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ぴえん充電③

 朝早くドアを叩く者がある。
「開けなさい。ぴえん充電委員会のものだ」
問答無用で連行された。遮光窓の防音らしき車内に数人が乗っている。私同様突然連行された様子だ。
「何ですかぴえん充電て?」すると相手は
「しいっ、ついに飛ばされるんですよ我々は」
それは穏やかでない。それよりぴえん充電て? 相手は同情するように
「Pを援助するために充電するのです」
論外だわ。横文字だの省略だの言い換えだので意味不明よ。所謂「平和」活動ですよね? 援助ってお金が動いて何かがやりとりされることを曖昧に表現していますね? で充電は何の略ですか? 相手はそんなこときくなよと言いたげに
「充分な電力」と答える。
とうとうその日が来たか。ららら科学の子と言われた兄に続き私の出番がきた。平和のためという口実で。
そこなんですけどね。P、目的地の読み方だとアールです。
まじですか? 
ま、どっちにしてもあなたには働いてもらいますから。
荒野と化した敵地で。

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