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【インド映画】Sanju(2018)

監督:ラージクマール・ヒーラーニー
出演:ランビール・カプール、パレーシュ・ラワル、マニーシャ・コイララ、アヌシュカー・シャルマー、ソーナム・カプール、ディーヤー・ミルザー、ボーマン・イーラーニー、ヴィッキー・カウシャルなど
上映時間:2時間40分

「ババ」の愛称で親しまれている俳優サンジャイ・ダットの伝記映画。監督はサンジャイ・ダットを人気者へと押し上げた映画「ムンナバーイシリーズ」の監督、ラージクマール・ヒーラーニー。
他にも「きっとうまくいく」や「PK」も手掛けているインドが誇る名監督です。彼がサンジャイ・ダットのことが好きすぎて、なんと彼の映画を作ってしまいました。

ただのインドの一俳優の映画なんておもしろいのか?と思うかもしれませんが、これがめっちゃ面白いんです!なぜならサンジャイ・ダットの人生は波乱万丈そのもの。
重度の薬物中毒(彼曰く世界中で彼が手を出していない麻薬はないとのこと)、幾多の女性問題(彼曰く同世代&後世代の女優はほぼ手を出してるとのこと)銃の不法所持(懲役1年6カ月)、テロ事件関与疑惑など。

波乱万丈というか、正直ただのバカなんですけど(笑)
でも上記の通り変な言い訳をせず、なんなら何の罪の意識もなく平然と過去の悪行を語るあたりがサンジャイ・ダットのおもしろさ!

そして彼の両親はインドで初めてアカデミー賞にノミネートされた伝説的映画「マザー・インディア」の主演俳優&女優のスニル・ダットとナルギス。
特にナルギスは歴代でも最高の女優の一人と言われています。
この二人の間に生まれたからこその苦悩もあるのですが、救うのもこの二人なんですよね。

この両者のシーンはマジで泣きます。インド映画に精通していない方は、二人がいかにインド映画界で大物化ということを念頭に置いてみてほしい。
この二人のキャスティングもニクいですよね。特にナルギス役をマニーシャ・コイララが演じるのが感慨深すぎる!それだけで泣きそう!

僕一番の号泣ポイントは、スニル・ダットが街の人に「ムンナバーイのお父さんだ!」と声をかけられるところ。むかしテロ容疑がかけられたときは街の人たちに「テロリストの親父だ」と言われていたんですね。その見事な対比と、実際にムンナバーイを監督したラジクマール・ヒーラーニーがこれを撮っているというのが・・・
きっとラジクマール・ヒーラーニーもこのシーンを撮りながら泣いているんだろうなーと思いながら勝手に泣いていました。

カムリ(ヴィッキー・カウシャル)との友情もアツいですね~。僕は男の友情大好きなんで、一発でやられました。ヴィッキー・カウシャルの演技も最高に良かったです。

最後エンディングの曲でサンジャイ・ダット本人が登場します。
それ自体も盛り上がるのですが、その隣でサンジャイ・ダット役を演じていたランビール・カプールが出てきたとき、「あれ、ランビール・カプールだったのか」と思ってしまいました。

ババの役作りが完璧すぎて、本当にババだと思ってみていました(ちなみにパレーシュ・ラワルのスニル・ダットもそうでした)。
このエンディングを見たときに映画という魔法が解けたんですね。いやースゲェ。役者として最高じゃないでしょうか。

ディレクションもさすがラジクマール・ヒーラーニーです。完璧を越えた完璧。サンジャイ・ダットの人生の最高の見せ方だったと思います。

いやー、いい映画や!そしてサンジャイ・ダット最高!!
近日中に大大大好きな「ムンナバーイ」見直そうと思います。

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