『余命10年』を読んでの感想(ネタバレなし)
今日は、昨日読み終えた『余命10年』の感想を書きます。
さらっと書きます。
●あらすじ
話は、主人公である茉莉(まつり)が、
10年以上生きた前例がない病気になるところから始まります。
最長余命が10年の人がどうやって生きていくか──
最初は「オバさんになるのなんて嫌だし、10年でちょうどいい。」
と思っていた茉莉だったものの、
家族や友達といった人間関係、趣味や特技、恋愛などを通して
喜び、悲しみ、怒り、感謝、罪悪感、葛藤、自己犠牲、愛──などといった
いろんな感情の中で、「生きる」ということを見つめている話です。
なんというかリアルで、ノンフィクションっぽい話だなと感じました。
主人公の胸の内が鮮明に想像できるし、共感しやすいんですよね。
だから、まるで自分が余命10年と告げられた様な感覚で読んでました。
物語を通して、ドラマティックな大きい出来事が起こるわけではないけれど、
例え小さな出来事一つだったとしても、主人公がそれを味わおうとする感覚が
とてもいいんです。
最初はどう生きていくか見当もつかない茉莉でしたが、
中学校時代の親友がきっかけで、絵やアニメの世界に入っていきます。
もともと茉莉は絵がうまかったので、その世界で評価されることで、
社会と触れ合う感覚を覚え、どんどん絵にのめり込んでいきます。
こんな茉莉と対照的な人物として、器用になんでもこなせるけど
のめり込めるほどやりたいことが定まっていない人が出てきて。
茉莉はその人のことを、自由だと羨ましがったり、
その人は茉莉のことを、「好きなものがあって羨ましい」と思ったり。
このやりとりも、お互いの気持ちがとても理解できるいいシーンでした。
●感想
本作では、「余命が10年」という設定が前提にありますが、
別に余命を宣告されていない僕でも、とても共感できることがありました。
他人への思いやりだったり、好きなことをやる大切さだったり、
大切にすべき人間関係だったり───。
私たちは普段寿命を気にしてなくて、ずっと"今"が続くと思っているからこそ
些細なことに有り難みを感じることが難しくなっている。(僕だけじゃないはず)
「同じ日々の繰り返しでつまらないなぁ。」と感じている人や、
「最近感謝の気持ちを忘れているかも。」と思っている人には
ぜひ読んでほしい作品でした───
(余談)
初めて本の感想を書きましたが、ネタバレせずに感想を書くのは難しいですね…
次回以降本の感想を書くことがあれば、ネタバレありきで
がっつり書こうかなと思いました…
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