選ぶのだ。長い目で見た場合に、これが失敗であることは明らかだ。



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