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ココイチの10辛食べてふぇらちおしたら泣かれた話

これはむかーしむかし、まだマゾ猫が一日18時間働いていた社畜ラーメン屋時代の話。

マゾ猫は休みの日はココイチを食べていた

高校卒業したてのマゾ猫は、一日18時間働いていた。
休みは週に1.5日。朝8時にはラーメンの仕込みや開店準備をするためにお店へ行き、閉店準備やらシフトを作ると帰る頃には深夜2時。
労働基準監督署がドラえもんばりに真っ青になるようなスケジュールだった。
休憩時間もほぼなく、だいたい一日トータルで30分くらいだったので、基本的には3食ラーメンかチャーハン。たまにつけ麺、時折ちゃんぽん。
麺、麺、麺、チャーハン。
追いかけてくる中華の中で生きていた。にげらんねえ。

そんな中、たまの休みにたべたくなるもの。
それはココ壱番屋のカレーだった。

マゾ猫の勤めていたラーメン屋の真横がココ壱番屋で、外にある巨大冷蔵庫に行くときにいつもカレーの匂いを嗅いで食べたくなっていたからだ。

なので週一日の休みは基本、昼にココイチのカレーを食べていた。

10辛への挑戦

人はストレスがたまると辛い物が食べたくなるという話は聞いたことがあるだろうか。
辛さは痛みなので、自傷行為みたいなもんらしく、一日18時間も働けばそりゃあストレスフルになるもんで、はじめは2甘だったカレーが一歩、また一歩と辛くなっていた。
世界一いらない進歩である。
味覚は耐えれる。だが臓器が黙っちゃいない。
基本10辛を食べたら4時間後にお腹を壊して、トイレとズッ友になっていた。一期一会、ウチらマブダチ……。それを覚悟に食べていたので、大したもんだったと思う。

そんなマゾ猫には、当時彼氏がいた。

10辛食べてふぇらちおしたら泣かれた。

限界社畜マゾ猫、彼氏との逢瀬も週に一回。そりゃあ、まだ当時19歳と27歳の彼氏なんぞ、ヤりたい盛りである。
お昼にココイチを食べて、夕方から夜にかけて会って、やることやって、次の日の昼前に目覚めてマゾ猫は出社する。
そんな日々を送っていたマゾ猫。
ココイチの10辛に挑戦した、ある日の事。

ちょっとお腹痛いながらも、二人っきりでドライブデート。
忘れもしない、綺麗な海と夜景。

彼氏「ねえマゾ猫……ホテルいこうか」
猫   「……うん(お腹痛くなってきた)」
彼氏「……シたい?」
猫   「はやく行きたい(トイレに)」
彼氏「そっか。」

彼氏は上機嫌。マゾ猫は腹痛に耐えて、会話はアンジャッシュみたいなもんで進んでいった。

ラブホテルに入り、速攻でトイレに入るマゾ猫。
さすがにこれでは……と思い、そのままシャワーをしっかり浴びて、ついでに歯磨きをして、彼のもとへ戻った。

薄暗い部屋で、雄の顔をしている彼。

彼は言った。
「舐めて。」

当時から被虐願望の強かったマゾ猫。洗ってなくても彼のイチモツを舐めるなんて、全く抵抗がない。

「うん……。」

床に跪いて、彼のデニムのベルトを外し、口でチャックを開けて……。
下着を下すと、彼のイチモツがやや興奮気味に顔をのぞかせた。

ぱくん。
マゾ猫はためらいなく加えて、舌を動かす。

彼氏「……痛い」
マゾ猫「え……!ごめん、歯があったった?」
彼氏「いや、なんか痛い」

冗談かと思った。
その時理由がわからなかったマゾ猫は、なぜか痛いのは彼の心だと思った。

ーーそうか。彼は、私が全然会えないから、気持ちが自分にもうないと思ってるんだ。

マゾ猫、悲劇の大誤算。
彼氏への愛情を示すために、必死でくわえて舌を動かした。

彼氏「え、痛いって」
マゾ猫(がんばるから……)
彼氏「痛い……!!」
マゾ猫(ごめんね……ごめんね……大好きだよ……!)
彼氏「ちょっと離して!!!!」

やっと剥がれるマゾ猫。半泣きの彼氏。

だがしかし、皆様おわかりであろう。
ココイチの10辛スパイスが口内に残っていたのである。
そしてそれが唾液とともに粘膜に入ったのである。

離した程度で痛みが引くわけがなかろう。

彼氏「いだだだだだだだだ!!!!!!!なんこれ!!!!!!」
マゾ猫「なにごと!!!!!!!」

阿鼻叫喚するラブホテル。まるで米騒動みたいな暴れっぷり。

彼氏「お前なんかヘンなもの食っただろ!!!」
マゾ猫「へんなもの!?!?!?あ……。」

ここでマゾ猫はココイチのカレーを思い出した。

マゾ猫「ナニモタベテナイヨ。ホントダヨ。」

幼稚園児のお遊戯会顔負けの棒読みでとりあえず言って、もうセックスなんて雰囲気じゃなくなったので、二人して彼の運転する車で帰ることとなったのだった。

帰り道、親の通夜みてえな雰囲気の中で、ミスチルの「HANABI」が流れていた。

もう一回……。
もう一回……。

みんな、セックスをする前には、ココイチの10辛は食べてはいけないよ。
もう一回やり直せるなら、マゾ猫は過去の自分にそう言いたいのであった。

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