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ネコクインテット

困ったな。区役所の戸籍課の窓口受付は顔をしかめた。早速やってきたのだ。差し出されたのは婚姻届。
夫欄:寝子トリ男。妻欄:寝子デュ男。
どうやらどちらも。
「申し訳ないけどこれは受理できません」
「なぜですか、差別するのですか」
予期していたんだな、だからこそ挑んでいるのだな。
「だってまだ認められていないのですから」「少数派をなめるなよ」
「資金力と影響力をつけておととい来い」
「そもそも年金保険料が高すぎるのさ」
「本音が出たな」
「これを認めて税収と社会保険料が減るとでも?」
「少なくとも少子化対策にはならなさそう」「認めなくたって増えるもんか」
「腹を割った議論なんて無理だよな、言ってはいけないが多すぎるもん」
「悔しかったらうちはうちよそはよそって言ってみろ」

「まあ、そのくらいにしなさい」
現れたのはローレンス神父だ。
「よく来たね、トリオにデュエット」
二人は安心のあまりニャーニャーと鳴き出した。猫婚届が一般的でなかった頃の話だ。

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たらはかに様のお題に参加しています。

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