豚ロースの塊肉を茹でる試み
ご挨拶
皆さんこんばんは。
野食材を色々食べる試みの藤助です
皆さんは、食材のお買い物はどこでされていますか?
会社帰りに寄りやすいスーパーやドラッグストア、ネット…噂に聞く所によると、都会には駅構内にもスーパーがあるとか。
スーパー巡りが好きなワタクシには、なんとも羨ましい限りです
さて、先日仕事帰りにふらりと買い物に寄った所、とんでもない食材が売っていたので、ぜひご覧いただきたい。
それは…
…これは断じて冗談ではない。
もう一度ご覧いただこう
なんだこれは!
外国産といえど、普段なら安くてもg単価150円を下回る事なんてありえ無いのに、特価にも程がある!
ただでさえ、燃焼や飼料の高騰でぐんぐん国産豚肉の値段が上がっているというのに、いったいどうした事か…
これは我が家にお連れする他あるまい!
ほぼ無意識に陳列棚から肉を掬い上げ、お会計。
家に着き、逸る気持ちを抑えながらお湯を沸かす。
落ち着け、これは訓練ではない!
繰り返す。これは訓練ではない!
ヘルシーな塊肉が手に入ったのならばやる事は1つ。
なるべくの低温で丸ごと茹でてしまうのだ!
調理
【低温調理の茹で豚・ロース肉】
・豚ロース(ブロック) 500グラム
・お湯 1リットル
・塩 30グラム
・芯温計(必須)
※なるべく厚手の鍋をオススメする。
湯温が下がりにくいので、忙しなくお世話しなくても良くなる。
さて、今回の豚肉ロース、せっかくの塊肉なので昨今流行りの低温調理でしっとりハム風に仕上げたい所。
ここで大事な大事なポイントを提示する。
それは肉の芯温、つまり中心の温度を何度でどのくらいの時間加熱しなければいけないか?
という事だ。
加熱した肉に金串を刺し、唇の下に当てて熱く感じたらオッケーなのでは?と思う方もいるかも知れないが、それでは安全が担保されているとは言い難い。
豚肉の場合、芯温が63℃に達してから30分以上の加熱によって初めて、カンピロバクターやサルモネラ、E型肝炎、寄生虫等、重症化すれば命にかかわる危機から逃れることができるのだ
(それと同等とされる、芯温60℃で2時間、もしくは芯温75℃で1分でも可)
これを軽視すれば、下痢、腹痛、嘔吐から始まり、発熱、肝機能の低下、はては脳にまで達した寄生虫が体内を這いずる羽目にもなりかねない。
ワタクシの愛したレバ刺しも、そういった危険性の認知により平成27年の6月を最後に永遠に失われる事となった。
悲しいが、本当に悲しいが、我々知恵のある獣の定めとして静かに受け入れるしか他あるまい
食中毒回避のため、芯温計が無ければすぐさま購入するか、勇気を持って低温調理を諦めるべきである
今回の調理過程は、湯温75℃〜85℃キープ、最終芯温65℃を目指して行くものとする
前置きが長くなってしまったが、上記を前提とし、調理に移るとしよう
厚手の大鍋にたっぷりのお湯であれば、比較的温度変化が少ないので85℃くらいからスタートでもいいかもしれない
肉を入れたらすぐさま蓋をする。
できればこのまま75℃位でキープしたい所だが、この小鍋では難しいだろう。
ひとまず30分様子を見て、大幅に温度が下がる様なら再び温めよう
その間、お皿を洗ったり洗濯物を干したり…
アラームがなったので、温度を計ってみる
肉の中心を温めるには低すぎるので、弱火で5分かける。
5分後、再び温度を計ってみる
さらに30分置いて、火を通していく
少し温度が下がりすぎたので、また5分弱火
この肉の大きさにしては、もしかしたら加熱しすぎたかも知れないな…
ここまでにかかった時間、合計1時間30分。
それでは、芯温を測ってみよう
安牌を掴もうとして、65℃どころか、70℃1分すら軽く飛び越えてしまった。
1キロ位の塊肉ならちょうど良かったかも知れないが、500gなら1時間の加熱で充分かも。
まあこの温度なら、過度にパサパサ、という事も無かろうて。
粗熱が取れたら冷蔵庫へ。
こいつがあれば、いつでもいくらでもヘルシーなタンパク質が取り放題だ!
そして次回、「今が旬のあの野食材」と合わせて今期最後の冷やし素麺をいただこうかな
それでは皆さん、良い野食材ライフを!
追記
今回、時短のために直接塩湯で茹でたが、実はこれではあまり味がつかない。
余裕があれば、全体を金串で刺して12%ほどの塩水で2日程(500グラムの場合)漬け込み、塩の入っていないお湯で調理した方が確実に美味しいし、ハムっぽさも増すだろう。
この調味液に砂糖を少し加えると保水力が上がり、よりしっとりしやすいし、ローズマリーと軽く潰したニンニクを入れるとリッチな味わいになる。ジュニパーベリー等の変わり種も面白い香り付けに一役かうだろう。
つまり、芯温さえちゃんと安全圏内であれば、味付けの面ではかなり自由度の高い調理なのだ
↓次回はコチラ
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