「日本ダイエット」
「お好きなだけお召し上がりください」
見れば大皿に盛りつけられたツマと色鮮やかな大葉の緑に重なった薄桃色、橙色、黄金色はトロ、サーモン、ツブ貝だろうか。だが近づいて見ればそれらは引き千切られバラバラになった花弁。エディブルフラワーというやつだ。
花を見る会というのがあった。当然招かれなかったけれど後になって招待客はどういう基準で選ばれたのかとか費用はどこから出たのかとか騒がれたが興味を持てなかった。たとえ私物化だしても突然の災害に対処できないよりはましぐらいに思っていたあのときは。数年後に花を供える会があった。その時も費用や経緯の不透明さを巡って議論が起きた。見る会を大規模にしたものだ。弔意は丁重に示すべきだしその結果をもたらした事件は放置されてよいものでない。弔われるべきは法治主義だ。いずれにしても自分とは無関係だが。
花を食べる会にはようやく参加できた。ダイエットにいいわね、あのときの残り物かしら。きれい。
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