「神様時計」⑥
思い切って時計を開いて中をのぞいてみたんだ。ねじやらゼンマイやら細かい部品がゴチャゴチャあって頭痛くなったよ。こんなの一人で作れないや、困ったな。でも夏休みの自由研究「時計」にしちゃったよ。そこで困ったときの神頼みだよ。するとパパが助け舟をだしてくれた。まず中心があるだろう。そしていくつかが一定速度でぐるぐる回転するのさ。それぞれ周期が違うんだ。でもさ、ネジをまくのめんどうくさい。ソーラーとかでいいよね? しょうのないやつだ。よし、ソーラーでいくか。こうしてボクの宿題は出来上がったよ。空の体系だ。水・金・地・火・木・土・天・海・。粘土で固めた星たちをネジで固めて動かした。ほほう、なかなかいいじゃないか。先生もほめてくれた。ボクの作品は夏休み宿題大賞に選ばれるはずだった。あの戦争さえなければ。校舎はミサイルで破壊されみんなの作品も宇宙の彼方に散らばった。今も動いているかしら。神様時計として。
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