鶏もも肉の赤ワイン煮込みを食べる試み
皆さまメリークリスマス
サンタさんへプレゼントのリクエストはお忘れ無いでしょうか?藤助は幼少期のプレゼントに(お願いしたわけでは無い)「番犬ガオガオ」をもらって以来、大人とサンタさんに対して不信感を持つようになってしまった過去があります。
あんな原始的恐怖の塊を幼稚園児に与えるな
さて、古今東西万国共通、銀世界を目の当たりにすると煮込み料理が食べたくなるのが人の性。おでん、ポトフ、ボルシチ、トリッパ…ほこほことろとろと温かい食べ物は、どうしてあんなに美味しいのだろう
白い息を吐きながら両手をすり合わせつつ、酒置き場を探索する。
帰ってきたばかりのアパートの小さい一室は、すぐ暖まるとはいえまだ外と変わらない温度のままだ。
オンボロストーブの点火音を聞きつつ、お目当ての瓶を手に取り、粉雪のように薄っすらと積もった埃を布で擦った。
師走も大詰め、年明けに古い酒を飲む気にはなれないし、せっかくのクリスマスに相応しい一品にリメイクしてみよう
【鶏もも肉の赤ワイン煮込み】
・鶏もも肉 600g
・人参 200g
・玉ねぎ 200g
・赤ワイン 160g
・トマトジュース(無塩) 600g
・トマト 1個
・塩 鶏肉に対して約1%と、野菜用に3つまみ位(炒め終わった時に美味しく感じるくらいの塩気)
・黒胡椒 適量
・ローリエ 3cm角程度
・オリーブオイル 大さじ2
※いつも通り、分量は前後しようが大抵美味しく仕上がるので神経質にならぬ事
まずは鶏肉に塩と胡椒をふる。今回は600gのお肉なので6gの塩と適量の胡椒を裏表に付けていく
皮目を下にして、中火で鶏皮の脂をじわじわと出すイメージで焼こう
その間に、人参と玉ねぎのソフリットを作る。炒めた香味野菜の旨味・甘み・香り・コクをソースに溶かし込むのが目的で、身近な例だとミートソースなんかでも使われている万能旨味調味料的な物だ
ストンストン、ザクザクとリズミカルに刻んでいく。おうちごはんなので粗くても全然オッケー
玉ねぎのみじん切りといえば、家庭科の授業や料理の本では半分に割って、頭の方から切れ目を入れ、さらに真横からも切れ目を入れ…というやり方をよく見聞きするが、今回は中華屋さんのやり方。確かに手順が少ない上にズレにくく、やりやすい。まさに目からウロコである
大量の野菜のみじん切りに達成感を覚えつつ、次はこちらを炒めてソフリットを作ろう
洗濯やお掃除など、他にやることが沢山ある人は弱火にかけて時々かき混ぜながら様子を見れば良いし、私のように暇を持て余している人は強めの火で頻繁にかき混ぜながら一気に炒めるとよい。
鶏肉の裏表に美味しそうな色がついたらワインを入れ、中火でアルコールと酸味を飛ばしながら煮詰める。
ぺろりと舐めてみると、ワインと鶏の肉汁と脂の美味しい所がググッと合わさり、これだけで立派なソースになっている
赤ワインとトマトのふくよかな香りが部屋に充満していき、換気扇を回してもなお、台所の窓がしっとりと濡れている
くつくつふつふつ、台所を片付けながら1時間と30分。塩気を見ながら水を足し、ひと煮立ちさせたら完成だ
食べる前に鍋の熱ですっかり暖まってしまったが、それはそれとしてもうお腹はペコペコだ。
鶏の皮からにじみ出た香ばしい脂とトロミ、舌で潰せるほど柔らかい香味野菜、鼻に抜けるトマトと赤ワインの控えめな酸味と、鶏の出汁と合わさったソースのコク、それを絡めて食べる肉の旨さと言ったら!
我慢できずに皿に残ったソースをトーストでぬぐって綺麗に平らげてしまった。夜なのに、食べ過ぎたかな…
しかし子供の頃は食後のはち切れそうなおなかにホールケーキだって詰め込んでいたのだし、年に一度のクリスマスくらい羽目を外しても良かろう。
明日の仕事を思うとため息が出そうになるが、今日は幸せな気分で床につける様な気がする。ぬくい電気毛布に包まれながら、星空に鈴の音を探してみようかな
追記
クリスマスにぴったりな鶏の赤ワイン煮込み。今回はたまたまトマトジュースだったが、もちろんトマト缶やパックトマトでも良いし、生のトマトが無くても問題ない。
他に具材が欲しければ、パプリカやマッシュルームを入れると香りや旨味が更に増すし、なによりゴージャスになる
ソフリットも、本来はセロリのみじん切りも入るが、高いし玉ねぎと人参だけでも美味しいので入れていない。
大事なポイントは、
①鶏皮をしっかり焼くこと
②赤ワインとトマトジュースはしっかり煮詰めること
③ソフリットは充分炒め、適切な塩気であること
これらさえ守っていればなんとな〜く美味しいものができるので、考えすぎずにぜひ作ってみて欲しい。
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