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問われて答えた。やっちまったぜ。それがダメなんだよっていう失敗の話。

話を聞く専門家なので、質問力についてもときどきここで書いているし、研修もやっている(つまり教えているということ)。
そんな私だが、つい最近「あ~、やっちまった…」と思ったことが。
記憶が新しいうちに、ダメな例として、みなさんにお届けしたい。
※内容は少し変えて短くしています

・・・

キャリア研修の休憩時間のこと。
一人の受講生さんが話しかけてきた。

受講生→受
受「今日の話はよくわかるんですが、若手は『これは自分の目指したい仕事じゃない』って言うし、そこに合わせていく業務があるとは限らないし、やってもらわないといけない業務はあるしで、困っていて。」

私「ああ、ありますよね。そういうときには上司(=この場合は受講生さん)がどうアレンジするかが大切なんです。その業務と若手の方のやりたいことへの関連性を上手くつなげて、やる意味がある程度は腹落ちするように説明しながら任せるとよいですよ。全部は無理でしょうけれど…」(私の脳内:willとmustの話だな。あとジョブクラフティングのことだな)

受「若手だけじゃなく中堅でもやっぱり『こういうことは自分以外の人に』とか、そんな風な傾向が増えてて、そこに合わせて出せる業務なんてないと思うんですよね…どうしたらいいのか」

私「そうですね。なので、そこは業務の切り分け方や見せ方、改めてどんな価値のある仕事なのかをどの角度から手渡すか、本人がそこに取り組めるような支援というか意味づけで、そういう力が上司の腕というかやり方になっていますよね」(えっと、さっきの説明伝わらなかったのかな。聞いてくれてる?)

受「(にこにこしつつ)まったく業務にはやらなくちゃならないことがあるので、それはちゃんとやってもらいたいんですよね。キャリアは大切だと思うんですが、若手がやりたいことをやれないのは…って言いがちなのがどうしたらいいんですかね…」

私「はい。先ほどからお伝えしているようにここは…(繰り返し)」
(やっぱりこの話って伝わりにくいよね。うーん)

ここで時間切れ(休憩終了)。時間にして5分ほどのやりとり。
研修に戻り、受講生にあるテーマについて考えていただく時間をつくってグループ対話になったとたん頭に雷が…!!

あかんやん!
さっきの私の応答、やっちまったよ…!
伝わらない、じゃない!!

・・・
・・・
・・・

さて皆さん、この応答の私の課題はどこにある?
あなたならどう応答する?

私のふりかえりと反省を書く前に、別の話。

子「あのさ~、ピアノ辞めたいんだけど」
親「え?何言ってるの。せっかく続けてきたんだしもうすぐ発表会でしょ。今調子落としているのは知ってるけど、そういうときもあるよ。大丈夫だからこのまま練習していったらスランプとか抜けるから頑張りなさい」
子「そういうことじゃなくて辞めたいな…って」
親「どういうことよ?あなたはすぐにシンドイと辞めるっていうでしょ。でもこれを乗り越えた先に嬉しいことがあるんだから、それを言ってるの。あ、練習の仕方を変えたいって先生に言うといいかも。今試験勉強もあるし、忙しいのはわかるから、ペース落としてもらいなさいよ」
子「・・・」

この会話はどう?いろいろ問題多いってわかるよね(笑)
・親が子どもの話を聞いてない
・親が説得しまくっている
・親がほかの材料も持ち出してきて、話どんどん変わってる
結論→子どもは何を言いたかったか不明のまま、会話が終わる(多分親は「必要なアドバイスはしてやったぞ」と満足しているが、数日後に同じことを子どもから言われる。そして「何回言ったらわかるの?」という切り札が出る。親は友人(またはもう一人の親に)「うちの子、なんでも長続きしなくてどうしたらいいかなあ」と愚痴るまでワンセット。

これと、上の私のやっちまった、は同じ。

受講生の最初の言葉を私が「勝手に解釈し」「勝手にアドバイスが必要とされていると決めつけ」「勝手に結論付けている」のがダメポイント。
本来の私のモードでは「どういうときにそう感じるのですか」「具体的にはどんな場面でしょうか」などと問い返すところだが、時間がないこと、ワンポイントアドバイスを求められがちな場所と立場、ということでうっかり頭から基本がふっとんだ。

シャインの「人を助けるとはどういうことか」という本に出てくる典型ダメ事例をやっていた。

そもそも受講生さんは答えを求めていたのだろうか?
私の応答に対するさらなる言葉がほぼ同じ内容、ということからも、私の応答が「それじゃない」ということに私が気づかなくてはいけない。
それなのに私の意識は「うーん、どう言ったら伝わるのかなあ」「相手がちゃんと聞いてないよなあ」という方向に向いている。休憩時間中に解決してあげたい!とも思っていた(あほ過ぎる)。
本来は、普段やっているように相手側に何がどう見えているのか問うて、相手がその風景をどう理解したいのか一緒に「みる」必要があった。それに時間が足りなかったら「後でお話しましょう」でも「講義の中で触れますね」でもよかったはず。

問いがずれていたら答えはずれる。
そもそも問いですらなかったかもしれないものを、勝手に「診断モード」で応答しているということは、実は日常でとても多い。

親子の例だけでなく、支援者でも、上司部下でも、友だちでも、夫婦でも、誰かに何かを相談されがちだと自覚しているタイプの人が、しょっちゅうやらかしている(私も昔はいつもそれだった)。そして「ちゃんとアドバイスしたのに、全然理解しないんだから困ったもんだ」と思い込んでいて、「どうやったら相手を変えられるか」という課題を相談されることがとても多いのだが、それはまず、あなたの在り方のほうに課題があるんだよ、といつもいつも伝え続けている

…という私もこうやってやらかすという話(笑)


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