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命、在るものになりたくて(連載小説)

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小説「命、在るものになりたくて」(全22話)をまとめたマガジンです。
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#創作小説

(21)ゆるされたい

 私の診察が始まる。案の定話の切り出しは医師からで、 「他の患者さんとちょっと仲よくしす…

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柴田彼女
3か月前
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(19)あの頃わたしは確かにそこにいた

 犬塚さんとまた会ったのは、秋になってすぐだった。診察時間を昼手前に戻し、案の定何時間も…

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柴田彼女
3か月前

(18)惰性

 日々は続く。二週間に一度の診察は繰り返され、本格的な夏がくる。私は予約時間を夕方にずら…

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柴田彼女
3か月前

(16)何者

 そこから更に一時間半、やっと自分の番がやってきた。担当医は四十代ほどの男で、患者の話を…

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柴田彼女
3か月前

(15)枠の中だけ

 再び涼やかなクリニック内に戻る。順番はまだまだ先だ。鞄から本を取り出して読もうとして、…

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柴田彼女
3か月前

(14)おいしそうだね

 十二時になっても当たり前のように自分の番はこなかった。私は受付の女性に一言断って、病院…

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柴田彼女
4か月前

(12)記憶が支配する

 あしたは病院で、診察時間は十一時半から。どうせ二時間は遅れるから、お弁当を持っていかなければならない。あしたはサンドイッチにでもしようか。棚からホームベーカリーを出し、強力粉や塩、砂糖、バター、牛乳、ドライイーストなどを支度する。計りで適量を計測し、順番通りに入れる。捏ねるだけの操作をしてくれるボタンを押すと、ぎいん、ぎいん、ぎいん、とモーターが回り出す音が響いた。  しばらくして機械が止まる。蓋を開け、指先で生地を伸ばしてみて、薄く膜が張るのを確認する。再び蓋を閉めて、具

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(11)逃走

 午後一時過ぎ、PCを開く。スマートフォンに入れてあるSNSをこちらでも覗く。たまに何か…

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柴田彼女
4か月前

(10)薄暗い中の祈り

 リュックサックを定位置に片づけ、時計を見るともう十二時を過ぎていた。昼食は何にしよう、…

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柴田彼女
4か月前

(5)丁寧な暮らし―2

 朝、起きて肌掛けをよける。床に立ち上がり、肌掛けを丁寧に布団の上で伸ばす。無臭の除菌ス…

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柴田彼女
4か月前
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(4)丁寧な暮らし―1

 仕事は辞めた。実家に帰ろうかとも思ったけれど、定年まできちんと教師を務めあげた両親と毎…

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柴田彼女
4か月前
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