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まだ連続増配だけ見てるの?「増配回数」と「増配率」が大事な話

割引あり

配当金投資は長期的な投資として安定した手法ですが、いざ株を買おうと思うと、何の銘柄を買うのが正解なのか迷う人は多いと思います。
この記事を見れば、配当利回りや連続増配を調べて投資をする安易な方法ではなく、過去のデータに基づいて銘柄選定をする方法がわかります。

先日、下記のポストをしたら、1200を超えるブックマークをして頂きました。
「有料級」と表現しましたが、自分の中で大事だなと思ったことをポストしたら反響があったので嬉しく思っています。
なので、こちらのnoteでもう少し詳しく解説をしてみようと思いました。

きっと、このnoteを見て頂ければ、考え方は共感して頂けるのではないかと思っています。
ただし、下記表のようなデータを自分で調べようと思っても、まとまったものが見当たらないと思っています。なので、自分で調べて作っています。

なお、この記事では、下記のXの表に更に銘柄を追加したものを一番最後に公開していますので、ぜひ最後まで読んでください。


①配当利回り

配当金を受け取ることを目当てに投資をするのが配当金投資なので、配当金投資を行うときに皆さんが調べるのは、配当利回りだと思います。
調べる作業としては、大体「配当利回りランキング」などと検索すると、例えば、Yahooファイナンスで現在の配当利回りのランキングが見れます。

配当利回りが高いほうがリターンが大きいので、高配当の銘柄を選べば良いのですが、そう単純には行かないのが高配当銘柄の選び方です。

まず、配当利回りランキングの上位の銘柄は、基本的には今の配当利回りを維持できないことが多いです。
それはなぜかと言うと、かなり高配当利回り(例えば利回り10%)なのに株価が上昇していないということは、それなりに理由があるからです。その理由とは、今期以降も今の配当利回りを維持できないと予想されているからです。

例えば、コロナ禍の海運銘柄のように、一時的な利益により配当金が増えて配当利回りが上昇したようなケースです。
この場合もコロナ禍が落ち着いたら、コンテナ運賃も正常化して、海運会社の利益も通常に戻ることが想定されており、今は配当利回りが10%あるとしても、来期は配当金が下がることが織り込まれているということです。

一方で、短期で考えれば、今期の10%の配当金を貰える権利を得たら、その後に株を売ってしまえば良いのではないかという発想になりますが、配当銘柄は権利落ち日には大体配当金分に相当する程度、株価が下落するということが多いです。それは、配当金目当てで買った人が売るからです。なぜ売るのかと言うと、繰り返しになりますが来期以降は同じ配当金をもらえないと考えるからです。

ということで、配当利回りが高いというだけで、配当金投資の銘柄として選ぶのは、考えが足りないことになります。

②連続増配

現在の配当利回りを調べるだけでは、考えが足りないということになると、次に考える思考としては、来期以降の配当金が下がらない銘柄を選べばよいということになります。

しかも、配当金が下がらないだけでなく増えているほうがよいわけで、世の中には、◯年連続増配をしている銘柄、という連続増配株があります。
連続増配を実施している銘柄は、配当金投資としては王道な考え方でもあり、情報としてはググれば結構あります。
例えば、「日経連続増配株指数」というものがあります。

日経連続増配株指数

これを見れば、連続増配を長く実施している銘柄が分かります。
そしてこれらの銘柄の上位は、おそらくこれからも増配を続けていく可能性が高いです。
なので、これらの銘柄を買っておけば毎年増配されていき、安定した配当金をもらうことができます。

③連続非減配(累進配当)

では、連続増配の銘柄を調べて買っておけばよいかと言うと、増配にだけ注目していると、増配はしなくても、連続で減配をしない銘柄を見逃すことになります。
非減配の銘柄も、配当金が減らないので安定した配当金をもらうことができる銘柄です。非減配のことを累進配当とも言います。
こちらも「日経累進高配当株指数」というものがあります。

日経累進高配当株指数

累進配当の一位は「武田薬品工業」で42年も減配をしていない素晴らしい銘柄です。
しかし、先程の連続増配株指数の上位には登場していないです。
つまりは、「武田薬品工業」は増配はあまりしないですが、減配はひたすらしないという銘柄であることがわかります。
一方で、2位の「三菱HCキャピタル」は、32年減配をしていないし、連続増配株指数のほうでは、25年連続増配をしているという、こちらも素晴らしい銘柄です。
これを見て分かるのは、減配をしない銘柄だとしても増配に積極的であるとは限らないということです。
あと、累進配当の銘柄を調べる方法として、累進配当を宣言している会社もあります。

三菱商事

例えば、三菱商事はHPの配当情報のページに「累進配当」の記載があります。
このように累進配当を宣言している企業は結構ありますが、調べるのは結構面倒です。
しかし、累進配当を宣言している銘柄は減配をしないことが確実なので安心感があります。
ということで、こちらも調べることをおすすめします。

③増配回数と減配回数

上記のように、将来の配当金がどうなるかを把握するために、「連続増配」や「非減配」についてだけを調べればいいかというと、まだ情報としては不足しています。
例えば、基本的には連続増配を実施している銘柄だけど、コロナ禍で一度だけ減配をしたことがある銘柄(例えばJT)などは存在します。
なので、連続増配や非減配だけを見ていると、実はほぼ増配を続けている良い銘柄を見逃してしまいます。
ではどうすればいいのかというと、「増配回数」を調べます。
増配回数というのは、過去に何回増配をしているかということです

JTの配当金推移

JTを例に具体的に見てみましょう。
連続増配は22年23年と連続で増配をしており、現在の連続増配は「2年」です。
しかしグラフを見て分かるように、過去の配当金推移を見ると、増配をしていないほうが少ないです。
20年に上場来で初めて配当金が据え置きになり、21年に初めて減配をしています。
上場来で、増配をしていない回数は「2回」だけです。
これを連続増配のデータだけ見ていると、上場来で2年以外は増配をしている銘柄を見逃してしまうということになります。

特にコロナ禍で例外的に減配を実施している企業は割とあると思いますので、正確に増配傾向を確認するためには、増配回数を確認することが必要となります。

同じように、連続非減配だけではなく、過去の「減配回数」を調べると、過去の減配傾向が分かるようになります。

④増配率

これで、増配や減配の見方が分かったぞ!
ということで、増配回数や減配回数を見て銘柄を選べば良さそうですが、それでもまだ足りないものがあります。
それは何かというと、連続増配をしていたり増配回数が多いと言っても、毎年大幅な増配をしているのか、それとも少しだけ増配をしているだけなのかが、回数を調べただけでは分からないです。

では、何が分かればよいかと言うと、「増配率」を見る必要があります。
冒頭のポストの表を参考に見ます。

配当太郎さんが注目する大型株15銘柄

こちらの表の一番右の列が「増配率」です。これは2015年~2025年(予想)の10年で配当が何倍になっているかを示しています。
この表では長期目線で10年としていますが、例えば5年ではどうか、1年毎ではどうか、などのデータもあればもう少し詳細に深堀りできます。
そのようなデータもありますが、また今度整理してnoteにしてみようと思います。

表の中で、10年で見たときの増配率が一番良いのは、「東京海上」で約5倍です。
上記に書いてきたような増配について見てみると、東京海上は何年連続増配をしているかというと4年で、他の銘柄と比べてそこまで良くない数字です。また、過去10年間の増配回数は9回です。
増配回数となると、10年で9回も増配しているわけですから、他の銘柄と比べても良さそうな数字に見えます。

こうしてみると、じゃあ増配率が高ければ良くてそれだけ見れば良いのではないかという気になってしまいますが、一概にもそうは言えなくて、例えば近年だけ配当金が良いだけで今後も同じような増配率を継続できるとは限りません。

つまり、まずは安定して配当を増配していることと、なおかつただの増配ではなくしっかりと増配していることが大事なので増配率も大事ですよ。
というような感じで、トータル的に見て、どの銘柄が今後しっかり安定して配当金を出してくれそうか、というのをデータを見て分析することが大事だということです。

このように、増配や減配回数の情報と、増配率の情報を組み合わせて、他の銘柄と並べてみると、どの銘柄が配当金に関して良さそうな銘柄かが大まかに分かるということに納得頂けるのではないでしょうか?

⑤他に見たほうが良い項目

ここまでこの記事で書いているのは、あくまでも配当金の推移だけについてを話しています。
もちろん他に見たほうが良い項目はあります。
例えば、「配当性向」「自己資本比率」などは特に見たほうが良いと思います。
もちろん「業績」についても見ないわけには行きません。
何を先に見るかは人それぞれだと思いますが、やはり優先順位的には、最初に配当金の状況を調べてから、良い銘柄だと思った場合に、では配当性向ははどうか、自己資本比率は大丈夫か、今後業績は伸びていきそうか、などの順序で調べていくのが良いと考えます。

⑥高配当の王道20銘柄についてのデータ

考え方はわかったけれど、じゃあそのデータはどうやって調べればいいの?ということに対しては、正直コツコツと自分で調べるしか無いと思います。

正直20銘柄について調べるとしても、普通に調べて整理していたら大変ですが、ネットにある程度情報はありますので、やればできると思います。
本当は、大事なお金を投資に回すわけですから、時間がかかっても調べたほうが良いに決まっています。
私は特に新NISAの成長枠は、高配当投資をして長期的に配当金をもらおうと考えています。
ですので、長期的な人生で得られるお金を考えると、時間を掛けてでもちゃんと銘柄選定をしたいと思っており、調べています。
正直、まとまったデータが売っていれば、時間を掛けずとも購入したいぐらいです。

今回は、上記のXでポストした15銘柄に5銘柄を加えて、20銘柄についての表を作りました。
追加の5銘柄は、「MS&AD」「三菱HCキャピタル」「日本製鉄」「日本郵船」「武田薬品」です。
※また、今回見直していると、Xでポストした表は少し間違っていた箇所もあったので修正もしました。

結構時間がかかるデータなので、有料設定にしますが、いつもXをやっていて私のポストを見て頂いている方には、無料になるようにします。
noteには「SNSプロモーション機能」というのがあるようなので、このnoteをXでツイートして頂けたら無料になるような設定にしてみようと思います。

「SNSプロモーション機能」というのは、こちらです。

それでは、20銘柄のデータを見たい方は、以下からお願います。
データだけではなく、少し追加で各銘柄について解説もします。
また、今後もデータを増やしてnoteで公開していこうと思うので、もっと知りたいという方はnoteをフォローして待っていてください。

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