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【ケニア旅行記】イテン(三日目)

朝6時半に起床。ベッドから起き上がった瞬間、崩れ落ちるんじゃないかと思うほどの脚の筋肉痛。昨日人生で初めて42.195kmを走りきったのですから、当たり前です。コーヒーを飲み、泊まってる宿をあとにします。

今日は行きと同じルートで一日かけてナイロビに戻ります。7時半にマタツ乗り場に到着し、8時半に乗り換え地のエルドレット着。前回と同じフィッシュマーケットで腹拵えをし、余裕を持って10時半出発のナイロビ行きのバスに乗車。すこぶる順調に物事が進みます。さすが俺。

ティラピア&ウガリ(200ケニアシリング)

バスは例の如く30分遅れて11時発。しかしこんなのも計算内。気持ちに余裕もを持って、どっしり構えます。16時半到着予定となっていますが、諸々のロスを考慮して17~18時着と見積もっていて、そこから夕食を食べ暗くなる前にホテルへ。我ながら完璧なプランニング。

しかし出発からが一時間が経ったころ、事件は起きました。なんと洪水によって土砂崩れが起きて、道が塞がれてしまった。車は完全にストップ。全員が迂回ルートに回されるが、道のインフラは最悪で、全く前に進みません。迂回ルートに流れて3時間、動いたのは200mほど。

大渋滞の様子

しかし僕も笑ってはいられません。僕のフライトは明日の18時。まだ時間に余裕はあるが、この調子だと本当にいつ帰れるかわかりません。

ここで運転手が英断を下します。現在の迂回ルートを引き返し、別のさらに遠回りなルートを目指すことに!よくやった!!そのルートなら順調に進めば、今日の深夜には到着できる計算です。マジでファインプレー!

来た道を単独で引き返す我らのバス。さっきまで居たの大渋滞を横目にスイスイと進んでいきます。これで大丈夫だと一息ついた瞬間、バスが急ブレーキでストップ!なんだなんだと乗客全員が前を見ると、なんと渋滞待ちの車がこちらのレーンまで流れ込み、道が塞がれているではありませんか!!

立ち往生する我がバス

ガックリとうなだれるドライバー。絶望に打ちひしがれる僕。もう終わりです。

しかし他の乗客はキャッキャ言いながら、バスの外に出て写真を撮っています。日本ではトップクラスの楽観主義である僕ですが、この国では悲観主義の部類に入るでしょう。この国の人たちの楽観性は完全に常軌を逸しております。

前に進む道も、後ろに戻る道も絶たれ、僕らはどう動くこともできなくなりました。

しかしここで再び運転手が英断を下します。なんと脇道のごく僅かな隙間を縫って進むというのです!

とはいうもののこの選択をとるリスクはかなり大きい。なぜなら少しでも道を踏み外せば、バスは横転間違いなしです。

ドライバーの決断を聞き、安全のため次々と降車していく乗客たち。僕も彼らに続いて降りようとしたとき、先に降りた乗客が自分の上着を取ってくれと僕にお願いします。彼女が指差すコートを取って、優しく彼女に手渡すと、なんと彼女は僕を取り残してバスのドアを閉めました。

「?????????」

一瞬何が起きたかわからず立ち止まっていると、ドライバーが車を動かし始めました。僕は乗客の中で一人、バスの中に取り残されてしまったのです。

こうなった以上やることは一つ。僕は必死の形相で踏み外したら横転する側のタイヤをガン見します。ヤバくなったらいつでも運転手を静止できるようにです。

神に祈りつつ、タイヤを見守ること3分、対抗車両をかわし脱出することに成功しました!!胸をなでおろすドライバー。神に感謝を捧げる僕。助けてくれたのはきっとヒンドゥー教の神様でしょう。

そこからは順調に超迂回ルートを進んでいきます。僕も安心しきって爆睡します。NEW迂回ルートを行き始めてから約10時間後の深夜3時半、ついにナイロビに到着しました。

気づけば朝9時から約19時間、何も食べていません。しかしナイロビの深夜は危険度MAX。僕だけじゃなく他の乗客も夜明けまでバスの待合室で待つことを余儀なくされます。待つこと約3時間、夜が明けて僕たちはナイロビの街に散っていくのでした。

日をまたいで本日はケニア最終日。次の記事へ続く。

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