「カミングアウトコンビニ」宇宙編

今日こそ思いきって言うからな。
「ぼく、大きくなってもずっと家にいるよ、コンビニは別だけど」
意外にもママはニッコリと笑う。
「それいいわね。この先もしママが病気になったらちゃんとお世話してね」
お兄ちゃんが自分にも構ってよとスマホを見ながら言う。
「やべっ、オレ携帯会社の料金払ってないみたいだ。今すぐギフトカード買いにいかないと」
するとパパが落ち着き払った口調でこう言った。
「こうなったらみんなでコンビニに行くしかない！　パパの告白をきいて驚くなよ」
いやな予感がした。
「今まで黙っていたけど、わが家は全員宇宙から来たんだ」
やめて、コンビニの人が呆れてるよ。
「いざというときのため、ロケットをコンビニに偽装しておいたのさ。ほら帰省するぞ」
ゴゴゴゴ、
店ごと土台から発進した。

ボクら家族はお手頃イタリアン星雲でごはんを食べ、ずっとカミコンでゲームをして遊んだ。

「そして、ついにキミは飽きてコンビニから外に出たんだね。よくやった！」

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