見出し画像

【インド映画】Aar Paar(1954)

監督:グル・ダット
主演:グル・ダット、シャマー、ジョニー・ウォーカーなど
上映時間:2時間20分

和訳タイトル「表か裏か」

主演&監督のグル・ダットは1950年代のインド映画を代表する俳優兼監督です。かなり詩的な表現を得意とする芸術肌な監督で、1964年に若干39歳で亡くなりましたが、今もなおカルト的な人気を誇っていおり、ボリウッドを語る上では欠かせない存在の一人です。
実際に「渇き(Pyaasa)」とかは、僕の好きなインド映画トップ10に入るほどの名作です。マジ美しい。

今回はそんなグル・ダット作品の中では数少ないコメディ映画です。

ただグル・ダットがベタベタのコメディ演技をしているわけではなく、いつも通りの悲しき色男って感じで、コメディの部分を大きく担っていたのはジョニー・ウォーカーでした。

インドのコメディ映画には「コミックロール」という役回りが欠かせず、ジョニー・ウォーカーはその第一人者ともいえる存在。
細い口ひげが特徴の、滑稽で愛されるキャラクター。彼がいるだけで一気に作品がコメディになります。

僕がインド映画界で目指しているポジションも実はこの「コミックロール」なので、非常に勉強になりました!

内容はというと、まあまあといったところ。
コメディ映画なので終わり方はハッピーエンドなのですが、それがグル・ダットの魅力を半減させてしまっているような。彼はやっぱり、渇き(Pyaasa)のような悲しい結末が似合っているのです(個人的意見)。

グル・ダットは過去に3回自殺未遂をはたらくなど私生活が荒れていて、そういった彼だからこそ出せる世界観みたいなのを見たくなってしまう。
いや本当にいい作品なんですけど、渇き(Pyaasa)が良すぎてハードルあがってしまう!

特筆すべき点としては曲の入り方ですかね。「インド映画=急に踊りだす」みたいなステレオタイプがありますが、グル・ダットは本当に曲への入り方が芸術的で美しい。僕がもっとヒンディー語を理解できれば感じ方も変わってくるのだと思います。勉強します!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?