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【インド映画】Kho Gaye Hum Kahan(2023)

監督:アルジュン・ヴェレイン・シン
出演:シッダーント・チャトゥルヴェディ、アナンニャ・パンデーイ、アダルシュ・ゴーラヴなど
上映時間:2時間15分

12月26日に公開されたNetflix映画「Kho Gaye Hum Kahan(そして、見失ったのは)」鑑賞しました。日本語字幕あり!Netflixの影響力の輪がどんどん広がっています。

制作にファルファン・アクタールとゾヤ・アクタールがいます。二人は「Zindagi Na Milegi Dobara(人生は二度とない)」や「Dil Chahta Hai(心が欲している)」など、名作を数々生み出しています。特に時代を反映させた作品を作るのが上手です。今回も現代の若者の生活を描いた作品になっています。

ストーリーは若手スタンダップコメディアンのイマッド(シッダーント・チャトルヴェディ)、経営学修士を取得しているキャリアウーマンのアハーナー(アナンニャ・パンデーイ)、ジムのトレーナーのニール(アダルシュ・ゴーラヴ)の三人の親友グループが中心。彼らの仕事・恋愛・過去にスポットを当てながら、物語が進行されていきます。

イマッドは他人と真剣な付き合いをするのが怖く、ワンナイトラブを繰り返す日々。アハーナーは恋人のロハンに別れを切り出されるが、彼への執着が止まず、SNSの偽アカウントまで作って彼をストーキングします。ニールはインフルエンサーのララと秘密裏に付き合っているが、ララにとってニールは明らかに遊びである。

現代の問題を的確に映し出していて、非常に面白かったです。作品の問題提起はズバリ「スマホ依存症」。確かに現代人は生活をあまりにもスマホに支配されすぎです。特にインド人はスマホ依存がひどく、日本人の倍以上の時間をスマホに費やしているように感じます。インド人に広く刺さるいいテーマだったと思います。

一番のメッセージは実は物語の中盤で、イマッドの彼女シムラン(カルキ・ケクラン)によって語られていました。
「簡単に人と繋がれるようになったけど、私たちは以前より孤独だわ。」
本当にこれが全てだと思います。あと最後にアハーナーが言った
「友達がいれば、フォロワーなんて不要でしょ?」
おっしゃる通りです!!

そしてインフルエンサーについても触れておきたい。僕も一時リール動画がバズったりして、その存在が比較的身近にあります。一度ムンバイでインフルエンサーの集まりに参加したことがあり、その時にすごく違和感を覚えました。フォロワー数やいいね数などの側にばかり注力して、中身がカラッポ。その彼らの姿がものすごい空虚に映ったんですよね。それ以降インスタから距離をとるようになりました。彼らもスマホに踊らされている被害者なんです。

物語はリアリティ重視なのでそれを逸脱するような大きな展開はないのですが、終盤のロハンを倒すシーンと、最後のイマッドのスタンダップコメディは見事でした!前者はスカっとしましたし、後者は正直涙してしまいました。

そしてアクタール兄妹が絡んでいるだけはあり、演出が素晴らしかったです。リアリティを演出するのが抜群に上手いです。特にカメラワークは他の作品と一線を画していたなと。隠しカメラのようなアングルを多用しており、本当に彼らの日常を覗き見しているような感覚になります。

あと小ネタですが、ニールが不満を爆発させて、彼女のインスタに悪質なコメントを書いたついでに、インドの映画監督カラン・ジャウハールにも悪口を言っていたのは爆笑してしまいました(笑)。なぜか冒頭のスペシャル・サンクスに名前があるなーと思っていたのですが、こういうことかと。いやスペシャル・サンクスでカバーしきれてるのか??(笑)

そしてムンバイの有名日本料理屋「いずみ」の名前が出てきました!!めっちゃ高級店なので行ったことはないのですが、それだけ既にムンバイ市民(特に高級層)の生活に根付いているんですね。

「Kho Gaye Hum Kahan」は現代の若者の生活に焦点を当てたリアリティ映画。アクタール兄妹が絡んでいるだけあって、面白い作品に仕上がっています。美人女優アナンニャ・パンデーイもたくさん見れます!!

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