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命、在るものになりたくて(連載小説)

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小説「命、在るものになりたくて」(全22話)をまとめたマガジンです。
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2024年4月の記事一覧

(10)薄暗い中の祈り

 リュックサックを定位置に片づけ、時計を見るともう十二時を過ぎていた。昼食は何にしよう、…

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柴田彼女
4か月前

(9)帰宅

 家に着いたころにはもうくたくたで、玄関では突っかけていたサンダルを揃える元気もなかった…

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柴田彼女
4か月前

(8)水の音

 肌によい成分でできた日焼け止めを分厚く塗って、薄手の白いカーディガンを着て、つばの広い…

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柴田彼女
4か月前

(7)丁寧な暮らし―4

 洗濯物を干す。ピンチに靴下やタオルを挟み、ハンガーにトップスを裾から通す。服が伸びたり…

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柴田彼女
4か月前

(6)丁寧な暮らし―3

 洗濯物は三日に一回、まとめて洗う。きょうはちょうどその日だったので、流れで洗濯機の前に…

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柴田彼女
4か月前

(5)丁寧な暮らし―2

 朝、起きて肌掛けをよける。床に立ち上がり、肌掛けを丁寧に布団の上で伸ばす。無臭の除菌ス…

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柴田彼女
4か月前
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(4)丁寧な暮らし―1

 仕事は辞めた。実家に帰ろうかとも思ったけれど、定年まできちんと教師を務めあげた両親と毎日顔を合わせていたら気が狂ってしまうと思って、今まで貯めてきた貯金と、実家からの仕送りで一人暮らしを続けることにした。自分でも情けないと思う。情けないと思うけれど、そうすることでしか今の自分には死を避けることができなかった。  起きて、顔を洗って、着替えて、食事を作って、食べて、掃除をして、洗濯をして、風呂に入って、夜になったら布団に入って眠る。二週間に一回メンタルクリニックに通って、少

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(3)砕けてしまう時

 恋人がいきなり、教師を辞めます、と言ったのは六月の半ばの話だった。校長は無責任だと怒り…

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柴田彼女
4か月前
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(2)先生

 メンタルクリニック、待合室では静かにピアノ曲が流れている。長椅子に一人腰掛けながら、自…

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柴田彼女
4か月前
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(1)崩壊

 壊れる、という言葉の、本当の意味を知った瞬間があった。  指先の一つも動かせなくて、呼…

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柴田彼女
4か月前
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