「愛」について
今、僕は、彼女がいない。
この前、友達とお酒を飲んでる時に、「人を一人、大切にできない人間が、笑いなんてとれるわけないだろ」と言われた。
刺さった。
刺さりすぎた。
ということで、マッチングアプリを初めて見た。
最近は、一般的になってきているらしいが、果たしてどれくらいの人がやっているのだろう。
友達にやり方とかコツとか聞いてからやればよかったのに、誰にも何も聞かないで、始めてしまった。
検索エンジンで「マッチングアプリ」と検索してみる。一番上に出てきたものをダウンロードすればよかったのに、変に上から8番目のアプリをダウンロードしてしまった。
スマホのホーム画面に現れたアプリのアイコンが、水色の背景に、黄色の砂時計が描かれていて、その中に天使と悪魔が閉じ込められている。上が悪魔だ。
アプリの名前は、「JUNGLE FONDU」。
密林のジャングルにチーズフォンデュのFONDUだ。略して、「JUNDU」だ。
アイコンとアプリの名前に関連性が見られない。
最近のマッチングアプリは、本名ではなくあだ名で参加するらしいのだが、思いっきり、本名で登録してしまった。
僕の本名は、球山米蹴。ボールの球に山登りの山で、「たまやま」。米俵の米にキックの蹴るで、「まいける」。そう、「たまやままいける」だ。
これは、冗談ではない。本当だ。
名前の中に「球」と「蹴」が入っているから、サッカーと呼ばれていた。「まいける」が明らかにキラキラネームなのに、それがかすんでいる。
「サッカー」が、追い抜いていくのだ。スペイン代表かと思った。
これは、冗談ではない。
趣味・特技の欄があったので、「ムーンウォーク」と書いてやった。
すごく勇気を出した。
これは、冗談ではない。
住所やクレジットカード情報をすべて記入して、アプリをスタートさせてから気づいた。僕以外、みんなあだ名なのである。
おい!! 「JUNDU」!!
先に言ってくれよ!!
絶対、止められただろ!!
どうして教えてくれなかったんだ!!
住所の数字のところ、半角で書かなきゃいけないところ、全角で書いちゃって、一からやり直してるからね。
その時に、教えてくれよ!! 「JUNDU」!!
怖すぎるので、すぐに退会した。
これが、デジタルタトゥーになるなんて考えられない。
そんなの、ジョーダンではない。
今、誰か笑ってくれているのだろうか?
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