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「フシギドライバー」②

 おねえちゃんが本を読んでいる。なあんだ、マンガじゃないのね。字ばっかりで眠くなっちゃうよね。うとうと。そのときだ。何か白いものが
「遅れちゃう!」
とか叫びながらぴょんぴょんと視野を横切って行ったのは。待ってよ、と思わず急いであとを追ってみた。
「ねえどこいくの?」
「お客さまがお茶会に行きたいからと予約を入れて下さったのさ。でもこんな辺鄙な場所だもの、タクシーなんて拾えないし。そもそもタクシー会社自体ない。そんなとき、ネット検索してくれたんだわ。ヒマだし、金ないし車遊んでるし。ホントはイケナイんだけどね、でも困ったときはお互いさまじゃん?」
「う〜ん、そんなこと言われたって困るわ、だってさ、それっていわゆる『白タク』ってやつよね、あんたウサギ?じゃなくて運転手なのね?」
「まあまあ堅いこと言うなや、しょせん不思議世界の話だし」

 あたしは考えた。著作権は切れてるとは言えこれはもしや二次創作? そんなことより主役は誰よ?

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